文献情報
文献番号
200840015A
報告書区分
総括
研究課題名
健康危機管理におけるクライシスコミュニケーションのあり方の検討
課題番号
H19-テロ・一般-006
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
吉川 肇子(慶應義塾大学 商学部)
研究分担者(所属機関)
- 釘原 直樹(大阪大学 人間科学部)
- 岡本 真一郎(愛知学院大学 心身科学部)
- 押谷 仁(東北大学 医学部)
- 西條 政幸(国立感染症研究所 ウィルス第1部)
- 堀口 逸子(順天堂大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
3,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
健康危機発生時に必要となるクライシスコミュニケーションのあり方について検討し、マニュアルを作成する。そのために、主に感染症の分野での事例を中心に、過去のクライシスコミュニケーションを行政対応と社会的影響の視点から分析する。すなわち、平時からのリスクコミュニケーションではなく、実際に危機が発生した際の対応を検討する。これらの検討を通して、あるべき情報提供に重要な要因を明らかにする。
研究方法
昨年度に引き続き、クライシスコミュニケーションについて広範に資料を収集し、学術的な視点だけでなく、実務的な視点からも検討を行った。マニュアルを作成し、内容を検討し、改変した。また、マニュアル本体の概要を理解しやすくするために、クイックガイドをあわせて作成した。効果的なコミュニケーション手法については、数回の心理実験を通して明らかにした。クライシスコミュニケーションの社会的影響については、モデルに基づく予測を行った。さらに、マニュアルに反映させるべき科学的な情報の検討もProMed(国際感染症学会ニュースソース)によって行った。
結果と考察
健康危機管理時におけるクライシスコミュニケーションのマニュアルを作成した。このマニュアルには、心理学実験の結果を中心に、各分担研究者の研究成果が反映されている。また、クイックガイドについても合わせて作成し、あわせて報告書に添付した。このように、成果であるクライシスコミュニケーションマニュアルについては、実験や調査の分析結果を反映させることができた。また、クイックガイドについても、理解しやすいとの評価を得たところである。
結論
成果物は当初の研究計画通り提出することができた。ただし、注意しなくてはならないのは、マニュアルは、それを学習する機会があってはじめて生きるものである。今後はこのマニュアルを利用したクライシスコミュニケーションの訓練や勉強会などの機会を持つことが望ましい。その際には、ただ訓練プログラムのみを提供すると誤った運用をされることが懸念されるため、これを正しく活用できるファシリテータの養成を行う必要もあると考えられる。その上で、さらにマニュアルの改訂も進める必要があるだろう。
公開日・更新日
公開日
2009-04-24
更新日
-