情動・認知機能を定量化する包括的な行動毒性試験の構築

文献情報

文献番号
200839024A
報告書区分
総括
研究課題名
情動・認知機能を定量化する包括的な行動毒性試験の構築
課題番号
H20-化学・一般-010
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
掛山 正心(東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター・健康環境医工学部門)
研究分担者(所属機関)
  • 小川園子(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
  • 舩橋利也(横浜市立大学大学院医学研究科)
  • 塚原伸治((独)国立環境研究所環境リスク研究センター)
  • 尾藤晴彦(東京大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
32,739,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
情動機能並びに認知機能を測定するため、新たな二つの試験に加えて、既存のテストの有効性を検証し試験バッテリーを構築する。この研究成果を応用し、簡易行動試験を設計することを目的とする。
研究方法
ダイオキシン等の発達期低用量曝露動物を用い、試験法の検討を行う。行動試験を行った動物の脳サンプルを用い、組織化学評価を行う。行動変化を説明するための科学的手法について検討する。
結果と考察
本年度は、大脳皮質依存性の学習試験の構築、情動行動試験バッテリーの構築、マウスの海馬および扁桃体の神経細胞に及ぼす発達期ダイオキシン曝露の影響についての解析、
皮質を用いた化学物質の神経系発達期における作用の評価、マウス集団型全自動行動解析システムを用いた毒性試験に関する研究が進展した。特に重要な結果として、第一に、我々の試験が確かに大脳新皮質依存性の学習課題であることを確認した。第二に、自発的活動性、情動レベルや不安関連行動の計測に広く用いられているホームケージ回転車テスト、Y字型迷路テスト、オープンフィールド行動テスト、明暗往来箱テストを導入し、ダイオキシン曝露動物を用いて試験法を検証した。
結論
本年度は特に、大脳新皮質依存性の学習試験が進展したこと、情動行動に関する多くの行動試験について、毒性試験としての有効性の検討についてのデータが集積したことが大きい。また、ダイオキシン曝露に関する影響についても、これまで全く報告されていない質の影響が見られることがわかってきた。来年度はこれらの行動試験についてさらに検討を進める必要があるだろう。

公開日・更新日

公開日
2009-05-25
更新日
-