形態形成期・思春期などの高感受性期にある集団での核内受容体作動性化学物質等の有害性発現メカニズムの解明及びその評価手法にかかる総合研究

文献情報

文献番号
200839012A
報告書区分
総括
研究課題名
形態形成期・思春期などの高感受性期にある集団での核内受容体作動性化学物質等の有害性発現メカニズムの解明及びその評価手法にかかる総合研究
課題番号
H19-化学・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
井上 達(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 五十嵐 勝秀(国立医薬品食品衛生研究所 毒性部)
  • 関澤 純(徳島大学 総合科学部)
  • 加藤 茂明(東京大学 分子細胞生物学研究所)
  • 粟生 修司(九州工業大学 生命体工学研究科)
  • 井口 泰泉(大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設)岡崎バイオサイエンスセンター)
  • 笹野 公伸(東北大学 医学系研究科)
  • 杉村 芳樹(三重大学 医学部)
  • 菅野 純(国立医薬品食品衛生研究所 毒性部)
  • 川戸 佳(東京大学 総合文化研究科)
  • 五十嵐 美徳(国立がんセンター がん宿主免疫研究室)
  • 曽根 秀子(独立行政法人国立環境研究所 環境保健科学)
  • 山崎 聖美(独立行政法人国立健康・栄養研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
39,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本総合研究で設定した統括的目的は、核内受容体作動性の生殖・核内受容体系、免疫・感染防御系および中枢神経・行動系などの高次生命系における発現遺伝子シグナルのかく乱を指標として形態形成期や思春期にある高感受性集団に想定される影響について各々の系における影響メカニズムを統一的に理解し、これに即した評価法の確立にむけて研究を推進することとした。
研究方法
プロジェクト課題研究では、1.低用量作用に関するその後の文献調査、2.前立腺影響研究、3.ヒト乳がん上皮細胞を用いた発がん蓋然性研究の3課題について、また、基盤研究では、生殖・核内受容体系部門、免疫・感染防御系部門、および中枢神経・行動系部門の各部門に分かれていずれもBPAの影響を参照しつつ実験を行った。なおマイクロアレイ基盤研究では、肝臓における絶食シグナル依存的な転写コアクチベーターの機能解析に関するChip on Chip解析を実施している。
結果と考察
プロジェクト研究では低用量作用に関するBPAの文献調査で156報の報告を解析したことをはじめ、前立腺影響研究でのBPA曝露群の間質におけるKi-67 index 等の有意な増加、DAX-1などの発現上昇などが認められた。また、基盤研究では各々の実験結果から核内受容体作動性化学物質のエピジェネティックでストカスティクな影響が観察され特にラットの海馬スライスを用いた研究では、10 nMのBPAで2時間以内にCAI領域の神経樹上突起上のスパイン数の増加を画像解析で確認する技術的進展がみられた。
結論
核内受容体作動性化学物質が様々な形で影響を及ぼす蓋然性を持つ高次生命系を標的としたプロジェクト研究と、組織的基盤研究とに分かれて目的に沿った研究を推進し所定の成果を得た。

公開日・更新日

公開日
2009-05-25
更新日
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