野生動物及び愛玩動物が保有する動物由来感染症の国内サーベイランスシステムの構築に資する研究

文献情報

文献番号
202119030A
報告書区分
総括
研究課題名
野生動物及び愛玩動物が保有する動物由来感染症の国内サーベイランスシステムの構築に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21HA2006
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
前田 健(国立感染症研究所 獣医科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 香月 進(福岡県保健環境研究所)
  • 鈴木 道雄(国立感染症研究所獣医科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域におけるワンヘルスアプローチ手法に基づく取組のモデル事業を確立することを目的として、市中流行している動物由来感染症起因病原体の網羅的探索手法の検討及び野生生物の生息状況把握手法の開発に加え、ワンヘルスに資する人材育成のための医師、獣医師会向け研修会の実施並びに地域ネットワーク構築によるワンヘルスの普及啓発に取り組む。
研究方法
各研究者の報告をご参照ください。
結果と考察
1)福岡県では、One Health推進地域として積極的に各種事業に取り組んでいる(福岡モデル)。本研究では、地域におけるワンヘルスアプローチ手法に基づく取組のモデル事業を確立することを目的として、①動物由来感染症起因病原体の網羅的探索手法の検討及び②野生生物の生息状況把握手法の開発に加え、③地域ネットワーク構築によるワンヘルスの普及啓発及び④ワンヘルスに資する人材育成のための医師、獣医師会向け研修会の実施に取り組んだ。2)動物由来感染症の検査法について、各種の動物から病原体を検出する際の検体採取法および検査・診断法等について適切な方法を検討し、国内の野生動物および愛玩動物等を対象とした動物由来感染症サーベイランスのガイダンスとしてまとめるため、各感染症の研究者の協力を得て作成を進めた。具体的にはガイダンスの作成対象として、ウイルス、細菌、真菌、原虫および条虫を病原体とする計15種の動物由来感染症を選定し、それぞれの感染症の病原体の検出方法を中心に、ガイダンスをまとめた。今回作成した動物由来感染症のガイダンスは、今後動物由来感染症のサーベイランスを実施していく上で非常に有用であり、ワンヘルスの推進、ひいては公衆衛生の向上・増進に寄与することが期待される。3)動物由来感染症のサーベイランスは、多くの研究・行政機関、また民間の調査研究機関等によって行われてきたが、それらを集約・一元化したデータベースはこれまで作成されていない。そのため、これまでの調査報告を広く情報収集し、集積されたデータの分析を行った。
結論
1)福岡モデル構築
 福岡県におけるOne Healthアプローチが順調に進んでいる。更に発展させるとともに、横(他地域)への展開も行う必要がある。
2)ガイダンス作成
今回作成した動物由来感染症のガイダンスは、今後動物由来感染症のサーベイランスを実施していく上で非常に有用であり、ワンヘルスの推進、ひいては公衆衛生の向上・増進に寄与することが期待される。
3)データ収集
野生動物の感染症の研究を実施するにあたり、国内の基盤となる情報ファイルが作成できた。これを野生動物・伴侶動物における感染症の対策の基盤として、今後も情報を集積する必要がある。
4)One Healthアプローチに関わる研究成果
今回、動物と人との関係を中心にまとめた。病原体は常に動物-動物、動物-人、人-動物感染を試みている。そして、一部で感染が成立する(Spillover)。このような、異種間伝播は、時として重篤な感染症を引き起こす。また、異種間伝播により想像を超えたウイルス遺伝子の変異が生じる可能性がある。異種間伝播を防ぐためにも、動物が健康であり、環境が健全であることが、最終的にヒトの健康を守ることに直結する。動物の健康を守り、動物の病気を知り、人への感染リスクを知るための本研究はさらなる発展が必要である。

公開日・更新日

公開日
2025-01-06
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-01-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202119030C

収支報告書

文献番号
202119030Z