文献情報
文献番号
200838073A
報告書区分
総括
研究課題名
抗心不全薬(急性・慢性)に関する臨床評価ガイドラインの作成に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H20-医薬・指定-025
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
篠山 重威(同志社大学 生命医科学部)
研究分担者(所属機関)
- 堀 正二(大阪府立成人病センター)
- 和泉 徹(北里大学 医学部)
- 大橋靖雄(東京大学 医学研究科)
- 折笠秀樹(富山大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
抗心不全薬の臨床評価法に関するガイドラインとしては、昭和63年の通知以来改定されていない。本研究においては、抗心不全薬に関して最新の医学薬学的知見を踏まえて実践的なガイドラインを作成することにある。
研究方法
これまでに発表された急性心不全、および慢性心不全の治療に関する抗心不全薬の臨床試験のレビューし、我が国の実情に適した新しいエンドポイントの設定、検査法、臨床試験の実施方法を検討してガイドラインを作成した。
結果と考察
急性心不全に対する臨床試験に関しては、急性心不全の定義を明らかにし、その病態を詳細に記述した。その上で、①救命、②症状、③医療負担④退院時や退院後の障害から予後を評価という概念を提起した。慢性心不全に関する臨床試験に関しては、慢性心不全は多くの場合進行性であるが、心筋障害の程度は必ずしも心不全症状の重症度と一致するものではなく、心不全は可逆的であることを強調した。治療の目標は、まづ生命予後の延長であり、次に、QOLの改善であることを明記した。慢性心不全の予後は、1年予後と5年予後の間に乖離はないが、6ヶ月予後と1年予後の間に乖離がみられることから、少なくとも1年以上の経過観察による長期予後の追跡が必要であると考えた。これらを前提にして、慢第I相試験、第II相試験、および第III相試験のあり方と方法を述べた。
結論
急性心不全の治療においては、①救命、②患者負担、③急性期医療負担、④退院時や退院後の疾病負担、の四つの観点からみた治療効果、慢性心不全に対する薬効評価の指標としては、①生命予後, ②家庭・社会復帰 、③自覚症状、QOLが重要である。以上の検討事項をまとめてガイドラインを作成した。
公開日・更新日
公開日
2009-11-06
更新日
-