文献情報
文献番号
200838072A
報告書区分
総括
研究課題名
経口糖尿病薬の臨床評価ガイドラインの策定に関する研究
課題番号
H20-医薬・指定-024
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
加来 浩平(川崎医科大学 内科(内分泌・糖尿病))
研究分担者(所属機関)
- 荒木 栄一(熊本大学大学院 代謝内科学)
- 稲垣 暢也(京都大学大学院 糖尿病栄養内科学)
- 佐倉 宏(東京女子医科大学 糖尿病センター)
- 野田 光彦(国立国際医療センター 糖尿病・代謝症候群診療部)
- 綿田 裕孝(順天堂大学 内科学(代謝内分泌))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
良好な血糖コントロールが糖尿病合併症阻止に有効であることは、幾多のエビデンスの蓄積があり、抗糖尿病薬の有効性の指標として広く認知されている。一方、糖尿病治療薬は長期間継続投与される場合が多いこと、また一般に併用される場合が多いことから、これらに関する「安全性と有効性の適切な評価」には十分な配慮がなされるべきである。本研究の目的は、新規経口糖尿病薬の臨床試験および承認審査を円滑かつ理論的に遂行するための一定の規準を提供するため、経口糖尿病薬の臨床評価ガイドラインを策定することにある。
研究方法
(1) 国内、国外(米国、欧州)において、過去10年間に承認申請あるいは承認された新規経口糖尿病薬(血糖降下薬)に関する調査:電子媒体による情報収集に加え、必要に応じてPMDA(日本)、FDA(米国)、EMEA(欧州)、新規薬剤開発メーカーに協力を求める。
(2) 承認後の臨床試験に関する調査
(3) 既存薬(承認後の新規薬剤を含む)の市場における実績の調査
(4) 新規経口糖尿病薬の臨床評価のためのガイドライン作製
(2) 承認後の臨床試験に関する調査
(3) 既存薬(承認後の新規薬剤を含む)の市場における実績の調査
(4) 新規経口糖尿病薬の臨床評価のためのガイドライン作製
結果と考察
(1)良好な血糖コントロールが糖尿病合併症阻止に有効であることは、幾多のエビデンスの蓄積があり、国際的にも広く認知されている安定した血糖コントロールの指標であるHbA1cの変化を主体に、抗糖尿病薬有効性を評価することが妥当と考えられる。(2)糖尿病治療薬は長期間継続投与される場合が多いことから、長期投与における安全性の評価は、有用性の評価の上で重要である。(3)また、一般に経口糖尿病薬は併用されることが多く、併用時の有用性の評価について、とりわけ安全性の評価に十分な配慮がなされるべきである。
以上に留意して、「新規経口糖尿病薬の臨床評価のためのガイドライン(案)」を作成した。
一方、経口糖尿病薬治療の有用性を見極める究極の指標は、大小血管症の発症・進展阻止といった臨床エンドポイントであろう。しかしながら未承認薬による臨床試験の段階で、臨床エンドポイントによる評価を行うことの是非については、必然性、方法論、評価法などを含めて今後更なる議論を要するものと考える。
以上に留意して、「新規経口糖尿病薬の臨床評価のためのガイドライン(案)」を作成した。
一方、経口糖尿病薬治療の有用性を見極める究極の指標は、大小血管症の発症・進展阻止といった臨床エンドポイントであろう。しかしながら未承認薬による臨床試験の段階で、臨床エンドポイントによる評価を行うことの是非については、必然性、方法論、評価法などを含めて今後更なる議論を要するものと考える。
結論
「新規経口糖尿病薬の臨床評価のためのガイドライン(案)」を作成した。
本ガイドライン(案)の有効な活用により、臨床試験のレベル向上、迅速かつ適切な承認審査業務の推進等がもたらされ、ひいては糖尿病診療レベルの向上による国民の健康寿命の延長につながるものと期待される。
本ガイドライン(案)の有効な活用により、臨床試験のレベル向上、迅速かつ適切な承認審査業務の推進等がもたらされ、ひいては糖尿病診療レベルの向上による国民の健康寿命の延長につながるものと期待される。
公開日・更新日
公開日
2009-04-08
更新日
-