シームレスな垂直・水平統合を指向した社会医学系領域の医師のキャリアとコンピテンシーの確立

文献情報

文献番号
202127019A
報告書区分
総括
研究課題名
シームレスな垂直・水平統合を指向した社会医学系領域の医師のキャリアとコンピテンシーの確立
課題番号
21LA1002
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
和田 裕雄(順天堂大学 大学院医学研究科公衆衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 磯 博康(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 国際医療協力局)
  • 今中 雄一(京都大学 医学研究科)
  • 内田 勝彦(大分県東部保健所)
  • 大神 明(産業医科大学 産業生態科学研究所 作業関連疾患予防学研究室)
  • 大久保 靖司(東京大学 環境安全本部)
  • 亀田 義人(千葉大学予防医学センター)
  • 小橋 元(獨協医科大学 医学部)
  • 杉山 雄大(国立国際医療研究センター研究所糖尿病情報センター医療政策研究室)
  • 玉腰 暁子(北海道大学大学院医学研究院 社会医学分野公衆衛生学教室)
  • 山岸 良匡(国立大学法人筑波大学 医学医療系 社会健康医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
2,424,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
持続可能な社会の構築にとって平時および健康危機管理時を包括した社会医学領域の諸活動ならびにその維持・向上に同領域の医師の確保・育成は重要であるが、同領域の医師は慢性的に不足している。本問題は新型コロナウイルスパンデミックにより顕在化し、喫緊の課題であることが国民共通の認識になったと考えられる。先行研究である「公衆衛生等の社会医学系分野で活躍する医師の育成・確保に向けた研究(19LA1002)(代表 磯博康)」で実施した調査では、社会医学系領域の医師の確保・育成には、シームレスな卒前卒後教育体制を目指したキャリアおよびコンピテンシーを明示することが必要である、との結果が得られたため、まず、動画、マンガ、インタビュー記事(12本)より構成されるオンラインコンテンツを作成した。
 本研究は、上記研究の継続研究として、同研究で作成されたオンラインコンテンツ活用すると同時に、社会医学専門医協会に働きかけて、先行研究の研究体制を継承して、当初の目的である「社会医学領域のキャリアとコンピテンシーの明示化」を目指すこととした。
研究方法
令和3年度(2021年度、1年目)には、医学教育で提唱されている「シームレスな水平・垂直統合」に基づく教育体制を考慮した上で、社会医学領域のキャリアおよびコンピテンシーを明示するための体制構築を目指した。
具体的には以下の体制構築を目的として計画された。
①社会医学系医師のキャリアおよびコンピテンシーに関する情報蓄積 
②コンテンツの周知および効果的な活用方法の策定 
③専門領域間のシームレスな関係構築に関する検討 
④シームレスな関係構築に資する法令の整理と改正案の可能性の検討すること
 なお、本研究では令和4年2月に行われた卒後臨床研修の情報提供イベントで得られた情報を反映させて、インタビュー記事の作成を予定したが、新型コロナウイルスパンデミックの影響もあり、実施出来ず、令和4年度に実施することとなった。また、同計画に計上していた予算は返還した。
結果と考察
①これまでに作成したコンテンツを活用した学部学生への講義および卒後臨床研修の情報提供イベントにおける活動では、学部学生へのキャリアおよびコンピテンシー明示が可能であることが明らかになった。
②学部学生への講義および卒後臨床研修の情報提供イベントにおける活動を通じて、学部学生、初期臨床研修医などの若手医師から中堅医師まで幅広い層に、社会医学系領域のキャリアおよびコンピテンシー明示のニーズが存在することが明らかとなった。
③社会医学系専門医、指導医および専攻医のニーズを把握し対応するための体制を構築した。
④日本医学教育学会および日本内科学会との合同シンポジウム開催等の協働作業を通じて社会医学系専門医の在り方、他の専門領域との関係について、広く医学全体から俯瞰し考察する機会が得られた。本研究は、社会医学専門領域にとどまらず、将来の医学全体の在り方に関しても考察する基盤となり得ることが明らかになった。
⑤医療保健福祉関連法令で定められた組織や会議体規定の中で、社会医学系医師の活躍を促進する項目を整理し、法令の改定の可能性について検討した。
結論
さらに、本研究で蓄積したキャリアおよびコンピテンシーに関する情報は、社会医学・公衆衛生学領域における人材育成に活用でき、定期的な再評価と改善を加える(PDCAサイクルあるいはOODAループ)ことで、本邦の公衆衛生ならびに社会医学における人材の確保・育成、そして、その質の向上を目指す持続可能な体制の強化に資すると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2022-10-03
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-10-03
更新日
2023-07-20

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202127019Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,150,000円
(2)補助金確定額
2,688,000円
差引額 [(1)-(2)]
462,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 271,432円
人件費・謝金 50,000円
旅費 0円
その他 1,640,975円
間接経費 726,000円
合計 2,688,407円

備考

備考
本研究では令和4年2月に行われた卒後臨床研修の情報提供イベントで得られた情報を反映させて、インタビュー記事の作成を予定したが、新型コロナウイルスパンデミックの影響もあり、実施出来ず、令和4年度に実施することとなったため、同計画に計上していた予算は返還した。
自己資金407円

公開日・更新日

公開日
2022-10-19
更新日
-