医療事故防止に向けた薬剤師の取り組みと医療上の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200838070A
報告書区分
総括
研究課題名
医療事故防止に向けた薬剤師の取り組みと医療上の評価に関する研究
課題番号
H20-医薬・一般-022
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
土屋 文人(東京医科歯科大学歯学部附属病院 薬剤部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では医薬品関連医療事故防止に向けて薬剤師が果たすべき役割とその実現のために克服しなくてはならない課題及びその解決方法を示すことを究極の目的として、医療事故防止に向けた薬剤師の取り組みを医療上で評価するための方策について検討を行うことを当面の目的とする。研究全体としては過去我が国において発生した重大な医薬品関連医療事故を把握し、この種の事故防止に薬剤師が果たすべき役割については3年間の研究期間継続的に検討を行う。また、初年度では平成19年に示された病院薬剤師の配置問題の検討会の資料等を利用して、薬剤師の業務内容と医療安全の関係について解析を行う。また先進的に医療事故防止に取り組んでいる施設の薬剤師の業務内容等を把握することにより、医療事故防止に向けた薬剤師の取り組みを評価するために必要なデータについて検討を行う。
研究方法
過去発生した医薬品に関連した死亡事故について事故報道を中心に把握して、これらについて薬剤師の果たすべき役割について検討を行う。一方、前述の検討会で使用された病院薬剤師に関する業務内容調査のデータを利用して、データマイニングの手法を用いて薬剤師の業務内容と医療安全への貢献度について検討を行う。また、医療事故防止に先進的に取り組んでいる施設における薬剤師の業務内容を把握する。これらの結果を参考に次年度に行う各施設に対するアンケート調査において、どのようなデータを収集すべきかについて検討を行う。
結果と考察
医薬品が関連した死亡事故報道及び厚労省や製薬企業等により実施された医薬品そのものの改善(名称類似や外観類似への対応策、日本病院薬剤師会等の注意喚起等)を含めて総合的に検討した結果、事故防止について薬剤師が果たすべき役割やとるべき体制についてとりあえず注目すべき点が判明した。一方、前述のデータ解析により、薬剤師の充足率と注射薬の供給体制の関係や薬歴を利用した処方監査の実施状況に関する基礎的な結果をえることができた。しかしながら、前述のデータでは、各業務に従事している正確な薬剤師数のデータ等、正確な評価を行うためのデータが存在していないことが明確になり、次年度以降、これらのデータを正確に把握して、前述のデータと比較検討を行うことの必要があることが明示された。
結論
基礎的な解析を行うことができたことから、次年度以降調査を行うことにより、本研究の目的を達成することは可能と考える。

公開日・更新日

公開日
2009-05-11
更新日
-