文献情報
文献番号
202127018A
報告書区分
総括
研究課題名
実践を踏まえた災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)の質の向上、構成員、受援者の技能維持に向けた研究
課題番号
21LA1001
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
服部 希世子(熊本県人吉保健所)
研究分担者(所属機関)
- 木脇 弘二(熊本県八代保健所)
- 藤内 修二(大分県福祉保健部)
- 内田 勝彦(大分県東部保健所)
- 池邉 淑子(大分県福祉保健部)
- 市川 学(芝浦工業大学 システム理工学部)
- 緒方 敬子(熊本県天草保健所)
- 小倉 憲一(富山県厚生部)
- 武智 浩之(群馬県利根沼田保健福祉事務所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
7,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
DHEATの制度化と実災害における活動経験に伴い、被災地における災害時保健医療福祉活動のマネジメント支援の必要性が広く認識されてきている。実災害におけるDHEATの活動は、状況に応じた本部運営支援、保健医療調整本部・保健所・市町村間の連携支援や支援チームとの協働など確実に進歩しており、DHEAT養成研修や各自治体で行われている研修の成果が表れている。しかし、活動経験を重ねるにつれてDHEAT活動要領との間にギャップが認められ、より迅速効率的なDHEAT運用体制の構築が求められている。また、急性期から中長期にかけて保健医療調整本部・保健所・市町村の3層いずれでもマネジメント支援が可能となるような、過去の災害における保健医療福祉活動のエビデンスに基づくDHEAT活動手法の開発やDHEAT活動に即した情報支援の在り方について、本研究班では4グループ体制(①運用体制班、②マネジメント業務班、③情報支援班、④人材育成・受援体制班)で検討を行い、DHEAT活動要領、DHEAT活動マニュアルや研修へ反映させ、DHEAT活動の質の向上に資することを目的とする。
研究方法
①運用体制、②マネジメント業務、③情報支援、④人材育成・受援体制構築、の4グループ体制で研究代表者と研究分担者が協同して研究を行う。研究成果を全国的な体制整備へ還元できるよう、全国衛生部長会、全国保健所長会から研究分担者として加わっていただいている。コロナ禍を踏まえ、各グループともウェブ会議を活用し研究を進めている。研究期間は令和3年度から2年間である。
結果と考察
①運用体制班:前研究班で提案した新たなDHEAT運用体制(①都道府県・指定都市におけるDHEAT活動体制の強化、②地域ブロックDHEAT協議会の設置、③全国DHEAT協議会の設置)について具体的な運用方法、保健医療調整本部における統括的なDHEATの配置や全国的な事務局設置に関する検討を行った。
②マネジメント業務班:保健医療調整本部におけるDHEAT活動活動手法検討のため、過去の災害における保健医療調整本部でのDHEAT活動の整理を行った。また、中長期におけるマネジメント支援活動の充実について各都道府県災害マニュアル等を整理し、過去の被災市町村における保健医療福祉活動記録を参考に、業務項目の一部についてタイムラインを作成した。DHEAT活動ハンドブックの改訂項目等を整理した。
③情報支援班:優先的に介入すべき避難所の検討を行うため、避難所環境と避難者の健康課題について関連する文献を整理した。施設・避難所等ラピッドアセスメントシートおよび災害時保健医療福祉活動支援システム(D24H)と連携した、DHEAT活動に即した避難所情報収集方法等の検討を行った。
④人材育成・受援体制班:災害時福祉活動に係る指揮系統、災害派遣福祉チームの理解や支援・受援の課題把握のため、過去の調査研究資料等の整理を行うとともに、令和2年7月豪雨災害・令和3年7月~8月の大雨で活動を行った被災自治体、地域包括支援センター等を対象にアンケート調査を企画し、調査票を作成した。
②マネジメント業務班:保健医療調整本部におけるDHEAT活動活動手法検討のため、過去の災害における保健医療調整本部でのDHEAT活動の整理を行った。また、中長期におけるマネジメント支援活動の充実について各都道府県災害マニュアル等を整理し、過去の被災市町村における保健医療福祉活動記録を参考に、業務項目の一部についてタイムラインを作成した。DHEAT活動ハンドブックの改訂項目等を整理した。
③情報支援班:優先的に介入すべき避難所の検討を行うため、避難所環境と避難者の健康課題について関連する文献を整理した。施設・避難所等ラピッドアセスメントシートおよび災害時保健医療福祉活動支援システム(D24H)と連携した、DHEAT活動に即した避難所情報収集方法等の検討を行った。
④人材育成・受援体制班:災害時福祉活動に係る指揮系統、災害派遣福祉チームの理解や支援・受援の課題把握のため、過去の調査研究資料等の整理を行うとともに、令和2年7月豪雨災害・令和3年7月~8月の大雨で活動を行った被災自治体、地域包括支援センター等を対象にアンケート調査を企画し、調査票を作成した。
結論
DHEAT運用体制について統括的なDHEATの配置など新たな検討を進め、全国衛生部長会等とのコンセンサスを得ることができ、令和4年3月に厚生労働省によるDHEAT活動要領一部改正に反映された。業務班、情報支援班、受援体制班もそれぞれDHEAT活動要領の見直しやDHEAT活動ハンドブックの改訂等に反映させるための検討や準備を進めることができた。
次年度はモデル的に地域ブロックにおいてDHEAT活動訓練を実施し、検討中の運用体制やマネジメント支援活動、情報支援について課題を抽出し、研究を進めていく。併せて、各班の研究内容をDHEAT活動ハンドブック改訂作業に反映させ、次年度内に改訂を行う。
次年度はモデル的に地域ブロックにおいてDHEAT活動訓練を実施し、検討中の運用体制やマネジメント支援活動、情報支援について課題を抽出し、研究を進めていく。併せて、各班の研究内容をDHEAT活動ハンドブック改訂作業に反映させ、次年度内に改訂を行う。
公開日・更新日
公開日
2022-10-03
更新日
-