CBRNEテロリズム等の健康危機事態における対応能力の向上及び人材強化に関わる研究

文献情報

文献番号
202127005A
報告書区分
総括
研究課題名
CBRNEテロリズム等の健康危機事態における対応能力の向上及び人材強化に関わる研究
課題番号
19LA1010
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 久禎(独立行政法人国立病院機構本部 DMAT事務局)
研究分担者(所属機関)
  • 明石 真言(東京医療保健大学 東が丘・立川看護学部看護学科)
  • 木下 学(防衛医科大学校免疫微生物学)
  • 齋藤 大蔵(防衛医科大学校防衛医学研究センター外傷研究部門)
  • 嶋津 岳士(大阪大学大学院医学系研究科 救急医学)
  • 大西 光雄(国立病院機構 大阪医療センター 救命救急センター)
  • 竹島 茂人(自衛隊中央病院 救急科)
  • 若井 聡智(独立行政法人国立病院機構本部 DMAT事務局)
  • 齋藤 智也(国立感染症研究所 感染症危機管理研究センター)
  • 高橋 礼子(愛知医科大学 災害医療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
3,850,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、国内外のネットワークを通じて最新の科学的・政策的知見を集約し、各国の政策・実事例の分析を行い、その結果を厚生労働省に提示し、本邦におけるCBRNEテロ災害・マスギャザリングに関する公衆衛生及び医療に予防・検知・対応能力の現状の課題と改善点を提案する。また、本邦の健康危機管理対応に資する人材の強化に必要な事項を検討し、その成果を素案として厚生労働省に報告する。更に、健康安全・危機管理対策総合研究事業の研究との連携の中で、本邦における公衆衛生及び医療分野における継続的なCBRNEテロ対応を行う。
研究方法
CBRNEテロ災害・マスギャザリングに関する公衆衛生及び医療の予防・検知・対応に資する人材の強化に関する研究【研究1】(医療分野)MED-ACTの各分野掲載資料のブラッシュアップを実施し、モニター評価、それを踏まえ改訂を実施。(公衆衛生分野)健康危機管理)での実践に関する研修プログラム(案)を作成し、プログラムに沿った課題の実施、研修プログラム(案)のブラッシュアップを実施する。CBRNEテロ災害・マスギャザリングに関する国内外の最新の科学的・政策的知見に関わる研究【研究2】GHSAGを通じて、参加国の状況を把握する。国内外の最新の学術研究・政策・指針・ガイドライン、関連する技術の開発の動向等の国際的な情報を収集・分析する。国際軍事医学関連会議等に参加し、国際的な動向や新たな知見を得る場として活用を図る。放射線: 令和4年3月までの国内外の研修や関連する会議に参加し、教育・研修の内容、構成等について事例の分析を行い対応能力の現状の課題と改善点を提案し我が国の健康危機管理対応に資する人材の強化 に必要な事項(強化が必要な分野、人材に求められる能力、育成プログラム、育成後の受け皿等)を検討する。生物剤及びリスクコミニュケーション: GHSAGを通じて、情報の収集と分析、政策・人材育成強化に向けた課題と改善点のフィードバックを実施。公衆衛生を担当する組織及び行政執行機関が発出した通知・通達、活動マニュアル、HP等におけるCOVID-19に関する対応を振り返り、バイオテロ対策に繋がる教訓を抽出し、課題を検討。化学剤:GHSIのCEWGより各国・各組織からの意見収集・情報交換を行った。爆弾テロ・爆傷:ブラストチューブを用いて、自衛隊で用いている防弾チョッキの装着が超急性期の救命に繋がるか否かの研究を実施。また、胸部や後上頸部を守る鋼鉄製の防護具を作成して、その救命効果についても研究した。さらに、麻酔をかけたマウスにレーザー誘起衝撃波(LISW)を曝露するモデル等を用いて、両側胸背部にLISW照射後の致死的モデル等に対するカテコラミンの救命効果について研究した。自衛隊・軍事関連分野における国際知見(NBC関連):ConRad 2021(放射線防護に関する国際軍事医学会議)、Medical Biodefense Conference 2021(生物剤防護に関する国際軍事医学会議)(ドイツ連邦軍微生物学研究所主催)に参加し情報共有と収集を実施し、知見から考察を行う。自衛隊・軍事関連分野における国内知見:法執行機関職員、消防職員、医療者が参加した研修・実戦訓練を実施し、参加者から聞き取り調査を行って課題を抽出し、対応策を検討。CBRNEテロ災害・マスギャザリングに関する国内外の知見を基に、予防・検知・対応能力の現状と課題を明らかにする研究【研究3】CBRNE関係の専門家の会合を実施する。
結果と考察
結果・考察は報告書を参照。
結論
 今年度の研究では、世界的な新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた感染症関連分野での新知見の整理を行うと共に、各分野におけるテロ対策・対応等について情報収集・整理を行った。またH31小井土班から引き続き、MED-ACTの改訂・評価とテロ対応人材育成に向けた社会医学系専門医研修プログラム(案)の作成を行った。なお今年度はNBC専門家会合の開催はできなかったが、専門的な知見から意見交換する枠組みを保持すべく、後続研究において継続した実施を図りたい。

公開日・更新日

公開日
2024-08-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2023-12-28
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202127005B
報告書区分
総合
研究課題名
CBRNEテロリズム等の健康危機事態における対応能力の向上及び人材強化に関わる研究
課題番号
19LA1010
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 久禎(独立行政法人国立病院機構本部 DMAT事務局)
研究分担者(所属機関)
  • 明石 真言(東京医療保健大学 東が丘・立川看護学部看護学科)
  • 木下 学(防衛医科大学校免疫微生物学)
  • 齋藤 大蔵(防衛医科大学校防衛医学研究センター外傷研究部門)
  • 嶋津 岳士(大阪大学大学院医学系研究科 救急医学)
  • 大西 光雄(国立病院機構 大阪医療センター 救命救急センター)
  • 竹島 茂人(自衛隊中央病院 救急科)
  • 若井 聡智(独立行政法人国立病院機構本部 DMAT事務局)
  • 齋藤 智也(国立感染症研究所 感染症危機管理研究センター)
  • 高橋 礼子(愛知医科大学 災害医療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、国内外のネットワークを通じて最新の科学的・政策的知見を集約し、各国の政策・実事例の分析を行い、その結果を厚生労働省に提示し、本邦におけるCBRNEテロ災害・マスギャザリングに関する公衆衛生及び医療に予防・検知・対応能力の現状の課題と改善点を提案する。明らかにされた課題・改善点に継続的に対応していくために、本邦の健康危機管理対応に資する人材の強化に必要な事項を検討し、その成果を素案として厚生労働省に報告する。更に、健康安全・危機管理対策総合研究事業との連携の中で、本邦における公衆衛生及び医療分野における継続的なCBRNEテロ対応の検討を行う。
研究方法
CBRNEテロ災害・マスギャザリングに関する公衆衛生及び医療の予防・検知・対応に資する人材の強化に関する研究【研究1】オリパラのCBRNEテロ対応能力構築のための研究と連携し、特に人材育成強化に関する課題・改善点を抽出・分析・統合。現行の社会医学系専門医研修モデルプログラムでの、抽出課題・改善点のカバー状況を確認し、人材育成強化に向けて獲得すべき能力・強化すべき分野等の同定を行う。『経験すべき各論的課題』として活用可能な研修(案)を専門家会合と連携し策定する。改訂したアウトリーチツールに、新規情報に基づいて追加掲載を行い、ユーザーによるモニター評価等を行い、利便性・有用性の評価と最適化を図る。CBRNEテロ災害・マスギャザリングに関する国内外の最新の科学的・政策的知見に関わる研究【研究2】GHSAGを通じて、CBRNEテロ災害・マスギャザリングに関する科学的・政策的知見の状況を把握。国際軍事医学関連会議等に参加し、国際的な動向や新たな知見を得る。COVID-19のため、感染症関連分野では新たな知見が多いためその整理を行う。CBRNEテロ災害・マスギャザリングに関する国内外の知見を基に、予防・検知・対応能力の現状と課題を明らかにする研究【研究3】内閣官房が把握する国内のCBRNE関係の専門家リストを基に専門家会合を開催し、海外最新知見を共有し、能力の現状を把握し、対応課題と改善点を明らかにした上で、得られた知見を発信する。
結果と考察
【研究1】MED-ACTの改訂と社会医学系専門医研修プログラムにおけるテロ対応課題も含めた研修プログラム(案)を作成。【研究2】WHOが放射線被ばくや放射性物質による体内汚染時の備蓄医薬品と治療の概要を示した。生物テロ及びリスクマネジメントはGHSAGのBioWG会合に出席し国際動向を把握。COVID-19対応による生物テロ対策強化の考察と課題を取りまとめた。世界的に懸念されているOpioidを用いたテロに関する情報提供があった。爆弾テロ・爆傷について基礎研究を実施。中動物に防弾チョッキを装着させると呼吸停止の発生率を下げて救命効果があった。胸部全体と延髄を含む脳幹部を護ると爆発による即死が免れ、爆発直後の血圧低下に対してはノルアドレナリン投与が有効であった。自衛隊・軍事関連分野における国際知見(NBC関連)についてWeb開催された放射線防護に関する国際軍事医学会議、生物剤防護に関する国際軍事医学会議に参加。自衛隊/軍事関連分野における国際知見に関する情報収集。医療と法執行機関との連携について、戦術的戦傷者救護研修を法執行機関職員、消防職員、医療者に実施。事態対処医療の課題を抽出し、対応策を検討。敵の脅威に直接さらされている状況下での救護(CUF)実施は極めて困難。【研究3】はオリパラに関連した2つの厚労科研と知見共有をこころみたが、新型コロナウイルス感染症対応のため今年度の開催は見送った。各研究の考察は報告書に記載。
結論
本研究では、世界的な新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた感染症関連分野での新知見の整理を行うと共に、各分野におけるテロ対策・対応等について情報収集・整理を行った。またMED-ACTの改訂・評価とテロ対応人材育成に向けた社会医学系専門医研修プログラム(案)の作成を行った。

公開日・更新日

公開日
2024-08-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2023-12-28
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202127005C

収支報告書

文献番号
202127005Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,000,000円
(2)補助金確定額
3,059,000円
差引額 [(1)-(2)]
1,941,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 384,230円
人件費・謝金 1,238,418円
旅費 135,930円
その他 150,700円
間接経費 1,150,000円
合計 3,059,278円

備考

備考
自己資金278円

公開日・更新日

公開日
2022-10-27
更新日
-