血液製剤の安全性向上のために実施される肝炎ウイルス等検査法の精度管理評価に関する研究

文献情報

文献番号
200838059A
報告書区分
総括
研究課題名
血液製剤の安全性向上のために実施される肝炎ウイルス等検査法の精度管理評価に関する研究
課題番号
H20-医薬・一般-011
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
水澤 左衛子(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
1,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
血液製剤を介した肝炎等ウイルス感染にかかわる安全性確保対策は社会的に重要な課題である。現在、NATガイドラインと遡及調査ガイドラインに基づいて血液製剤製造販売業者等や民間の衛生検査所でウイルスの核酸増幅試験(NAT)を実施しているが、精度管理は当事者にゆだねられてきた。そこで、本研究において第三者機関として国立感染症研究所が参画してコントロールサーベイを実施し、性状の明らかな同一の試料を参加施設が測定することにより、NATの精度管理の実情を把握することを目的とする。平成17‐19年度にB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)とエイズウイルス(HIV)のNATの感度に関するにコントロールサーベイを実施した。本研究においてはNATの特異性の実情を把握することを目的として3つのウイルスの遺伝子型パネルを用いたコントロールサーベイを実施する。
研究方法
①昨年度に実施したHIV-NATの感度に関するコントロールサーベイの結果を解析した。②HBV-NATコントロールサーベイに関して、本邦におけるHBV遺伝子型の分布を考慮した検体パネル構成(案)を作製した。また、現在NATガイドラインと遡及調査ガイドラインに基づいてHBV-NATを実施している血液製剤製造販売業者等と民間の衛生検査所を対象とした実施要領(案)を作製した。
結果と考察
①HIV-NATサーベイに製造販売業者等6機関9施設が参加し、延べ15セットの測定が行われた。試験の精度管理は概ね良好であった。陽性と陰性のコントロールはすべて正しく判定された。NATガイドラインでは95%検出感度の3倍量のウイルスを含む陽性コントロールを用いることを推奨している。目標とする感度100IU/mLの3倍に相当する300IU/mLの検体の検出率は延べ15施設全体で44/45(98%)であった。よって、全施設において目標とする100IU/mLを95%検出すべくNATの精度管理が実施されていることが確認できた。100IU/mLの検体を3/3検出した施設は10施設(67%)、2/3以上検出した施設は13施設(87%)であった。②HBV 遺伝子型 NATコントロールサーベイの実施に必要な検体パネル構成(案)と実施要領(案)を作製した。
結論
①HIV-NATサーベイの結果、製造販売業者等全施設において目標とする100IU/mLを95%検出すべくNATの精度管理が実施されていることが確認できた。②HBV 遺伝子型 NATコントロールサーベイ実施に必要なパネル構成(案)と実施要綱(案)を作製した。

公開日・更新日

公開日
2009-04-07
更新日
-