大規模災害時の保健医療活動に係る行政の体制モデルの構築と災害時の情報を活用した運用に関する研究

文献情報

文献番号
202127004A
報告書区分
総括
研究課題名
大規模災害時の保健医療活動に係る行政の体制モデルの構築と災害時の情報を活用した運用に関する研究
課題番号
19LA1009
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
市川 学(芝浦工業大学 システム理工学部)
研究分担者(所属機関)
  • 原田 奈穂子(宮崎大学 医学部)
  • 木脇 弘二(熊本県八代保健所)
  • 服部 希世子(熊本県人吉保健所)
  • 高橋 礼子(愛知医科大学 災害医療研究センター)
  • 笠岡 宜代(坪山 宜代)(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 国際栄養情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
過去の大規模災害の経験を踏まえ、厚生労働省や都道府県庁、市区町村などの自治体(以降、各行政レベル)において、災害時の保健医療支援活動を行うための体制整備、マニュアル作成、訓練や研修の実施など防災減災体制が推進されてきている。そのような中でDMATやDPAT、日赤救護班、DHEATなどの各支援チームでは、全国的な訓練・研修を通じて支援・受援の標準モデルが確立されてきており、実災害時の支援・受援経験を経て、災害時に対応すべき保健医療活動の項目の複雑化と、保健・医療・精神などの各領域を超えた対応の必要性が明らかとなってきている。一方、行政側では、各支援チームと連携しつつ領域横断的な対応を行うことができる体制作りが求められている。これらの課題を踏まえ、本研究においては、SIP第2期「国家レジリエンス(防災・減災)の強化)」と連携し、各支援チームと行政組織が災害時に協働できる体制モデルの検討と、その体制を運用するための情報共有の中身と方法、及び訓練や研修を通じた体制の実証と評価を行うことを目的とする。
研究方法
本研究で目標とする2つの研究目的を達成するために、医療領域(精神医療含む)・DMAT/DPATを研究分担者の高橋・河嶌、保健領域・DHEATを研究分担者の服部、福祉領域・DWAT/DCATを研究分担者の原田、栄養領域・JDA-DATを研究分担者の笠岡、日本赤十字社の領域を研究分担者の近藤、そしてこれらの領域と連携する行政領域の担当として木脇というように、保健・医療・福祉の各領域や災害時の支援チームの種類に応じて研究分担者を割り当てることにした。なお、災害時は、医療・保健・福祉の各領域及びDMATをはじめ、DPAT、DHEAT、日赤救護班、JDA-DAT、DWAT/DCATなどの各支援チームは連携を取りつつ協働しなければならないため、本研究においても、分野ごとの担当の割り当ては行なったものの、研究遂行にあたっては研究代表者・研究分担者全員で同じ課題に向かい合い解決していくこととした。そのため、研究代表者から全ての研究分担者へ同一の依頼をかけ、それぞれの分野における見解・意見・情報提供を経るプロセスにて研究活動を行なった。
結果と考察
2021年度は、新型コロナウイルス感染症の流行終息が見通せない中での研究活動となり、当初予定していた訓練や研修の実施を研究目標から変更し、遠隔でも訓練・研修が実施可能な机上演習システムを提供することとした。また、2016年の熊本地震及び令和2年7月豪雨を経験した熊本県の保健・医療・福祉の対応のステークホルダーからのヒアリングおよび公開されている情報などから、災害時の保健・医療・福祉の包括的なタイムラインを作成した。そのほか、標準的な保健医療福祉調整本部の体制図を整理した。
結論
実災害において、SIP第2期「国家レジリエンス(防災・減災)の強化)」で構築している情報システムD24Hが活用されたことを受け、行政の体制モデルの中での情報システムの位置付け及び行政の体制の方向性が明らかとなった。2019年度より作成してきている体制モデル・情報共有が機能する仕組みを実験・評価できる机上演習を、遠隔でも実施可能なシステムとして環境提供すると共に、実災害時の保健・医療・福祉のタイムライン整理を行なった。

保健・医療・福祉の災害時対応において、本庁に設置される保健医療調整本部では、県内外のステークホルダーが対応にあたることが多い。全国で標準的な体制組織、及び活動のタイムラインが共有されることで、関係者で共通認識を持った効率的な災害対応へつがなる事が期待される。また、その準備として、遠隔でも演習・訓練が可能な災害イベントを発生させるシステムを活用することで、演習・訓練の内容の質を担保する事が可能になると予想される。

公開日・更新日

公開日
2024-08-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-12-28
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202127004B
報告書区分
総合
研究課題名
大規模災害時の保健医療活動に係る行政の体制モデルの構築と災害時の情報を活用した運用に関する研究
課題番号
19LA1009
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
市川 学(芝浦工業大学 システム理工学部)
研究分担者(所属機関)
  • 原田 奈穂子(宮崎大学 医学部)
  • 木脇 弘二(熊本県八代保健所)
  • 服部 希世子(熊本県人吉保健所)
  • 高橋 礼子(愛知医科大学 災害医療研究センター)
  • 笠岡 宜代(坪山 宜代)(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 国際栄養情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
過去の大規模災害の経験を踏まえ、厚生労働省や都道府県庁、市区町村などの自治体(以降、各行政レベル)において、災害時の保健医療支援活動を行うための体制整備、マニュアル作成、訓練や研修の実施など防災減災体制が推進されてきている。そのような中でDMATやDPAT、日赤救護班、DHEATなどの各支援チームでは、全国的な訓練・研修を通じて支援・受援の標準モデルが確立されてきており、実災害時の支援・受援経験を経て、災害時に対応すべき保健医療活動の項目の複雑化と、保健・医療・精神などの各領域を超えた対応の必要性が明らかとなってきている。一方、行政側では、各支援チームと連携しつつ領域横断的な対応を行うことができる体制作りが求められている。これらの課題を踏まえ、本研究においては、SIP第2期「国家レジリエンス(防災・減災)の強化)」と連携し、各支援チームと行政組織が災害時に協働できる体制モデルの検討と、その体制を運用するための情報共有の中身と方法、及び訓練や研修を通じた体制の実証と評価を行うことを目的とする。
研究方法
本研究で目標とする2つの研究目的を達成するために、医療領域(精神医療含む)・DMAT/DPATを研究分担者の高橋・河嶌、保健領域・DHEATを研究分担者の服部、福祉領域・DWAT/DCATを研究分担者の原田、栄養領域・JDA-DATを研究分担者の笠岡、日本赤十字社の領域を研究分担者の近藤、そしてこれらの領域と連携する行政領域の担当として木脇というように、保健・医療・福祉の各領域や災害時の支援チームの種類に応じて研究分担者を割り当てることにした。なお、災害時は、医療・保健・福祉の各領域及びDMATをはじめ、DPAT、DHEAT、日赤救護班、JDA-DAT、DWAT/DCATなどの各支援チームは連携を取りつつ協働しなければならないため、本研究においても、分野ごとの担当の割り当ては行なったものの、研究遂行にあたっては研究代表者・研究分担者全員で同じ課題に向かい合い解決していくこととした。そのため、研究代表者から全ての研究分担者へ同一の依頼をかけ、それぞれの分野における見解・意見・情報提供を経るプロセスにて研究活動を行なった。このプロセスは全期間にわたって、同様のプロセスである。
結果と考察
2019年度は、研究目的達成のため、体制モデルを運用する上で、必要になると思われる情報項目の抽出を行なった。また、体制モデルを構築する前の現状分析として、災害発生後から時間経過に応じた保健・医療・福祉領域における行政と各支援チームの関係性を明らかした。さらに、体制モデルの実証・評価プロセスにおいて机上演習の利用を検討しているが、そのためのプロトタイプを試作した。

2020年度は、2019年度に作成した体制モデルの実証・評価プロセスの机上演習プロトタイプを、九州ブロックの災害対応訓練で利用すべく準備と実施の企画を行なった(新型コロナウイルスの終息が見通せず、実施には至らなかった)。また、令和2年7月豪雨において、SIP第2期「国家レジリエンス(防災・減災)の強化)」で構築している情報システムD24H(災害時保健医療福祉活動支援システム)が熊本県の保健医療調整本部で活用されたことを受け、行政における情報システムのあり方、保健・医療・福祉のステークホルダーの実災害時の活動スケジュールの整理を行い、体制モデルのあるべき姿の検討を行なった。

2021年度は、新型コロナウイルス感染症の流行終息が見通せない中での研究活動となり、当初予定していた訓練や研修の実施を研究目標から変更し、遠隔でも訓練・研修が実施可能な机上演習システムを提供することとした。また、2016年の熊本地震及び令和2年7月豪雨を経験した熊本県の保健・医療・福祉の対応のステークホルダーからのヒアリングおよび公開されている情報などから、災害時の保健・医療・福祉の包括的なタイムラインを作成した。そのほか、標準的な保健医療福祉調整本部の体制図を整理した。
結論
保健・医療・福祉の災害時対応において、本庁に設置される保健医療調整本部では、県内外のステークホルダーが対応にあたることが多い。全国で標準的な体制組織、及び活動のタイムラインが共有されることで、関係者で共通認識を持った効率的な災害対応へつがなる事が期待される。また、その準備として、遠隔でも演習・訓練が可能な災害イベントを発生させるシステムを活用することで、演習・訓練の内容の質を担保する事が可能になると予想される。

公開日・更新日

公開日
2024-08-28
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202127004C

収支報告書

文献番号
202127004Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,900,000円
(2)補助金確定額
3,900,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 384,780円
人件費・謝金 1,107,300円
旅費 564,934円
その他 1,013,000円
間接経費 900,000円
合計 3,970,014円

備考

備考
自己資金 70,014円

公開日・更新日

公開日
2022-11-15
更新日
-