医薬品の国際調和された品質管理監督システムの我が国への導入に際しての最適化に関する研究

文献情報

文献番号
200838052A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品の国際調和された品質管理監督システムの我が国への導入に際しての最適化に関する研究
課題番号
H20-医薬・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
檜山 行雄(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 坂本 知昭(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
5,575,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品規制国際調和専門家会議の医薬品品質システムガイドラインに基づいた医薬品品質管理監督システムの国内導入の最適化を検討する。
新評価技術の品質システムへの取り込みを通じ、高度な医薬品品質保証をめざす。
研究方法
医薬品規制国際調和専門家会議(ICH)において合意された「医薬品品質システム」(Q10)ガイドラインの品質システムモデルの導入に関して、国際的な共通課題と国内導入の課題を検討する。変更管理システムガイドライン案を公表し、広く意見を求める。
最新の分析技術であるテラヘルツ波技術,及び近赤外分光技術を用いた医薬品の機能性及び製剤・品質特性の解析を行う。
結果と考察
Q10ガイドラインの最終合意の過程から、原材料・委受託の品質管理、医薬品品質システム全体の理解が課題であることが再認識された。国内導入の課題を抽出するためにQ10ガイドラインとGMP省令およびGQP省令の関連を調査した。Q10では、任意とされるマネジメントレビュー、委受託の契約などが、日本国内では法的な要件であることが認識された。変更管理システムガイドライン案への意見を基に修正の方向性を決めた。調査広報活動として、ISPE会議、ICHワークショップ、大阪医薬品協会など国内外における会議・講演会に出席し、本研究の成果を示すとともに意見を聴取し医薬品品質システムへの課題を抽出した。特殊な剤形を有する全身適用性経皮吸収(経皮薬物伝送システム:TDDS)製剤における製剤品質特性の解析手法の開発,フィルムコーティング錠におけるコーティング状態の解析,また分光学的基礎研究として結晶作製条件に基づくアミノ酸のテラヘルツスペクトルの比較及び光学活性の識別性について検討した。結晶レジボアシステムをもつTDDS製剤の品質特性解析では,結晶化により検出される近赤外領域の吸収を用いて市販製剤における結晶の分布を比較した。
結論
国際調和された包括的品質管理監督システムがわが国に導入されることにより、製造販売業としての製薬企業の品質関係の責任(企業経営陣の品質へのコミットメント)の体系化が推進される。それにより、流通する医薬品の品質向上につながり、一方では、平成17年施行の改正薬事法医薬品品質関係の規制体系の効率化を進める効果が期待できる。又、新評価技術の品質システムへの取り込みを通じ、高度な医薬品品質保証が達成できる。

公開日・更新日

公開日
2011-06-11
更新日
-