文献情報
文献番号
202125037A
報告書区分
総括
研究課題名
薬害資料データ・アーカイブズの基盤構築・活用に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21KC2008
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
藤吉 圭二(追手門学院大学 社会学部)
研究分担者(所属機関)
- 佐藤 哲彦(関西学院大学 社会学部)
- 本郷 正武(桃山学院大学 社会学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
7,270,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、2010(平成22)年4月に「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」により、「すべての国民に対する医薬品教育を推進するとともに、二度と薬害を起こさないという行政・企業を含めた医薬関係者の意識改革に役立ち、幅広く社会の認識を高めるため、薬害に関する資料の収集、公開等を恒常的に行う仕組み(いわゆる薬害研究資料館など)を設立すべきである」との指摘がなされたことに端を発する。現研究代表者(藤吉圭二・追手門学院大学)が代表となって「薬害資料データ・アーカイブズの基盤構築に関する総合研究」を実施したのは2016(平成28)年度のことであり、以来、少しずつ研究テーマを変えつつも、基本的には被害者団体資料の整理と調査・目録作成に多くの予算と人員を投入してきた。
研究方法
本研究班は、被害者団体の資料を整理・調査して目録を作成する班、被害者の証言映像の分析を踏まえて被害の当事者と共に独自の証言映像の作成を試みる班、および薬害被害者の運動史を整理する班によって構成され、それぞれが研究活動を推進してきた。
結果と考察
本研究に先だち、上記の指摘を受けるかたちで「薬害に関する資料等の調査・管理・活用等に関する研究」が、2013(平成25)年度より法政大学を拠点として着手された。この期間も含めれば指摘以来ほぼ10年にわたって薬害資料の調査、整理を続けてきたことになる。
その過程で明らかになってきたのは、「資料目録だけが整備されても薬害研究資料館の設立まではほど遠い」ということだと言える。それらの資料がそれぞれの時期に発生した薬害の実態を知るために必要不可欠なものであることは間違いない。しかし、資料の多くには大量の個人情報が含まれる。それをどの程度の範囲で公開・利用に供するかを確定しなければ、目録だけが整備されても研究者も含め広く人々にとって資料はアクセスできないままでありつづける。いずれ公開できる日がくるのを待ちつつひたすら資料調査と目録作成のみを続けるというのでは、上記の指摘に盛り込まれた「すべての国民に対する医薬品教育を推進するとともに、二度と薬害を起こさないという行政・企業を含めた医薬関係者の意識改革に役立ち、幅広く社会の認識を高める」という目的は、当面のあいだ達成されないものと言わなければならない。
その過程で明らかになってきたのは、「資料目録だけが整備されても薬害研究資料館の設立まではほど遠い」ということだと言える。それらの資料がそれぞれの時期に発生した薬害の実態を知るために必要不可欠なものであることは間違いない。しかし、資料の多くには大量の個人情報が含まれる。それをどの程度の範囲で公開・利用に供するかを確定しなければ、目録だけが整備されても研究者も含め広く人々にとって資料はアクセスできないままでありつづける。いずれ公開できる日がくるのを待ちつつひたすら資料調査と目録作成のみを続けるというのでは、上記の指摘に盛り込まれた「すべての国民に対する医薬品教育を推進するとともに、二度と薬害を起こさないという行政・企業を含めた医薬関係者の意識改革に役立ち、幅広く社会の認識を高める」という目的は、当面のあいだ達成されないものと言わなければならない。
結論
薬害研究資料館を、先の提言にある「二度と薬害を起こさないという行政・企業を含めた医薬関係者の意識改革に役立」つようなものとするには、これまでに調査・整理・目録作成をつづけてきた被害者団体資料に限定せず、広く薬害に関わる各セクター、すなわち薬品を製造し販売した企業、薬品の流通を認可した行政府、薬品を処方した医療機関、これら総体を対象に資料が収集、保存、公開される必要がある。現状ではそれは十分な状態で望むことはできないかもしれないが、被害者団体資料の中には、被害の当事者が苦労して集め、保存してきた各セクターの内部文書や関連文書も含まれている。その意味で、被害者団体資料は「未だ開示されていない各セクターの記録」の存在を知るための手がかりともなり得る。薬害研究資料館が薬害の再発防止に十全の役割を果たすものとなるよう、関係各機関のご協力にも期待したい。
公開日・更新日
公開日
2022-08-03
更新日
-