医療用医薬品の広告監視モニター事業の全施設対応化に伴う普及啓発及び質の向上に関する研究

文献情報

文献番号
202125017A
報告書区分
総括
研究課題名
医療用医薬品の広告監視モニター事業の全施設対応化に伴う普及啓発及び質の向上に関する研究
課題番号
20KC2004
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
渡邊 伸一(帝京平成大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
  • 廣瀬 誠(明治薬科大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
1,616,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、ディオバン事件などの重大な虚偽誇大広告違反が発生したことに伴い、厚生労働省は、広告違反に該当する行為を早期に発見し、行政指導等の必要な対応を図るとともに、製薬企業や業界団体等による自主的な取組を促すこと等により、企業による医薬品の広告活動の適正化を図ることを目的とした「医療用医薬品の広告活動監視モニター事業」を平成28年度より実施している。令和元年10月より、厚生労働省は、モニター配置施設以外の医療機関及び薬局からも幅広く不適切事例を受け付けることとし、その名称も「販売情報提供活動監視事業」と改めた。
 製薬企業や業界団体等による自主的な取組をより促すためには、モニター配置施設以外の医療機関及び薬局からの製薬企業による販売情報提供活動の不適切事例の報告について、その報告率及び精度の向上を図ることが必要である。
 そこで、モニター配置施設以外の医療機関からの報告率及び精度の向上を図るため、医療機関及び薬局側の受け止め、対応状況、意見等を把握し、改善策等の分析を実施する。
研究方法
 薬局薬剤師における報告制度の認識、報告の実施状況や報告しづらい理由について、薬剤師が会員となっている日本薬剤師会及び保険薬局を営む法人等が会員となっている日本保険薬局協会に協力いただき、販売情報提供活動監視事業、医薬品等適正広告基準及び医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインの認知度、製薬企業による新薬説明会の参加頻度、販売情報提供活動監視事業による報告経験の有無、報告しない理由等について、調査を実施した。
 さらに、1年目及び2年目の調査結果に基づき、医療機関からの報告率及び精度の向上を図るための改善策等を検討した。
結果と考察
 薬局の管理薬剤師等を対象に実施したアンケート調査の回答総数は1,708件であった。
 1年目及び2年目の調査結果に基づき、医療機関からの報告率及び精度の向上を図るための改善策等を検討した結果、次の(1)から(5)の項目となった。
(1)販売情報提供活動監視事業の認知度の向上
(2)報告の判断基準の理解促進
(3)報告のしやすさの改善
(4)薬剤師による引用元資料確認の促進
(5)その他(病院薬剤部・薬局の体制整備)
結論
 本研究では、販売情報提供活動監視事業に関する医療機関及び薬局側の受け止め、対応状況、意見等を把握し、医療機関からの報告率及び精度の向上を図るための改善策等を検討した。
 医療機関からの報告率及び精度の向上を図るために、販売情報提供活動監視事業に関して行政、医療関係者、学術関係者等が検討を進める事項があるものの、医療機関からの報告数を上げることのみが目的とならないように考慮することも必要である。
 医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインの目的は、医療用医薬品の適正を確保し、最終的には、保健衛生の向上を図ることであることから、患者の薬物利用に必要な情報が医療関係者に適切に届けられるよう、今後も、全ての関係者が検討していくことが必要である。

公開日・更新日

公開日
2022-06-14
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-06-14
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202125017B
報告書区分
総合
研究課題名
医療用医薬品の広告監視モニター事業の全施設対応化に伴う普及啓発及び質の向上に関する研究
課題番号
20KC2004
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
渡邊 伸一(帝京平成大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
  • 廣瀬 誠(明治薬科大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 近年、ディオバン事件などの重大な虚偽誇大広告違反が発生したことに伴い、厚生労働省は、広告違反に該当する行為を早期に発見し、行政指導等の必要な対応を図るとともに、製薬企業や業界団体等による自主的な取組を促すこと等により、企業による医薬品の広告活動の適正化を図ることを目的とした「医療用医薬品の広告活動監視モニター事業」を平成28年度より実施している。
 本事業によるモニター報告の分析の結果、医療用医薬品に関する販売情報提供活動において、口頭説明等の証拠が残りにくい行為、明確な虚偽誇大とまではいえないものの不適正使用を助長すると考えられる行為、研究論文など企業側の関与が直ちに判別しにくく広告該当性の判断が難しいものの提供といった行為が行われ、医療用医薬品の適正使用に影響を及ぼすおそれがあることがわかった。
 このような状況を踏まえ、平成30年9月、厚生労働省は、販売情報提供活動において行われる広告又は広告に類する行為を適正化することにより、保健衛生の向上を図ることを目的として、「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」を策定し、令和元年10月(平成31年4月一部適用)から全面適用された。それと平行して、令和元年10月より、モニター配置施設以外の医療機関及び薬局からも幅広く不適切事例を受け付ける窓口を設置し、その名称も「販売情報提供活動監視事業」と改めた。
 製薬企業や業界団体等による自主的な取組をより促すためには、モニター配置施設以外の医療機関及び薬局からの製薬企業による販売情報提供活動の不適切事例の報告について、その報告率及び精度の向上を図ることが必要である。
 そこで、モニター配置施設以外の医療機関からの報告率及び精度の向上を図るため、医療機関及び薬局側の受け止め、対応状況、意見等を把握し、改善策等の分析を2年計画で実施する。
研究方法
1. 病院薬剤師に対する調査
(1)調査方法
 株式会社ペスコ社会環境研究室に業務委託し、Web方式の無記名アンケート調査を行った。調査期間は2021年2月1日から3月1日(約1か月)とした。
(2)調査対象者
 一般社団法人日本病院薬剤師会に所属する病院薬剤師を調査対象者とした。
2. 薬局薬剤師に対する調査
(1)調査方法
 株式会社ペスコ社会環境研究室に業務委託し、Web方式の無記名アンケート調査を行った。調査期間は2022年1月1日から1月31日(約1か月)とした。
(2)調査対象者
 公益社団法人日本薬剤師会又は一般社団法人日本保険薬局協会に所属する薬局の薬剤師を調査対象者とした。
3. 医療機関からの報告率及び精度の向上を図るための改善策等の検討
 1年目及び2年目の調査結果に基づき、医療機関からの報告率及び精度の向上を図るための改善策等を検討した。
結果と考察
1. 病院薬剤師に対する調査
 病院薬剤師を対象に実施したアンケート調査の回答総数は 787件であった。
2. 薬局薬剤師に対する調査
 薬局の管理薬剤師等を対象に実施したアンケート調査の回答総数は1,708件であった。
3. 医療機関からの報告率及び精度の向上を図るための改善策等の検討
 病院(1年目)及び薬局(2年目)の調査結果に基づき、医療機関からの報告率及び精度の向上を図るための改善策等を検討した結果、次の(1)から(5)の項目となった。
(1)販売情報提供活動監視事業の認知度の向上
(2)報告の判断基準の理解促進
(3)報告のしやすさの改善
(4)薬剤師による引用元資料確認の促進
(5)その他(病院薬剤部・薬局の体制整備)
結論
 本研究では、販売情報提供活動監視事業に関する医療機関及び薬局側の受け止め、対応状況、意見等を把握し、医療機関からの報告率及び精度の向上を図るための改善策等を検討した。
 医療機関からの報告率及び精度の向上を図るために、販売情報提供活動監視事業に関して行政、医療関係者、学術関係者等が検討を進める事項があるものの、医療機関からの報告数を上げることのみが目的とならないように考慮することも必要である。
 医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインの目的は、医療用医薬品の適正を確保し、最終的には、保健衛生の向上を図ることであることから、患者の薬物利用に必要な情報が医療関係者に適切に届けられるよう、今後も、全ての関係者が検討していくことが必要である。

公開日・更新日

公開日
2022-06-14
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-06-14
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202125017C

収支報告書

文献番号
202125017Z