文献情報
文献番号
202125016A
報告書区分
総括
研究課題名
GMP、QMS及びGCTPのガイドラインの国際整合化に関する研究
課題番号
20KC2003
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
櫻井 信豪(東京理科大学 薬学部薬学科)
研究分担者(所属機関)
- 坂本 知昭(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部 第三室)
- 紀ノ岡 正博(大阪大学大学院基礎工学研究科物質創成専攻化学工学領域)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
1,731,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医薬品GMP、医療機器QMS、再生医療等製品(及び特定細胞加工物)GCTPの3つの分野に関するガイドライン等について、国際的な状況を調査・把握し、国内の各ガイドライン等に取り込むことで、製造者やそれぞれの当局調査員等の理解、浸透を促し、最終的に高品質の各製品を流通させることを目的とする。
研究方法
(1)医薬品GMP:
・実効的な PQSの評価手法に関する検討として、PQSの主軸となる4システム(製造プロセスの稼働性能及び製品品質のモニタリング、是正措置及び予防措置、変更マネジメント、並びに品質マネジメントレビュー)が相乗効果を生み出しながら円滑に機能する論理を説明し、さらに実際に工程及び品質が高水準で安定している又は日々向上している状態であることを想定して検討を進めた。
・知識管理の手法に係る参考資料の作成及びクオリティカルチャー醸成への取り組み状況の調査のため、日本製薬団体連合会を通じて業界アンケート調査を実施し、取り纏めを行なった。
・ワークショップによる教育活動(PQSワークショップ)について、実効的なPQSの理解と効果的な運用方法を国内の医薬品製造所に広く普及させるため、本年度はハイブリッド形式での実施を検討した。
(2)医療機器QMS:
・令和3年3月28日に、ISO 13485:2016に整合を図った改正QMS省令が公布、施行されたことに伴い、改正QMS省令の英訳版を作成した。
・QMS調査員の資格認定の平準化のための指針作成のため、医薬品医療機器等法登録認証機関におけるQMS調査員の資格認定に際した課題の現状把握を目的として、登録認証機関に対するアンケート調査を行った。
・一昨年度作成した、電磁的な文書及び記録の管理に関するガイダンスを周知すべく、一般社団法人日本医療機器産業連合会主催の「第33回QMS講習会」において、当該ガイダンス文書について講演を行った。
・国際整合を踏まえた本邦により適したQMS適合性調査制度の在り方を検討するため、本年度は旧GHTF加盟国(米国、カナダ、欧州及びオーストラリア)におけるQMS調査制度の現状調査を行った。
(3)再生医療等製品GCTP:
・我が国の医薬品の製造管理・品質管理の基準であるGMP省令については、国際整合性、規制遵守等の諸課題を踏まえた改正省令が令和3年4月28日に公布され、同年8月1日に施行されたことやPIC/Sにおいて、日本の再生医療等製品に相当する製品区分であるATMPの製造に関するガイドライン(Annex2A)が、令和3年5月1日に正式なガイドラインとして採択されたことから、再生医療等製品の製造管理・品質管理の基準であるGCTP省令についても、国際標準の変化に対応した基準に改正することが必須と考え、検討を進めてきた。
・再生医療等製品の治験製品の製造管理・品質管理に関するガイドラインは従来なかったことから、昨年度「治験製品GCTP(案)」を取りまとめたが、引き続き上述のガイドライン等を参考に検討を進めた。
・実効的な PQSの評価手法に関する検討として、PQSの主軸となる4システム(製造プロセスの稼働性能及び製品品質のモニタリング、是正措置及び予防措置、変更マネジメント、並びに品質マネジメントレビュー)が相乗効果を生み出しながら円滑に機能する論理を説明し、さらに実際に工程及び品質が高水準で安定している又は日々向上している状態であることを想定して検討を進めた。
・知識管理の手法に係る参考資料の作成及びクオリティカルチャー醸成への取り組み状況の調査のため、日本製薬団体連合会を通じて業界アンケート調査を実施し、取り纏めを行なった。
・ワークショップによる教育活動(PQSワークショップ)について、実効的なPQSの理解と効果的な運用方法を国内の医薬品製造所に広く普及させるため、本年度はハイブリッド形式での実施を検討した。
(2)医療機器QMS:
・令和3年3月28日に、ISO 13485:2016に整合を図った改正QMS省令が公布、施行されたことに伴い、改正QMS省令の英訳版を作成した。
・QMS調査員の資格認定の平準化のための指針作成のため、医薬品医療機器等法登録認証機関におけるQMS調査員の資格認定に際した課題の現状把握を目的として、登録認証機関に対するアンケート調査を行った。
・一昨年度作成した、電磁的な文書及び記録の管理に関するガイダンスを周知すべく、一般社団法人日本医療機器産業連合会主催の「第33回QMS講習会」において、当該ガイダンス文書について講演を行った。
・国際整合を踏まえた本邦により適したQMS適合性調査制度の在り方を検討するため、本年度は旧GHTF加盟国(米国、カナダ、欧州及びオーストラリア)におけるQMS調査制度の現状調査を行った。
(3)再生医療等製品GCTP:
・我が国の医薬品の製造管理・品質管理の基準であるGMP省令については、国際整合性、規制遵守等の諸課題を踏まえた改正省令が令和3年4月28日に公布され、同年8月1日に施行されたことやPIC/Sにおいて、日本の再生医療等製品に相当する製品区分であるATMPの製造に関するガイドライン(Annex2A)が、令和3年5月1日に正式なガイドラインとして採択されたことから、再生医療等製品の製造管理・品質管理の基準であるGCTP省令についても、国際標準の変化に対応した基準に改正することが必須と考え、検討を進めてきた。
・再生医療等製品の治験製品の製造管理・品質管理に関するガイドラインは従来なかったことから、昨年度「治験製品GCTP(案)」を取りまとめたが、引き続き上述のガイドライン等を参考に検討を進めた。
結果と考察
(1)医薬品GMP:
・実効的なPQSの評価方法について案を作成し、研究班員間で意見交換を実施した。今後、具体的な評価方法のチェックポイントを作成する予定である。
・クオリティカルチャー、知識管理に関するアンケート結果を取り纏め、参考図書の作成に着手している。
・PQSワークショップについて、対面とWEB開催を検討したが、新型コロナウイルスの再拡大もあり、対面が出来ないこともあり、延期とし、次年度に京都府で実施することとした。
(2)医療機器QMS:
・改正QMS省令の英訳版を作成し、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載した。
・一般社団法人日本医療機器産業連合会主催の「第33回QMS講習会」において、当該ガイダンス文書について講演を行った。
・資格認定のための指針案作成のためのアンケート調査結果は取り纏めを行なっている。さらに欧米のQMS調査制度の調査は引き続き検討実施中である。
(3)再生医療等製品GCTP:
・改正GMP省令とPIC/S Annex2Aを参考にしたGCTP省令改正案を研究班として最終確定させた。
・治験製品GCTP本文案に基づき、解説が必要と考えられる事項について、Q&A案の検討を進め、確定した。
・実効的なPQSの評価方法について案を作成し、研究班員間で意見交換を実施した。今後、具体的な評価方法のチェックポイントを作成する予定である。
・クオリティカルチャー、知識管理に関するアンケート結果を取り纏め、参考図書の作成に着手している。
・PQSワークショップについて、対面とWEB開催を検討したが、新型コロナウイルスの再拡大もあり、対面が出来ないこともあり、延期とし、次年度に京都府で実施することとした。
(2)医療機器QMS:
・改正QMS省令の英訳版を作成し、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載した。
・一般社団法人日本医療機器産業連合会主催の「第33回QMS講習会」において、当該ガイダンス文書について講演を行った。
・資格認定のための指針案作成のためのアンケート調査結果は取り纏めを行なっている。さらに欧米のQMS調査制度の調査は引き続き検討実施中である。
(3)再生医療等製品GCTP:
・改正GMP省令とPIC/S Annex2Aを参考にしたGCTP省令改正案を研究班として最終確定させた。
・治験製品GCTP本文案に基づき、解説が必要と考えられる事項について、Q&A案の検討を進め、確定した。
結論
医薬品GMP、医療機器QMS、再生医療等製品(及び特定細胞加工物)GCTPの3つの分野について、絶えず変化する国際的な状況を調査・把握し、製造者やそれぞれの当局調査員等の理解、浸透を促すことは、最終的に高品質の各製品を流通させることとなる。引き続き、課題を整理の上、研究を進める。
公開日・更新日
公開日
2022-06-14
更新日
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