製造販売規制を効率的に行うための医療機器の体系的な分類の推進に関する研究

文献情報

文献番号
200838032A
報告書区分
総括
研究課題名
製造販売規制を効率的に行うための医療機器の体系的な分類の推進に関する研究
課題番号
H19-医薬・一般-017
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
小林 郁夫(東京工業大学大学院 理工学研究科材料工学専攻)
研究分担者(所属機関)
  • 中崎 知道(日本医療機器産業連合会)
  • 前川 雅男(財団法人 日本臨床検査薬協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
7,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
海外の医療機器等の分類を調査、検討する事により、我が国の医療機器等の分類の体系のあり方を提言する。
研究方法
平成20年度は国際的あるいは各国規制当局での医療機器名称に関するデータベースや分類体系についての最新情報の収集調査を引き続き行いながら、新たな分類体系の素案を作成する。現在、国際整合した分類体系は存在しないが、調査結果を踏まえて各国規制当局の動向との整合性を視野に入れる。また本分類体系は市販前の承認・認証制度(各基準、ガイダンスを含む)だけではなく、保険制度、経済統計調査、流通、市販後安全管理など、製品のライフ・サイクルにおける様々な場面で使用される事が想定される。それらを念頭におき、階層構造をもつ我が国の規制に応じた素案の作成を行う予定である。
結果と考察
イタリアにおける一般的名称(CND)は日本の「医療用具の一般的名称と分類」(いわゆる旧赤本)と同様の階層構造をもつ分類体系である。旧赤本の大・中・小・細・細々分類という5段階構造に対して、CNDは7段階の構造を有しており、最下層は日本のJMDNと同じレベルの名称である。さらにレベル4以下の階層には、グルーピングできない個別名称の箱としてその他の名称が必ず存在している。この事からも「その他」または「他に分類できない」名称を階層構造に配置する事は日本以外でも受け入れられている概念であり、階層構造を有する分類体系において必須の名称である事が明らかになった。
一方、GMDNにおけるTemplate Termはその使命をCollective Termへ継承したため、順次削除される事となった。それに伴いJMDNの作成に参照した名称のいくつかが削除されており、グローバルなGMDNに整合化させて導入したJMDNに、不整合性の問題が拡大している状況である。規制の分類に使用するJMDNについて、常にアップデートされていくGMDNとの整合を取るのは困難である事が明らかになった。
結論
階層構造を有する分類体系は国際的にも受け入れられる概念である事、常にアップデートされるGMDNは規制の分類のための名称として使用する事は困難である事が分かった。日本の医療機器の製造販売規制に効果的な一般的名称と分類体系としては、5段階の階層構造を有する分類体系を作成し、現在のJMDNは第5レベルに配置する事が適切な形であるし考えられた。平成21年度には詳細な検討を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2009-03-24
更新日
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