医療機器の国際的な動向を踏まえた品質、有効性及び安全性の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200838030A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器の国際的な動向を踏まえた品質、有効性及び安全性の評価に関する研究
課題番号
H19-医薬・一般-014
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
梶谷 文彦(川崎医療福祉大学 医療技術学部)
研究分担者(所属機関)
  • 谷川 廣治(日本医療機器産業連合会 国際部 )
  • 原 量宏(香川大学 医学部 附属病院)
  • 横井 英人(香川大学 医学部 附属病院)
  • 戸高 浩司(九州大学病院 循環器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療機器規制に関する諸外国及び我が国の規制状況を勘案し、科学的根拠を明確にして、適切な規制のあり方を提言する。
研究方法
医療機器規制に係る諸問題は幅広く多岐にわたる。有効にリソースを活用しつつ、その科学的根拠について調査・分析する。
a.諸外国における、特に新たに導入された規制に係る実態調査
b.GHTFやHBDに係る動向調査
c.各国・地域におけるソフトウェアの規制動向などトピックスの実態調査
d.上記a.~c.に係る我が国の状況把握
e.諸外国における規制手法に係る科学的根拠、合理性の検証

結果と考察
1)医療機器ソフトウェアの規格及び規制
a. 欧米ではソフトウェアが単独で医療機器とされている。本邦でも、特に診断用途及び放射線治療計画等の単独ソフトウェアは、国際整合化の観点からも医療機器とすることが望まれる。
b. 欧米で62304を用いて設計プロセスの審査が行われているが、62304は非常に細分化/複雑化した規格であり、規制目的での使用は適切でない。これに代えてISO 13485にソフトウェア要求事項を明確にする修正を加え、ハードウェアと同一視点で審査/監査を行うことが望ましい。
c. ソフトウェアの品質担保にあたり、EUがソフトウェアの妥当性確認を要求していることは妥当である。
d. ソフトウェア規制の早期実現にあたっては、法制化と並行して実務に適したガイドラインの作成、人材登用・育成及び外部・民間の人的リソースの活用も検討が必要である。
2)ソフトウェア開発に関する状況調査
ベンチャー企業のソフトウェア開発状況について調査した。その結果、従来の動作確認などの品質保証対応では想定していない、新たなインストール方式も生じており、品質保証、法規制等の対応を検討する必要がある。
3)欧米の承認システムとの違い
最初の臨床試験がEUで行われることが多い。試験への患者の同意率が高く、臨床試験の意味、重要性が広く認知されている。安全性を最優先する本邦とは文化的隔たりがある。臨床試験における医師、患者、企業の関わり方や医療,社会環境にも違いがある。
結論
医療機器に対する欧米との医療機器規制制度上の隔たりの要因としては、各地域・国の歴史背景、文化、社会の成熟度などが大きく関与しており、長期的な整合活動が必要である。
行政及び業界が一体となったGHTFやHBDなどの調和活動が進められており、継続して情報交換を含めた調査・分析・研究が必要である。

公開日・更新日

公開日
2010-09-02
更新日
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