ワクチン開発における臨床評価ガイドライン等の作成に関する研究

文献情報

文献番号
200838028A
報告書区分
総括
研究課題名
ワクチン開発における臨床評価ガイドライン等の作成に関する研究
課題番号
H19-医薬・一般-012
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
山西 弘一(独立行政法人 医薬基盤研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日米欧におけるワクチンの承認審査等に関する事例を調査し、その根拠となった臨床・非臨床試験の内容や審査内容、更には市販後対策の状況等を基にして、ワクチンの承認審査等に有用な非臨床及び臨床評価ガイドライン等の作成のための研究を行う。
研究方法
欧州における感染症対策、ワクチン行政等を調査し、欧州の非臨床評価や臨床評価に関するガイドラインを踏まえ、本邦の非臨床評価ガイドライン案等の作成及び検討を行う。
結果と考察
・欧州のワクチンに関する医療制度(英国では、本邦の厚生労働省にあたるイギリス保健省 にワクチン専門部署があり、予防接種のポリシーメーキングから、接種状況の把握、国民への啓発及び宣伝活動、またワクチンメーカーとの供給契約まで行っていた。ドイツでは公的保険によりワクチン接種の費用はカバーされていたが、ワクチンの接種はすべて強制的なものではなかった。)
・欧州におけるワクチン開発から承認にいたるプロセス(ワクチンの開発にあたっては初期の段階から科学的なアドバイスを行い、また、非臨床試験、臨床試験については必要に応じて科学的アドバイスを行っていた。臨床試験実施のための審査については、EU各国共通のシステムを採用していた。)
・製造販売承認(ワクチンの製造販売承認、申請の審査はバイオテクノロジーを用いた等の新規製法によるワクチン製剤や、今後ヨーロッパ全体で、市販される可能性が見込まれる製剤に関しては、欧州医薬品庁(EMEA)における中央審査がとられていた。)
・欧州における市販後の体制(欧州各国からワクチンの副反応に関する情報は、EMEAにおいて集計されていた。)
・ワクチン開発における非臨床評価ガイドライン(素案)等の検討・作成(非臨床評価ガイドライン(素案)を作成し、臨床評価ガイドライン(素案)については、課題に対する検討を行い、また、アジュパントに関するガイドライン(素案)については、欧米における現状把握を行った。)
結論
ワクチンの特性を考慮した場合、一般的なガイドラインとともに、分野別に区別したガイドラインを作成し、社会状況の変化等にも対応できるような体制整備についての検討結果を公表することができれば、ワクチンが安全かつ迅速に開発され、また、薬事制度における評価の基盤が構築できる。

公開日・更新日

公開日
2009-04-21
更新日
-