小児科領域での投薬に適した医薬品剤形のあり方と、剤形変更した医薬品の安全性・有効性の確保に関する研究

文献情報

文献番号
200838023A
報告書区分
総括
研究課題名
小児科領域での投薬に適した医薬品剤形のあり方と、剤形変更した医薬品の安全性・有効性の確保に関する研究
課題番号
H19-医薬・一般-007
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
石川 洋一(国立成育医療センター 薬剤部)
研究分担者(所属機関)
  • 村山 純一郎(昭和大学病院 薬剤部)
  • 中村 秀文(国立成育医療センター 治験管理室)
  • 寺門 浩之(国立がんセンター中央病院 薬剤部)
  • 小村 誠(国立成育医療センター 薬剤部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国内では、小児の薬物療法で汎用されているにも関わらず、小児への投薬に適した小児用剤形を持たない医薬品が多い。小児用剤形は本来必須のものではあるが、全ての医薬品で小児用剤形を開発するのは困難であり、医療施設での剤形変更の対応も必要と考えられる。本研究では、どのような医薬品には小児用剤形開発が必要なのか、小児適応の申請時に検討すべき問題点、また医療施設での剤形変更のあり方の明確化、剤形変更時の安全性・有効性の確保への課題について調査し、具体的な情報の発信及び、提言のまとめを行う。
研究方法
研究は以下の4課題に分けて実施する。1)小児適応の申請時に検討すべき小児用剤形のあり方の検討、2)医療施設における小児用剤形への剤形変更情報のあり方の検討、3)剤形変更医薬品の有効性等の評価に関する研究、4)剤形変更医薬品の投薬後の安全性・有効性情報の収集・伝達方法の検討。
結果と考察
今年度について。1)有効性、安全性以外の観点である、粉砕後のにおいや味などについて調査した。そこには小児用剤形特有の問題があり、製薬企業と剤形を検討する一つの観点であると考えられた。2)インタビューフォームに記載された情報を調査し、記載情報量が医薬品毎にばらつきが多く、剤形問題に特化して情報をまとめた資料が必要であることを確認した。3)施設で粉砕例の多いワルファリン・カリウム錠に着目し、粉末X線回折法とHPLC法で評価を実施した。4)剤形変更した医薬品についての、1、投薬後に発生した副作用等の安全性情報、2、効果に関する問題点の指摘等の有効性情報を調査したが、予想より症例収集に時間を要することが明らかとなり、平成20年度一杯収集を継続した。入力施設は協力34施設中19施設、データ入力数306件であった。
結論
今年度は初年度収集した情報に追加すべき情報を収集し、4分担研究の課題のまとめを行った。小児用剤形の無い医薬品の、医療施設における剤形変更は半ば常態化しているが、そのエビデンス、安全性については十分に検討されたことがない。実際に副作用を含め情報の集積には多くの困難があることも研究で明らかとなった。これらの結果をもとに最終年度には必要な情報を集約した成果物を分担研究3の結果を含めて作成、また改善に向けた方策の提言および情報の発信を行う。

公開日・更新日

公開日
2009-05-19
更新日
-