経口曝露後のナノリスク解析に資するナノマテリアルの内分泌代謝への影響解析

文献情報

文献番号
202124046A
報告書区分
総括
研究課題名
経口曝露後のナノリスク解析に資するナノマテリアルの内分泌代謝への影響解析
課題番号
21KA3005
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
東阪 和馬(大阪大学 高等共創研究院)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
2,028,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、食品用途に使用される種々物性のナノマテリアルについて、その経口曝露後の動態情報を考慮しつつ、(1)内分泌代謝機能に対するハザード解析と共に、(2)エネルギー代謝制御に着目した、生体応答メカニズムの解明を試みる。そのうえで、(3)ナノマテリアルの物性-動態-ハザードの連関解明・閾値追究を図り、統合的に評価することで、ナノマテリアルのリスク解析に資する安全性情報の集積を目指す。
研究方法
本研究では、既に数多くの食品及び食品用容器包装で実用化されている非晶質ナノシリカ粒子やナノ銀粒子を中心に、物性(粒子径など)の違いを考慮しつつ、ナノマテリアル曝露による内分泌代謝機能におよぼす影響評価と、生体応答メカニズムの解明を試みた。
結果と考察
2021年度研究では、(1)ナノマテリアルの経口曝露後の内分泌代謝機能への影響に関して、❶通常食を摂取させたマウスに対し、各種粒子径の非晶質ナノシリカを28日間連日経口投与した際には、食後血中グルコース濃度、ならびに、血中トリグリセリド濃度に有意な変化は認められないことを示した。また、(2)エネルギー代謝制御に着目した、生体応答メカニズムの解明に関しては、マクロファージに焦点をあて、非晶質ナノシリカがエンドサイトーシス経路の機能とマクロファージの活性化におよぼす影響を評価し、非晶質ナノシリカが、その物性によっては、❷蛋白質との複合体を形成させることで、ヒト単球細胞株であるTHP-1を活性化させること、❸初期エンドソームマーカーであるEEA1の発現増加とリソソーム内pHの上昇を引き起こし、初期エンドソームの蓄積など、エンドサイトーシス経路の輸送能に影響をおよぼし得ることを明らかとした。
結論
ナノマテリアル曝露と内分泌代謝機能に関する科学的根拠の収集と分子メカニズムの解明につながる点で、当初予定通り研究計画を実施しており、本研究の成果は、今後のリスク解析の是非を議論するうえで重要な知見となり得る、ハザード情報の集積、およびその理解に直結するものである。また、本研究の成果ならびに関連する研究の成果については、国内外の論文や学会・シンポジウムで発表するなど、成果公開や情報発信を積極的に進めており、他の研究者との意見交換を図っている。

公開日・更新日

公開日
2022-09-30
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-09-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202124046Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,636,000円
(2)補助金確定額
2,636,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,734,816円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 293,184円
間接経費 608,000円
合計 2,636,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2023-09-06
更新日
-