文献情報
文献番号
                      200838017A
                  報告書区分
                      総括
                  研究課題名
                      血液製剤の安全性確保のための技術開発と標準化及び血液製剤の精度管理法の開発に関する研究
                  研究課題名(英字)
                      -
                  課題番号
                      H18-医薬・一般-030
                  研究年度
                      平成20(2008)年度
                  研究代表者(所属機関)
                      山口 照英(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
                  研究分担者(所属機関)
                      
                  研究区分
                      厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
                  研究開始年度
                      平成18(2006)年度
                  研究終了予定年度
                      平成20(2008)年度
                  研究費
                      1,200,000円
                  研究者交替、所属機関変更
                      -
                  研究報告書(概要版)
研究目的
            血液製剤の安全性確保のために、①血液製剤の効率的なウイルス不活化法やウイルス除去法の開発とその有用性評価、②ウイルス濃縮方法の開発とそれによるNAT検出感度の向上に関する研究の一環として、E型肝炎ウイルス(HEV)やParvovirus B19のウイルス検出法の評価の為の参照パネルの作製、③血液製剤の安全性確保のための国際動向の調査を行うことを目的とする。
      研究方法
            ①新たなウイルス不活化法として昨年検討したペンタデカフルオロオクタン酸(PFOA)によるウイルス不活化の作用機序の解明のために、PFOAの赤血球の溶血への影響を解析した。
②ブタ糞便及び陽性血漿由来各種HEVジェノタイプを収集し、そのコピー数や感染価の測定を行った。また陽性血漿ParvovirusB19の2つのジェノタイプについて同様にコピー数や感染価の測定を行った。
③各国の血漿分画製剤のウイルス安全性に関する動向調査を行い、特に病原体不活化の導入を積極的に行っているEUの状況を中心に解析を行った。
      ②ブタ糞便及び陽性血漿由来各種HEVジェノタイプを収集し、そのコピー数や感染価の測定を行った。また陽性血漿ParvovirusB19の2つのジェノタイプについて同様にコピー数や感染価の測定を行った。
③各国の血漿分画製剤のウイルス安全性に関する動向調査を行い、特に病原体不活化の導入を積極的に行っているEUの状況を中心に解析を行った。
結果と考察
            1)新たなウイルス不活化法として、昨年検討したPFOAによるウイルス不活化の作用機序の解明のために赤血球の溶血への影響を解析した。PFOAは強い界面活性剤としての作用により、ウイルスのエンベロープを除去し感染性を不活化しているものと考えられた。また、PFOAによる不活化においてモデルとした医薬品タンパク質の生物活性に影響はないことを明らかにした。
2)HEV及び PV-B19の安全性確保を目的として、参照パネル作製に関する検討を行った。HEVについてブタ由来4株、培養由来1株、及び陰性コントロールとしてサンプルの希釈に用いた血清の計6種を一組とすることとした。B19のパネルは、Genotype1、2の2株について、それぞれ高タイター(1010 IU/mL)、低タイター(105 IU/mL)の2種及び陰性コントロールとして希釈に用いた血清の計5種を一組とすることとした。
3)昨年に引き続いて各国の血漿分画製剤のウイルス安全性に関する動向調査を行い、特にEUでは主として新興感染症対策として、積極的なウイルス不活化工程の導入が行われていることが明らかになった。
      2)HEV及び PV-B19の安全性確保を目的として、参照パネル作製に関する検討を行った。HEVについてブタ由来4株、培養由来1株、及び陰性コントロールとしてサンプルの希釈に用いた血清の計6種を一組とすることとした。B19のパネルは、Genotype1、2の2株について、それぞれ高タイター(1010 IU/mL)、低タイター(105 IU/mL)の2種及び陰性コントロールとして希釈に用いた血清の計5種を一組とすることとした。
3)昨年に引き続いて各国の血漿分画製剤のウイルス安全性に関する動向調査を行い、特にEUでは主として新興感染症対策として、積極的なウイルス不活化工程の導入が行われていることが明らかになった。
結論
            今年度の成果は、血液製剤の安全性等の確保のために有用な成果が得られた。
      公開日・更新日
公開日
          2009-04-10
        更新日
          -