食品行政における国際整合性の確保と食品分野の国際動向に関する研究

文献情報

文献番号
202124021A
報告書区分
総括
研究課題名
食品行政における国際整合性の確保と食品分野の国際動向に関する研究
課題番号
20KA2001
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
渡邉 敬浩(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 豊福 肇(国立大学法人山口大学 共同獣医学部)
  • 千葉 剛(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所)
  • 登田 美桜(国立医薬品食品衛生研究所  安全情報部第三室)
  • 坂井 隆敏(国立医薬品食品衛生研究所 食品部)
  • 窪崎 敦隆(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
  • 松尾 真紀子(東京大学 大学院公共政策学連携研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
8,087,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班の主たる目的は、Codex委員会下に設置された各部会等から特に食品安全の観点から選択した9つの部会を対象とし、それら部会におけるわが国政府の活動を支援することである。この目的の達成のため、Codex委員会への対応に必要な科学的知見や国際動向を整理・分析し、今後考慮すべき事項として提言する。その他に、社会的受容を得るためにも国際的な食品安全行政に関するリスクコミュニケーションを推進させ、食品安全行政に係る国際交渉等を行う政府職員の能力を向上させることも目的とする。
研究方法
Codex委員会下の各部会及びその関連会議における過去の議論、各国の立場、わが国政府の対応を各部会報告書等の詳細な検討により整理すると共に、リスクアナリシスに係る各種データ等の科学的知見や情報を、各国政府機関や学術領域、また関連食品事業分野から収集し分析する。さらに必要に応じて、加盟各国が実施する施策等の情報も同様に収集し、分析する。それらの結果をとりまとめ、基礎資料を作成するとともに、電子的作業部会(EWG)等へのコメント、会合への対処方針作成や議場での政府職員の対応を支援するとともに、部会報告書の作成に協力する。また、食品安全に関する国際的な情報を広く社会に発信するシンポジウムを企画・開催するほか、政府職員の国際対応能力向上のための教育プログラムを開発するとともに研修のあり方について検討する。
結果と考察
今年度会合が開催されなかった一般原則部を除く、食品衛生部会、食品汚染物質部会、食品残留動物用医薬品部会、残留農薬部会、食品添加物部会、栄養・特殊用途食品部会、分析・サンプリング法部会、食品輸出入検査・認証制度部会を研究対象とした。各Codex部会の会合は、EWGによる検討継続を経て、2021年度中にはWeb会議ツールを用いたバーチャル会合として開催された。COVID-19拡大防止のための予防的行動とバーチャルという会合形式に伴う課題も顕在化する中、当研究班各分担研究者はそれぞれが研究対象とする部会の会合に日本代表団の一員として臨み、政府担当者による発言等の活動を支援した。各部会の成果としては、不確かさの一般ガイドライン(CXG 54改訂案)の改訂案が最終採択され、動物用医薬品や農薬の最大残留基準値(MRL)が設定されるなどした。日本政府の発言の一部は部会報告書に記録された。その他、今後のCodex委員会への対応に必要な重要文書が翻訳された。また、急性参照用量の設定状況とその影響が調査され、Environmental Health Criteria (EHC) 240の第5章、及びFAO/WHO合同食品添加物専門家会議が作成した動物用医薬品を対象とした急性参照用量設定のためのガイダンスの翻訳を含む基礎資料が作成された。Codex委員会の活動に関連する国内課題への取組としては、ミネラルの摂取に関する国民の意識が調査された。リスクコミュニケーションへの取組としては、2021年9月9日に「今後の衛生管理に果たすHACCPの役割-コーデックスからのメッセージと国内完全施行の先」と題したシンポジウムを、CCFH議長やCodex委員会議長等も招きオンラインで開催した。その他にも、厚生労働省と協働して世界フードセーフティーデイの日本語版公式パンフレット「世界フードセーフティーデイ2021へのガイド-健康な明日のために、今、安全な食品を」を作成し、厚生労働省のwebサイトへの掲載等を通じて周知した。2020年8月~9月にオンラインで開催された食品安全行政の国際化戦略のためのリスク管理者向け研修の企画立案に協力し、教材の提供及び講師を担当した。
結論
計8つのCodex部会での議論やそれに関連する加盟国の施策、該当する食品事業分野における実際の取組等の情報を収集・解析し、その結果をとりまとめて基礎資料を作成するととともに、適宜政府職員に提供しEWG等に提出するコメント作成やバーチャル会合での発言を支援した。CCFH議長やCodex委員会議長を招聘し、国内完全施行されたHACCPをテーマとする国際シンポジウムを企画・開催し盛況を得た。研修の受講を通じて、政府食品の食品安全分野における国際対応力の養成と強化が図られた。

公開日・更新日

公開日
2022-11-15
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2022-11-15
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202124021Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
8,087,000円
(2)補助金確定額
8,087,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,175,412円
人件費・謝金 1,527,392円
旅費 575,058円
その他 4,809,138円
間接経費 0円
合計 8,087,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2023-09-05
更新日
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