食品微生物試験法の国際調和のための研究

文献情報

文献番号
202124017A
報告書区分
総括
研究課題名
食品微生物試験法の国際調和のための研究
課題番号
20KA1007
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
朝倉 宏(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
研究分担者(所属機関)
  • 五十君 静信(東京農業大学 応用生物科学部)
  • 松岡 英明(東京農工大学 大学院工学研究院)
  • 倉園 久生(国立大学法人 徳島大学)
  • 泉谷 秀昌(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 岡田 由美子(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 上間 匡(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 百瀬 愛佳(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
17,274,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者交替 倉園久生(令和2年4月1日~令和4年3月31日) →山崎栄樹(令和4年4月15日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、国際的な微生物試験法に精通した専門家から構成される「食品からの微生物標準試験法検討委員会」の活動を通じ、国際調和が取れた微生物試験法を確立し、食品の微生物規格基準等に関わる試験法の整備を行うことを目的とした。
研究方法
本研究では、食品微生物試験法の国際調和に向けた研究項目として、(1)衛生指標菌等の食品微生物試験法に関する研究、(2)食品微生物試験法の国際動向及び妥当性確認に関する研究、(3)ボツリヌス試験法に関する研究、(4)遺伝子検査法の導入に関する研究、(5)食品からのウイルス試験法の標準化に向けた研究、について検討を進めた。
結果と考察
(1)では、台湾が2021年に食品の微生物成分規格を大幅に改訂したことを受け、関連する微生物試験法を確認し、検討委員会と同様、ISO法を参照した試験法文書構成となっている状況を確認した。また、ウエルシュ菌及びセレウス菌等の標準試験法を確定したほか、NIHSJ法の作成・改訂に係るガイドラインST2案、並びにカンピロバクター定性試験法の培養時間の改訂等を進めた。更に、カンピロバクター定量試験法ST3案に係るコラボスタディを開始し、C. jejuniを用いたコラボスタディデータの取得と解析を進め、室間再現性の観点から、ISO法との同等性が確認された。(2)では、2021年6月にオンライン開催された ISO/TC34/ SC9 総会及び第26回、27回第3作業部会(妥当性確認)に参加し、情報収集及び意見交換を行い、微生物試験の妥当性評価に用いる用語の改訂、微生物試験所が試験法導入時に用いる妥当性確認のためのガイドライン案の作成、新たな試験法を開発する事業者が行うべき妥当性確認の手順等に関する情報の整理等を進め、微生物試験法の標準化を国際調和の観点から推進した。(3)では、複数機関による室間再現性の評価に向けた予備検討並びにコラボスタディ計画の策定を進め、A型、B型、F型菌を用いた解析を開始し、安定的と思われる検出成績が得られつつある。(4)では、国内で国際整合性に適合した遺伝子検査法を導入するためのガイドラインを提示することを目的に、ISOの発行する3文書を基に、食品からの微生物試験の使用者及び開発者を対象とするST2案を作成した。(5)では、野菜表面及び果実からのウイルス試験法に係る標準化を検討するため、食品マトリックスの違いの影響、RNA抽出方法、工程管理用ウイルスの調整方法について評価を進め、室間再現性評価に向けて、設定すべき条件を抽出することができた。
結論
国内の食品微生物試験法の国際調和推進に引き続き寄与するため、上述の課題の更なる検討を進めると共に、国際動向を踏まえた課題の抽出並びに解決に向けた方針策定と実行につとめたい。

公開日・更新日

公開日
2022-07-14
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202124017Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
19,156,000円
(2)補助金確定額
19,156,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 13,631,940円
人件費・謝金 2,311,128円
旅費 226,857円
その他 1,104,075円
間接経費 1,882,000円
合計 19,156,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2022-07-14
更新日
-