医療機関における治療と仕事の両立支援の推進に資する研究

文献情報

文献番号
202123011A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関における治療と仕事の両立支援の推進に資する研究
課題番号
20JA1006
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
立石 清一郎(産業医科大学 両立支援科学)
研究分担者(所属機関)
  • 永田 昌子(産業医科大学 医学部 両立支援科学)
  • 柴田 喜幸(産業医科大学 産業医実務研修センター)
  • 白土 博樹(国立大学法人 北海道大学 大学院医学研究院)
  • 江口 尚(産業医科大学 産業生体科学研究所 産業精神保健学)
  • 田中 文啓(産業医科大学 医学部 第2外科)
  • 高橋 都(岩手医科大学 医学部)
  • 森 晃爾(産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健経営学研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
7,746,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
主治医が「労働者の症状・意向を踏まえつつ事業者にとって意思決定に資する意見書」を作成するためには、以下の3つの条件が必要であり、それぞれについて必要な研究を遂行する。
研究方法
①医療スタッフが仕事のことをイメージできるような簡便なツールが示されていること
→研究A.ひとめでわかる職種ごとのデジタルコンテンツ2020~2021年度
②「症状」(医療者文脈での理解の整理)ごとに、多様な「配慮例」(事業者文脈での解決策の提示)が示され医療職が、事業者が発行する勤務情報提供書などを参考に、簡便に配慮事項を検討することに資するツールが示されること
 →研究B.症状ごとの就業配慮事例集2020年度~2021年度
③症状と配慮の関係性を明確にし、事業者に受け入れやすい意見書作成の研修会を実践すること
→研究C.就業配慮事例集を用いた主治医による意見書作成研修および資料公開2020~2021年度 (オンライン)
結果と考察
【研究A 映像コンテンツ収集】
「主治医が職場のことをイメージできること」である。新型コロナウイルス感染症の流行により、種々の条件が重なり多くが困難であったが撮影実施でき、化学工場、ライン作業、食品工場などが収集された。また、後述する症状別配慮集に記載される危険作業や高負荷作業の多くは収集できる見通しが立ち意見書を作成するための映像資機材は十分収集できた。
【研究B 症状別配慮集について】
 医療の場面においては、患者と診察するときにプロブレムリストを作成し、そのリストごとに主訴、他覚的所見、評価、解決計画を検討する枠組み(SOAP)が定着している。医療職に意見書を作成する枠組みとしては、同様の枠組みを提示するほうが理解を得られやすく、患者の主訴や他覚的所見プロブレムを整理できるマトリクス表を整理した。横軸には症状や他覚的所見を並べ、意見書に必須である職場で配慮すべき作業内容を縦軸に並べ必要な配慮内容を記載するというシンプルな構成である。この方法論はシンプルで理解しやすいという半面、注意すべき点が多数存在することが必要である。
【研究C 研修について】
 そこで、令和3年度について遠隔研修会を企画することを前提として、両立支援診療ビデオと難病等に関する合理的配慮の漫画を作成した。両立支援診療ビデオは、緩和ケアのイーラーニングでの緩和ケア診療ビデオに着想を得て作成を行った。多くの医療職が、両立支援のイメージがわかないことから、両立支援をイメージできるような診察ビデオを作成し限定公開を行っている。評価については、目的通り、両立支援のイメージを持つことができるようになったという意見が得られている。
今回の研究班によって、両立支援に必要なツールとして、症状別配慮集が作成された。また、医療機関の医師にとって職場がイメージしやすいよう映像コンテンツの作成および公開、両立支援を展開するための研修会の基礎的基盤が作成された。また、個別の状況に対応できるため、難治性疾患及び婦人科疾患・放射線療法の両立支援についてまとめられるとともに、両立支援の診察ビデオ、なども整備されるとともに、合理的配慮の学術的検討もなされ、両立支援の体系化に資する情報が集約された。
結論
研究により得られた成果の今後の活用・提供:今回の研究の映像コンテンツ、症状別配慮集、研修についてすべてウェブ上で公開することができた。医療機関の両立支援を推進する、特に意見書を作成するためのロジックを学ぶ上において、重要な資料が作成されたと考えられる。
https://www.ryoritsu.dohcuoeh.com/shojohairyo/

公開日・更新日

公開日
2023-05-25
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202123011B
報告書区分
総合
研究課題名
医療機関における治療と仕事の両立支援の推進に資する研究
課題番号
20JA1006
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
立石 清一郎(産業医科大学 両立支援科学)
研究分担者(所属機関)
  • 永田 昌子(産業医科大学 医学部 両立支援科学)
  • 柴田 喜幸(産業医科大学 産業医実務研修センター)
  • 白土 博樹(国立大学法人 北海道大学 大学院医学研究院)
  • 江口 尚(産業医科大学 産業生態科学研究所 精神保健学研究室)
  • 田中 文啓(産業医科大学 医学部 第2外科)
  • 高橋 都(岩手医科大学 医学部)
  • 森 晃爾(産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健経営学研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
主治医が「労働者の症状・意向を踏まえつつ事業者にとって意思決定に資する意見書」を作成するためには、以下の3つの条件が必要であり、それぞれについて必要な研究を遂行する。
研究方法
①医療スタッフが仕事のことをイメージできるような簡便なツールが示されていること
→研究A.ひとめでわかる職種ごとのデジタルコンテンツ2020~2021年度
②「症状」(医療者文脈での理解の整理)ごとに、多様な「配慮例」(事業者文脈での解決策の提示)が示され医療職が、事業者が発行する勤務情報提供書などを参考に、簡便に配慮事項を検討することに資するツールが示されること
 →研究B.症状ごとの就業配慮事例集2020年度~2021年度
③症状と配慮の関係性を明確にし、事業者に受け入れやすい意見書作成の研修会を実践すること
→研究C.就業配慮事例集を用いた主治医による意見書作成研修および資料公開2020~2021年度 (オンライン)
結果と考察
【研究A 映像コンテンツ収集】
「主治医が職場のことをイメージできること」である。新型コロナウイルス感染症の流行により、種々の条件が重なり多くが困難であったが撮影実施でき、化学工場、ライン作業、食品工場などが収集された。また、後述する症状別配慮集に記載される危険作業や高負荷作業の多くは収集できる見通しが立ち意見書を作成するための映像資機材は十分収集できた。
【研究B 症状別配慮集について】
 医療の場面においては、患者と診察するときにプロブレムリストを作成し、そのリストごとに主訴、他覚的所見、評価、解決計画を検討する枠組み(SOAP)が定着している。医療職に意見書を作成する枠組みとしては、同様の枠組みを提示するほうが理解を得られやすく、患者の主訴や他覚的所見プロブレムを整理できるマトリクス表を整理した。横軸には症状や他覚的所見を並べ、意見書に必須である職場で配慮すべき作業内容を縦軸に並べ必要な配慮内容を記載するというシンプルな構成である。この方法論はシンプルで理解しやすいという半面、注意すべき点が多数存在することが必要である。
【研究C 研修について】
 そこで、令和3年度について遠隔研修会を企画することを前提として、両立支援診療ビデオと難病等に関する合理的配慮の漫画を作成した。両立支援診療ビデオは、緩和ケアのイーラーニングでの緩和ケア診療ビデオに着想を得て作成を行った。多くの医療職が、両立支援のイメージがわかないことから、両立支援をイメージできるような診察ビデオを作成し限定公開を行っている。評価については、目的通り、両立支援のイメージを持つことができるようになったという意見が得られている。
結論
今回の研究班によって、両立支援に必要なツールとして、症状別配慮集が作成された。また、医療機関の医師にとって職場がイメージしやすいよう映像コンテンツの作成および公開、両立支援を展開するための研修会の基礎的基盤が作成された。また、個別の状況に対応できるため、難治性疾患及び婦人科疾患・放射線療法の両立支援についてまとめられるとともに、両立支援の診察ビデオ、なども整備されるとともに、合理的配慮の学術的検討もなされ、両立支援の体系化に資する情報が集約された。

公開日・更新日

公開日
2023-02-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202123011C

収支報告書

文献番号
202123011Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,992,000円
(2)補助金確定額
7,544,270円
差引額 [(1)-(2)]
2,447,730円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 877,287円
人件費・謝金 1,119,941円
旅費 112,140円
その他 3,188,902円
間接経費 2,246,000円
合計 7,544,270円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2023-05-25
更新日
-