既存添加物の有効性と品質を確保するための規格試験法の開発

文献情報

文献番号
200837046A
報告書区分
総括
研究課題名
既存添加物の有効性と品質を確保するための規格試験法の開発
課題番号
H20-食品・一般-009
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
山崎 壮(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
研究分担者(所属機関)
  • 堀江 正一(埼玉県衛生研究所)
  • 受田 浩之(高知大学教育研究部自然科学系農学部門)
  • 松本 清(九州大学大学院農学研究院)
  • 松藤 寛(日本大学生物資源科学部)
  • 杉本 直樹(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 多田 敦子(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 秋山 卓美(国立医薬品食品衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
既存添加物の成分規格の整備が大幅に遅れており、また、添加物としての有効性評価が軽視されてきた。そこで我々は、これまでも有効性(活性)を測定する手法も導入して品質評価の指標となる成分を明らかにしてきたが、その考えをさらに進める。分析法の開発に当たっては、混合物の確認能力にすぐれたGC/MS、LC/MS、NMRを利用した規格試験法の開発を行う。さらに、これまで我々が取り上げなかった保存料・日持ち向上剤の成分解析と、基原の確認試験法の開発を重点事項に加える。
研究方法
既存添加物の品質評価試験法の開発:
(1)成分規格試験法に利用できる抗酸化活性標準操作法の確立
(2)天然抗酸化剤の品質劣化と過剰使用による食品中での有害物質生成の可能性の検討
(3)定量NMR分析法の既存添加物の分析への応用
(4)保存料・日持ち向上剤の抗菌活性の評価と抗菌活性評価の指標成分の探索
(5)既存添加物の自主規格作成と改良
既存添加物の基原確認試験法の開発:
(6)植物由来添加物の成分と原料植物中の成分との比較と、市販製品の基原の妥当性の考察
(7)酵素製品の基原を酵素タンパク質から確認する方法の検討
結果と考察
(1)ORAC法による測定を行い、昨年度までに得られたDPPH法、ABTS法、WST-1法による抗酸化活性値との関連性を考察した。また、DPPH法のプロトコールを再検証し、改良した。酸化防止剤の併用効果を検討するために、薬剤の併用効果判定に汎用されているMedian effect analysisと昨年度用いたFractional product methodとで解析結果を比較した。
(2)ローズマリー抽出物の光照射分解物と熱分解物の遺伝毒性を調べた。
(3)定量NMRでコチニール色素の主色素成分であるカルミン酸を絶対定量した。
(4)抗菌もしくは静菌作用があるとされている国内で流通実績のある既存添加物を収集し、抗菌・抗かび活性をスクリーニングした。
(5)業界自主規格の新規作成と見直し、および第4版既存添加物自主規格試験法の検証を行った。
(6)イソアルファー苦味酸、ホップ抽出物、およびドクダミ抽出物の成分分析法を検討し、基原の確かさを確認した。
(7)それぞれ複数の基原に由来する8品目の酵素製品を収集し、SDS-PAGEによる酵素タンパク質分析の予備的検討を行った。
結論
ほぼ予定通り研究が進んだ。いずれの課題も、初年度の成果を基にさらに研究を進展させる。

公開日・更新日

公開日
2009-04-23
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-01-26
更新日
-