歯科技工業務に関する調査研究

文献情報

文献番号
202122066A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科技工業務に関する調査研究
課題番号
21IA2019
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
大川 周治(明海大学歯学部 明海大学病院)
研究分担者(所属機関)
  • 赤川 安正(昭和大学 学長室)
  • 大島 克郎(日本歯科大学東京短期大学)
  • 高橋 英和(東京医科歯科大学 歯学部)
  • 横山 敦郎(北海道大学 大学院歯学研究科 )
  • 北村 知昭(九州歯科大学 歯学部)
  • 田地 豪(広島大学大学院 医系科学研究科 口腔生物工学研究室)
  • 志賀 博(日本歯科大学 生命歯学部 歯科補綴学第1講座)
  • 野崎 一徳(大阪大学 歯学部附属病院)
  • 馬場 一美(昭和大学 歯学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
3,121,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 歯科技工士養成施設及びその入学者の数の減少、歯科技工士の高い離職率の常態化や認知度の低下、そして就業歯科技工士数の減少等が生じていることなどから、今後歯科技工士が不足することが予想されており、歯科保健医療の根幹を揺るがす状況となっている。そこで、厚生労働省において、平成30年から令和元年に渡って、『歯科技工士の養成・確保に関する検討会』が行われ、歯科技工業の内容や歯科技工士の教育内容について検討することの必要性が示された。令和2年度においては、申請者らの研究班において厚生労働科学特別研究『歯科技工士の業務内容の見直しに向けた調査研究』(以下、特別研究)を実施し、業務範囲の検討及びデジタルデータの取り扱いに関する意識調査を実施するとともに、現在製作されている各種歯科技工物について歯科医学的知見を踏まえた整理を行った。
本研究の目的は、特別研究の研究成果や文献的検索等の結果を踏まえ、1)歯科技工士業務を検討する場合に必要な教育の現状、2)必要な教育内容、3)歯科技工に関連するCAD/CAM等のデジタルデータ処理業務を適正に実施するための整備方策等について、より具体的な検討を進めるために、これらに関する現状と課題の整理を行うことである。
研究方法
1.業務・教育内容検討WG
 (1)歯科技工士が診療室のチェアサイドおよび歯科訪問診療先で「歯科医師の指示のもとで歯科技工士が行ってもよいと考える行為」と「必要な教育・研修を受ければ、歯科医師の指示のもとで歯科技工士が行ってもよいと考える行為」のうち、研究班において選定した17行為(以下、「研究班選定の17行為」)に関する教育の現状
(2) (1)の17の行為を行う上で必要な教育内容
 上記の(1),(2)を明らかにするために、全国の歯科技工士養成施設49校に対して調査票によるアンケート調査を実施した。また、教育内容の詳細および課題等について、7つの歯科技工士養成施設を対象にヒアリング調査を実施した。
2.医療情報整備検討WG 
 全国の歯科技工所(日本歯科技工士会会員又は日本歯科技工所協会会員)から地域区分や就業者数規模等を考慮し て抽出した歯科技工所(15 箇所)を対象として歯科技工業務に係る患者情報の管理および歯科技工物製作に関わるデジタル情報の管理について、ヒアリング調査を行った。
結果と考察
1.業務・教育内容検討WG
 1)歯科技工業務を拡大すると仮定した場合に、「研究班選定の17行為」とともに、その行為を行う上で必要と考えられる教育項目のうち、教育できていない部分を明らかにできた。
 2)教育の実態把握に関しては、評価基準を策定し、点数化による客観的評価を試みた。
2.医療情報整備検討WG
 1)歯科技工業務に係る患者情報のデジタル化はかなり遅れているとともに、デジタル化された患者情報の管理体制は脆弱で、改善すべき点が多々認められた。すなわち、歯科技工業務に係る患者情報の管理に関しては、当該情報のデジタル化推進とともに、歯科技工指示書の管理の重要性を明確にしていくことの必要性が示された。
2) 患者のデジタル情報管理体制整備のためには、患者情報管理に関する研修マニュアルの作成や研修会開催の推進など、患者情報の守秘義務遵守への対応としては、業務規程の改正や守秘義務契約の締結など、具体的な対応方法を策定する必要性が示された。
3) 歯科技工物製作に関わるデジタル情報の管理に関しては、歯科技工物の製作過程、すなわち歯科技工録と歯科技工指示書(歯科医師による指示内容)の管理が特に重要になってくることが示された。
結論
1.歯科技工士の業務を検討する場合に必要と考えられる教育項目のうち、現状で教育できていない部分を明らかにできた。
2.歯科技工業務に係る患者情報のデジタル化はかなり遅れているとともに、デジタル化された患者情報の管理体制は脆弱で、改善すべき点が多々認められた。すなわち、歯科技工業務に係る患者情報の管理に関しては、当該情報のデジタル化推進とともに、歯科技工指示書の管理の重要性を明確にしていくことの必要性が示された。
3.患者のデジタル情報管理体制整備のためには、患者情報管理に関する研修マニュアルの作成や研修会開催の推進など、患者情報の守秘義務遵守への対応としては、業務規程の改正や守秘義務契約の締結など、具体的な対応方法を策定する必要性が示された。
4.歯科技工物製作に関わるデジタル情報の管理に関しては、歯科技工物の製作過程、すなわち歯科技工録と歯科技工指示書(歯科医師による指示内容)の管理が特に重要になってくることが示された。

公開日・更新日

公開日
2022-08-12
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-08-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202122066Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,821,000円
(2)補助金確定額
3,821,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 909,722円
人件費・謝金 225,685円
旅費 593,060円
その他 1,392,533円
間接経費 700,000円
合計 3,821,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2022-08-12
更新日
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