JAMEP基本的臨床能力評価試験(GM-ITE:General Medicine In-Training Examination)質向上についての研究

文献情報

文献番号
202122051A
報告書区分
総括
研究課題名
JAMEP基本的臨床能力評価試験(GM-ITE:General Medicine In-Training Examination)質向上についての研究
課題番号
21IA2004
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
西崎 祐史(順天堂大学 革新的医療技術開発研究センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
1,924,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、初期臨床研修医の客観的臨床能力評価のために開発された「基本的臨床能力評価試験(GM-ITE: General Medicine In-Training Examination)」の質向上を目的とする。
研究方法
本研究班では、GM-ITEの質向上を目的とし、①GM-ITE問題作成プロセスのブラッシュアップ、②CBT(Computer-Based-Testing)導入による試験問題管理の効率化、③実践経験の評価に即した問題作成、④GM-ITEバリデーション(GM-ITEの国際的妥当性等の検証)、⑤研修医労働時間と基本的臨床能力評価試験の関連性の検討、⑥新旧臨床研修プログラムの比較の6つのテーマを同時に進める。
結果と考察
①GM-ITE問題作成プロセスのブラッシュアップについては、2021年度問題作成に向けて、15回のウェブ会議を行い、問題作成プロセスのブラッシュアップを図った。2021年度問題作成に向けて、試験問題作成委員、問題作成協力者、英語問題チェッカー、査読委員メンバーの見直しを行った。②CBT導入による試験問題管理の効率化については、2021年度GM-ITE実施時から全面的にCBT導入に成功した。CBTシステムは、Moodleを使用した。③実践経験の評価に即した問題作成については、医療現場で重要視される、非言語的コミュニケーション能力の評価を試みるなど、過去にない視点で、臨床能力(実践力)を評価するための革新的動画問題の開発を実施した。具体的には、患者再現VTRを用いた問題、時間経過を意識した実践力を問う問題、手技者目線の身体診察問題を開発し、パイロット試験として導入した。④GM-ITEバリデーション(GM-ITEの国際的妥当性の検証)については、国際比較を通じたバリデーションに関して、シンガポール国立大学、マヒドン大学の研究者とウェブ会議を開催し、国際比較研究の進め方について議論した。また、研修医が経験した症例内容や症例数等を把握し、今後の問題作成の方針決定等に役立てる目的で、研修医の経験症例についてのアンケート調査を実施した。⑤研修医労働時間と基本的臨床能力評価試験の関連性の検討については、GM-ITEスコアと労働時間の関連性を検討した論文が、医学教育分野の国際誌Medical Teacherに掲載された。また、現在はGM-ITEスコアのみならず、研修医のメンタルヘルス(バーンアウト等)に関連するデータ等と労働時間との関連性について、解析を進めている。⑥新旧臨床研修プログラムの比較については、2020年度GM-ITEデータと過去問題データ(2015~17年度)用いて、新研修プログラム下での研修医と旧プログラム下での研修医のGM-ITE成績を比較し、新旧臨床研修プログラムを比較検討した。試験年度と研修年度で調整した上で、2020年度の研修(新プログラム)を受けた集団の方が過去年度に研修(旧プログラム)を受けた集団よりGM-ITE得点が高いという結果になった。
結論
本研究班における活動を通じ、GM-ITEの結果が、日本全国のより多くの研修施設にフィードバックされることで、各施設は、自施設の研修医における基本的臨床能力評価が可能となる。臨床研修プログラム責任者等の指導医は、今後力を入れるべき分野・領域を把握し、総合的な臨床能力を身につけるための研修指導計画の立案が可能となる。さらに、また、本研究班から発信されるエビデンスは、医師の働き方改革においても重要な資料となる。

公開日・更新日

公開日
2022-06-10
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-06-21
更新日
2023-07-21

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202122051Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,500,000円
(2)補助金確定額
2,499,000円
差引額 [(1)-(2)]
1,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 11,451円
人件費・謝金 1,095,856円
旅費 0円
その他 816,670円
間接経費 576,000円
合計 2,499,977円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2022-06-10
更新日
2022-10-19