臨床研修の到達目標・方略・評価等の見直しに向けた研究

文献情報

文献番号
202122050A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床研修の到達目標・方略・評価等の見直しに向けた研究
課題番号
21IA2003
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
福井 次矢(聖路加国際大学 専門職大学院・公衆衛生学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 大滝 純司(東京医科大学 医学教育学分野)
  • 片岡 仁美(臼井 仁美)(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科地域医療人材育成講座)
  • 高橋 理(聖路加国際大学 専門職大学院・公衆衛生学研究科)
  • 高橋 誠(北海道大学 大学院医学研究院)
  • 高村 昭輝(富山大学 医学教育学講座)
  • 野村 英樹(金沢大学附属病院 総合診療部)
  • 前野 哲博(筑波大学 医学医療系)
  • 村岡 亮(国立国際医療研究センター 医療教育部門)
  • 大出 幸子(聖路加国際大学 専門職大学院・公衆衛生学研究科)
  • 有岡 宏子(聖路加国際大学 聖路加国際病院一般内科)
  • 大谷 典生(聖路加国際大学 聖路加国際病院 救急部・救命救急センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
1,731,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 平成16年(2004年)度から医師の臨床研修を必修とした現行の医師臨床研修制度は、概ね5年ごとに見直しが行われてきた。令和2年(2020年)度の第3回目の見直しでは、新たな到達目標・方略・評価が施行された。その結果、到達目標が、A.医師としての基本的価値観(プロフェッショナリズム)、B.資質・能力、C.基本的診療業務という3層構造になったこと、卒前医学教育モデル・コア・カリキュラムとの一貫性を意図したこと、経験すべき症候や経験すべき疾病・病態の数を減らしたこと、必須ローテーション診療科を当初の7診療科に加え一般外来の計8診療科に増やしたこと等、多岐にわたる。
令和2年(2020年)度より開始されたこの新たな臨床研修制度への遵守の状況を把握することは、令和6年(2024年)度から開始される医師の働き方改革を控え、令和7年度の第4回目の臨床研修制度の見直しに向けて、研修プログラムを改定する必要があるかどうかを判断する上でも非常に重要である。
以上のような背景のもと、本研究の目的は、令和 2(2020年) 年度から施行されている現行の到達目標・方略・評価への遵守状況を把握し、課題を抽出することである。
研究方法
 現行の到達目標・方略・評価への遵守状況を把握し課題を抽出する目的で、(1)臨床指導医のインタビュー、(2)厚生労働省医政局医事課が2021年度末に実施した指導医アンケート調査の解析、を行う。
(1)NPO法人卒後臨床研修評価機構(JCEP)に登録している臨床研修病院や大学付属病院に対して、インタビューを受けてもらえる上級医・指導医を募った。参加表明した上級医・指導医を対象に、現行の到達目標・方略・評価への遵守状況を知るためのインタビュー調査を、Web面談にて行う。なお、指導医とは、厚生労働省指定 医師の臨床研修に係る指導医講習会を受講済で、臨床研修医の指導的立場にある医師とした。
 インタビューは、Web会議形式とする。インタビューに先立って、パイロット調査を実施し、インタビュー調査の流れを確認する。インタビュー調査の記録はテキストに起こし、可能な限りデータを発言者に確認するメンバーチェッキング(member checking)を実施し、その後、thematic codingを行ってキーワードを抽出し、キーワードの整理・比較検討を行う。
1施設から1名の上級医・指導医が参加し、1回あたり4~5人の指導医とファシリテーター1名、タイムキーパー1名の6~7名で実施する。
(2)2022年3月に厚生労働省医政局医事課が実施した指導医アンケートに、質問項目を組み込んだ。
結果と考察
(1)指導医インタビューで意見を伺う項目は、①令和2年(2020年)度に見直された到達目標について、②7診療科・一般外来を必修としたローテーションプログラムについて、③新たな評価法について、④次回(2025年を予定)の見直しに向けて、⑤地域医療研修について、とし、一定の成果が得られるよう、インタビューガイドを作成した。
(2)指導医アンケートでは、①臨床研修制度が見直されたことを知っているかどうか、②新たな到達目標が適切かどうか、③一般外来での研修状況、④到達目標について指導したかどうか、⑤評価票の記載例、⑥プライマリ・ケア能力について、⑦地域医療研修について等、を尋ねた。
結論
(1)指導医インタビューの準備が整ったことから、2022年度早々に施行し、解析に取り掛かる。
(2)指導医アンケートの結果が入手次第、データをまとめ、報告を作成する。
(1)(2)の結果を踏まえ、研究班の班員間で、次回の制度見直し時に、到達目標・方略・評価を改訂する必要があるかどうか、そして改訂する場合にはどのような改訂を行うべきかについての討論を開始し、2023度には提言をまとめる予定である。

公開日・更新日

公開日
2022-06-21
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-06-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202122050Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,250,000円
(2)補助金確定額
1,349,000円
差引額 [(1)-(2)]
901,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 830,822円
旅費 0円
その他 0円
間接経費 519,000円
合計 1,349,822円

備考

備考
自己資金 822円

公開日・更新日

公開日
2022-12-01
更新日
-