文献情報
文献番号
202122041A
報告書区分
総括
研究課題名
がんゲノム医療の発展に資する情報連携基盤の構築に向けた標準規格の開発研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21IA1016
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 達也(国立研究開発法人 国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター)
研究分担者(所属機関)
- 河野 隆志(国立研究開発法人国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター 情報利活用戦略室)
- 福田 博政(国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター 情報利活用戦略室)
- 大垣内 多徳(国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター ネットワーク・システム管理室)
- 玉井 郁夫(国立研究開発法人国立がん研究センター がんゲノム情報管理センターネットワーク・システム管理室)
- 須藤 智久(国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター 情報管理室)
- 白石 友一(国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター ゲノム解析室)
- 加藤 護(国立研究開発法人国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター ゲノムデータ管理室)
- 高阪 真路(国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター 情報統合室)
- 大熊 裕介(国立研究開発法人国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター 中核拠点病院等連携室、中央病院 呼吸器内科)
- 柴田 大朗(国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター 情報統合室、研究支援センター 生物統計部)
- 大江 和彦(東京大学 医学部附属病院)
- 土井 俊祐(東京大学 医学部付属病院)
- 山下 芳範(福井大学 医学部附属病院 医療情報部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
がんゲノム医療の普及に伴い、検査件数の増加が見込まれる中、情報登録を行う医療機関の負担軽減のために、電子カルテ格納済の情報を自動入力するシステムの構築に向けて、HL7 FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resource)規格による、がんゲノム医療に携わる医療機関と国立がん研究センターがんゲノム情報管理センター(C-CAT)間の情報連携規格を策定し、全国のがんゲノム医療中核拠点病院等へのシステム実装に向けた検討を進める。
研究方法
本研究は、以下の3つの課題について検討する。
(1)情報連携規格の現状調査
医療機関間の情報連携規格として、HL7 ver.2、HL7 ver.3、HL7 CDA、HL7 FHIR、CDISC標準、ISO13606、SS-MIX2、DICOM等について調査を行う。国際疾病分類第10版(ICD-10)や国際疾病分類腫瘍学第3版(ICD-O-3)、研究機関によって提唱されたOncoTree等に関して、現状の整理を行う。
(2)データ記述方法の標準化
がんゲノム医療中核拠点病院等の電子カルテでのデータ記述方式や病院での運用実態等について調査を行う。がんゲノム医療中核拠点病院等や電子カルテベンダーに対するアンケート調査を行い、がんゲノム医療等で利用可能なデータ記述方法の標準案を策定する。
(3)HL7 FHIRの標準規格仕様案の策定
上記の調査結果を踏まえて、がんゲノム医療中核拠点病院等とC-CAT間の情報連携におけるHL7 FHIR の適用性を検討する。R4年度前半目途に、HL7 FHIR標準規格仕様案をとりまとめ、R4年度内を目途に、がんゲノム医療中核拠点病院等である東京大学医学部附属病院及び福井大学医学部附属病院の協力を得て、運用シミュレーションを行う。
(1)情報連携規格の現状調査
医療機関間の情報連携規格として、HL7 ver.2、HL7 ver.3、HL7 CDA、HL7 FHIR、CDISC標準、ISO13606、SS-MIX2、DICOM等について調査を行う。国際疾病分類第10版(ICD-10)や国際疾病分類腫瘍学第3版(ICD-O-3)、研究機関によって提唱されたOncoTree等に関して、現状の整理を行う。
(2)データ記述方法の標準化
がんゲノム医療中核拠点病院等の電子カルテでのデータ記述方式や病院での運用実態等について調査を行う。がんゲノム医療中核拠点病院等や電子カルテベンダーに対するアンケート調査を行い、がんゲノム医療等で利用可能なデータ記述方法の標準案を策定する。
(3)HL7 FHIRの標準規格仕様案の策定
上記の調査結果を踏まえて、がんゲノム医療中核拠点病院等とC-CAT間の情報連携におけるHL7 FHIR の適用性を検討する。R4年度前半目途に、HL7 FHIR標準規格仕様案をとりまとめ、R4年度内を目途に、がんゲノム医療中核拠点病院等である東京大学医学部附属病院及び福井大学医学部附属病院の協力を得て、運用シミュレーションを行う。
結果と考察
(1)情報連携規格の現状調査
各規格の特徴や課題を総括すると、調査対象とした規格のいずれにも課題があった。しかし、情報分類ごとの規格の統一化は進んでおり、情報連携の観点では柔軟かつ容易に実装可能なHL7 FHIRが適していた。ただし、HL7 FHIRを適用する上では、医療機関におけるデータ保管形式や、電子カルテ項目の入力方式の統一に向けた対応が必要である。
がん種分類については、世界保健機関(WHO)によって策定されたICD-10やICD-O-3は、国内でも診療報酬明細書や、がん登録等で使用されている。OncoTreeは、腫瘍分類における課題を解決するために設計された階層的な分類であり、表示・検索のためのApplication Programming Interface(API)が公開されており、ユーザーインターフェース等のプログラミング開発が可能となっている。
(2)データ記述方法の標準化
がんゲノム医療中核拠点病院等185施設から回答を得た(回答率79.4%)。電子カルテデータをSS-MIX2等の標準規格で出力するシステムは、82施設(44%)で採用されていた。電子カルテからの入力補助システムは、25施設(13.5%)で採用されていた。電子カルテベンダーは、5社から回答があり、3社よりC-CATへのデータ入力に際し、医療機関より入力補助システム対応の要望があったと回答した。
(3)HL7 FHIRの標準規格仕様案の策定
今年度は臨床情報収集項目の全項目をFHIR形式で記述するためのマッピングに関する仕様とFHIR形式でデータを送受信するためのデータ作成方法を策定した。「臨床情報収集項目(2021年9月9日版)」の全164項目を格納するためのFHIRリソース・エレメントへのマッピングに関する仕様とFHIRにおいて送受信等を行う際のデータ単位であるBundleリソースの作成方法を決定した。
がんゲノム医療に携わる医療機関とC-CAT間の情報連携には課題が認められた。課題解決に向けて、HL7 FHIRによるシステム連携に関する検討が進むことが求められる。
各規格の特徴や課題を総括すると、調査対象とした規格のいずれにも課題があった。しかし、情報分類ごとの規格の統一化は進んでおり、情報連携の観点では柔軟かつ容易に実装可能なHL7 FHIRが適していた。ただし、HL7 FHIRを適用する上では、医療機関におけるデータ保管形式や、電子カルテ項目の入力方式の統一に向けた対応が必要である。
がん種分類については、世界保健機関(WHO)によって策定されたICD-10やICD-O-3は、国内でも診療報酬明細書や、がん登録等で使用されている。OncoTreeは、腫瘍分類における課題を解決するために設計された階層的な分類であり、表示・検索のためのApplication Programming Interface(API)が公開されており、ユーザーインターフェース等のプログラミング開発が可能となっている。
(2)データ記述方法の標準化
がんゲノム医療中核拠点病院等185施設から回答を得た(回答率79.4%)。電子カルテデータをSS-MIX2等の標準規格で出力するシステムは、82施設(44%)で採用されていた。電子カルテからの入力補助システムは、25施設(13.5%)で採用されていた。電子カルテベンダーは、5社から回答があり、3社よりC-CATへのデータ入力に際し、医療機関より入力補助システム対応の要望があったと回答した。
(3)HL7 FHIRの標準規格仕様案の策定
今年度は臨床情報収集項目の全項目をFHIR形式で記述するためのマッピングに関する仕様とFHIR形式でデータを送受信するためのデータ作成方法を策定した。「臨床情報収集項目(2021年9月9日版)」の全164項目を格納するためのFHIRリソース・エレメントへのマッピングに関する仕様とFHIRにおいて送受信等を行う際のデータ単位であるBundleリソースの作成方法を決定した。
がんゲノム医療に携わる医療機関とC-CAT間の情報連携には課題が認められた。課題解決に向けて、HL7 FHIRによるシステム連携に関する検討が進むことが求められる。
結論
がんゲノム医療の普及に伴う医療機関の負担軽減とともに、C-CATに登録された情報の利活用推進に資するように、HL7 FHIR標準規格システムのがんゲノム医療中核拠点病院等での実装に向けた検討を進めることが必要である。
公開日・更新日
公開日
2025-05-30
更新日
-