地域医療構想の達成に向けた病院管理者のための組織マネジメント研修プログラムの普及啓発のための研究

文献情報

文献番号
202122032A
報告書区分
総括
研究課題名
地域医療構想の達成に向けた病院管理者のための組織マネジメント研修プログラムの普及啓発のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21IA1007
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
赤羽 学(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 健一(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
  • 種田 憲一郎(国立保健医療科学院 国際協力研究部)
  • 福田 敬(国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター)
  • 柿沼 倫弘(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
  • 渋谷 明隆(北里大学医学部)
  • 佐藤 大介(国立大学法人千葉大学 医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 わが国の人口減少と高齢化の進行は、地方における急性医療の縮小と関連している。地域の状況は多様であり、医療機関の再編統合(ダウンサイジングや機能分化と連携を含む)は地域の医療提供体制の将来を考えるうえでの選択肢の一つである。地域での効率的な医療提供体制の確立に向けて、都道府県で地域医療構想が策定されているが、実現に向けた取り組みを推進していくためには地域医療構想調整会議における協議を通じて、行政や医療機関だけでなく医療・介護の関係団体、保険者等が連携を図りながら推進していくことが重要である。
本研究では、再編統合に関する良好事例や示唆を得ること、人材育成研修(ケースメソッド法)に活用するケーススタディ教材の作成に関する研究を実施し、病院管理者に求められる役割を担えるよう導くプログラムを検討する。
研究方法
 本研究では2課題を実施した。課題1)公立・民間病院の再編統合事例に関する計量テキスト分析と、課題2)公立病院等の再編統合事例のケースメソッド教材開発に関する研究である。課題1)では、医療機関等の再編統合に関するインタビュー調査を実施し、その内容についてKH Coderを用い計量テキスト分析を行った。インタビューは半構造的面接としてオンラインで実施した。インタビュー項目は地域医療構想の実現に向けた状況、医療機関の機能分化の状況、医師会や病院協会等との協力体制構築の状況、医師派遣元大学との連携状況、看護師等の医療従事者の確保状況、労働組合との関係性、双方の医療機関の財政状況等である。頻出する用語を分析(抽出)する際の形態素解析に用いる品詞は、名詞、サ変名詞、形容動詞、固有名詞、組織名、人名、地名、ナイ形容、副詞可能、未知語、感動詞、動詞、形容詞、副詞等とした。共起ネットワーク分析の対象となる語は最小出現数を5とし、Jaccard 係数を用いて図示した。課題2)では、再編統合等を達成した公立公的医療機関を対象に、再編統合に至った背景・経緯および再編・統合の基本計画・組織体制ならびに再編統合後の医療機能・病院経営の状況等に関するインタビュー調査に基づき、諸外国のビジネススクールや国内の経営系専門職大学院で活用されているケースメソッド法で用いるケーススタディ教材を開発するためのデータ整理を行った。
結果と考察
 課題1)の計量テキスト分析では、地域医療連携推進法人の設立に関連する病院名が特に多く頻出し、医療機能として「急性期」が多かった。用語同士の共起関係からは再編統合に関わる委員会、医療機能の分化と連携、自治体の立場等が主なテーマの一つであると解釈できた。地域医療構想は地域により進捗状況や課題も多様であるが、人口減少はわが国の今後の共有の事象である。人口減少地域における再編統合の重要なテーマの可視化、それらのテーマのより詳細な分析や検証を行うことで、課題を解決してくための示唆が得られる可能性があると考えられた。
課題2)においては、インタビュー調査の結果、再編統合等の基本方針を決定するために必要な行政組織や対象病院の管理者の役割やその実際について、病院経営幹部を対象とした学習目的を設定し、ケースメソッド法による実践的教育のための教材開発の重要性が示唆された。一般的に病院の再編について住民、首長、議員の理解を得ることは困難であるが、医療分野に限らず、当該地域では再編統合等の必要性が市町村長間でも認識されていた文化があった。そのような文化的土台があっても、病院長を中心とした話し合いでは進展が難しく、まとめ役を中心としてあるべき医療の姿を念頭に進めたことが再編統合等を達成できた重要な要因と考えられる。
結論
本研究の計量テキスト分析から、地域医療連携推進法人の設立を計画している民間病院と公立病院の再編統合事例に関する重要なテーマや関係者について可視化することができた。人口減少地域における再編統合の重要なテーマの可視化、それらのテーマのより詳細な分析や検証を行うことで、課題を解決してくための示唆が得られる可能性も考えられる。またケースメソッド開発に係る研究からは、病院管理者に特に求められる重要な役割として、(1)県と町の協議、首長とのコミュニケーション(2)病院間のまとめ役任命(3)医師会や近隣の病院・診療所の反応(4)協議会組織の立ち上げ、構成員の人選(5)再編統合等の構想計画(医療需要予測、病床規模・機能・体制)に整理されることが明らかとなった。上記の病院管理者に求められる役割を担えるよう導くプログラムを設置することが、地域医療構想の達成に向けた病院管理者のための組織マネジメント研修プログラムに必要だと考える。

公開日・更新日

公開日
2025-05-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-05-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202122032Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,000,000円
(2)補助金確定額
2,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,195,933円
人件費・謝金 510,185円
旅費 0円
その他 293,986円
間接経費 0円
合計 2,000,104円

備考

備考
自己資金額104円

公開日・更新日

公開日
2022-12-21
更新日
-