特定保健用食品等の有効性・安全性を確保するための科学的根拠の評価方法に関する研究

文献情報

文献番号
200837021A
報告書区分
総括
研究課題名
特定保健用食品等の有効性・安全性を確保するための科学的根拠の評価方法に関する研究
課題番号
H19-食品・一般-006
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
芝池 伸彰(独立行政法人国立健康・栄養研究所 国際産学連携センター)
研究分担者(所属機関)
  • 山田和彦(独立行政法人国立健康・栄養研究所 食品保健機能プログラム)
  • 梅垣敬三(独立行政法人国立健康・栄養研究所 情報センター)
  • 笠岡(坪山)宜代(独立行政法人国立健康・栄養研究所 国際産学連携センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、特定保健用食品(特保)に焦点を当て、その後の科学的知見の集積、審査の多様化などわが国の現状と課題に対応するため、より科学的かつ効率的な特保等の有効性・安全性の評価方法の整理と検討を行い、諸外国および国際機関の情報を収集し、制度の在り方を総合的に検討する。 
研究方法
日米シンポジウム“食品の機能と表示の最新動向”の開催等を通じてより総合的な検討を進めた。また、欧州、オーストラリア、米国への現地調査を行い、担当官らとの直接対談により各国の制度を調査した。同時に、日本の特保制度が諸外国・国際機関からどのようにとらえられているかということに関して調査を行った。さらに、わが国における医薬品と特保の許可申請制度に関連した法令・通知等を収集して両者の差異を比較した。
結果と考察
米国では、FDAが規制や管理を目的として有効性に関する科学的根拠のレビューを行なう一方、NIHのOffice of Dietary Supplement(ODS)はFDAとは独立した形で、科学的根拠の集約を行っている。政府の異なる機関が独自に根拠の評価を行なうシステムは、わが国の審査ニーズ増大への対応策として参考になるものであった。また、オーストラリアでは食品・医薬品の規制を担当しているTGAが、リスクを基本とした審査の方法でサプリメント等を全て医薬品として把握・規制しており、このシステムはリスクの低い製品の審査・許可において参考になるものであった。欧州では、各国の状況を踏まえて共通性を模索しており、人的制度やECならではの調整システムなどは貴重な資料となった。
また、我が国の医薬品承認・申請許可制度では、多くのガイドラインが策定され制度が具体化・可視化されていたが、特保は個別評価であり有効性のエビデンスレベルは医薬品に比較すると限定的であった。
結論
日本の特保制度は諸外国から相応の評価をされていたが、その見解は立場により異なっていた。我が国では、特定保健用食品の申請件数の急増、関与成分の多様化及びそれに伴う審査の複雑化、消費者庁の新設など、急速な状況の変化を踏まえた検討が必要である。最終的には、科学的根拠をより合理的かつ科学的に判断を行うための人的資源も含めた制度に関して具体的な提言を行う。

公開日・更新日

公開日
2009-04-01
更新日
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