小児科医師確保計画を踏まえた小児医療の確保についての政策研究

文献情報

文献番号
202122008A
報告書区分
総括
研究課題名
小児科医師確保計画を踏まえた小児医療の確保についての政策研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20IA1003
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
吉村 健佑(国立大学法人千葉大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 佐藤 大介(国立大学法人千葉大学 医学部附属病院)
  • 高橋 尚人(東京大学  医学部附属病院 小児・新生児集中治療部)
  • 清水 直樹(聖マリアンナ医科大学 医学部)
  • 平山 雅浩(三重大学大学院医学系研究科臨床医学系講座小児科学分野)
  • 和田 和子(大阪大学医学部附属病院 総合周産期母子医療センター)
  • 伊藤 友弥(あいち小児保健医療総合センター 救急科)
  • 佐藤 好範(医療法人社団健育会さとう小児科医院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、持続可能な小児医療の実現に向けて多様なステークホルダーとの意見交換を行い、小児科医師確保計画および第8次医療計画に資する良質な小児医療機能を将来に引き継ぐための小児医療提供体制に向けた提言を行うことを目的とし、以下3点の課題に取り組む。
課題①:小児科医師確保計画に関する課題を整理し、全国的実態調査の実施
課題②:小児医療機能別の精緻な小児科医師偏在指標の導出
課題③:小児医療資源の重点化・集約化の具体的検討・提言
3年計画の2年目である令和3年度研究では、次の2点に着目し、小児医療における医師確保計画、医療計画、地域医療構想の方向性を検討し、関連学会等と連携した小児医療体制に関する全国実態調査を行う。
1)厚生労働省「医療計画の指針」および日本小児科学会「小児医療提供体制に関わる事業」の 示す医療機能について整理するため各医療機能を整理するための全国実態調査を行う。
2)各医療機能における施設基準に資する基礎資料作成のための小児医療体制に関する全国実態 調査を実施する。
研究方法
全国の小児医療を提供する病院899施設を対象に、小児医療に関連する診療体制、人員体制、診療実績に係るアンケート調査を実施する。調査方法はWEBおよび郵送とし、以下の分析を行う。
①小児科医療を担う医療機関の診療体制、専門人員配置状況等の現状把握
②15歳未満の診療実績、小児科医療の診療実績等の定量的分析
③地理的データを用いた小児科医療体制の地域別状況の見える化
分析においては、調査対象病院における小児医療機能を「救急性」、「重症度」、「専門性」の観点に基づく診療実績を評価することとした。
結果と考察
研究分担者である高橋、清水、平山、和田、伊藤、佐藤好範は小児医療に携わる複数の医師にヒアリングおよび調査票作成のための検討会(計4回)を行い、「診療体制」「人員体制」「診療実績」の3つの観点から計16問、全回答項目数406で構成する調査票を作成した。調査票は計4回の研究班会議を通じて十分な協議を行い、テスト調査を実施した上で調査票を確定し、実行した。
 分担研究者の土井、佐藤大介は回収された調査票(回収率)65.4%を基に分析を行った。その結果、1) 15歳未満の救急車受入件数が多いほど、高い小児科医療機能を有している傾向が示唆された。2)診療実績が一定の水準を満たさない項目数を定量的に評価した結果、救急件数と診療実績の関連性の可能性が示唆された。また、救急件数にかかわらず、診療実績が相対的に小さい小児中核病院(中核病院小児科)および小児地域医療センター(地域小児科センター)については、地域の実状を踏まえた評価の必要性が示唆された。
3)地理的空間情報分析の結果、診療実績の定量的評価にはいくつかのパターンが考えられた。
①周辺に施設が少なく、規模が大きいために周辺の医療圏を含めた基幹病院になっている地域
②地域周辺に小規模な拠点病院が点在する地域
③周辺に施設が少なく、規模が小さくとも地域医療圏の拠点病院を担っていると考えられる地域
結論
全国実態調査の結果、小児中核病院(中核病院小児科)と小児地域医療センター(地域小児科センター)の区分と診療実績や地域の実状が異なる可能性が示唆された。これらの分析結果を基に、地域における小児科医療の実状を踏まえた小児科医療計画に資する基礎的資料の提示を目指す。

公開日・更新日

公開日
2025-05-23
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-05-23
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202122008Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
6,500,000円
(2)補助金確定額
6,500,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 885,237円
人件費・謝金 2,556,574円
旅費 0円
その他 1,558,189円
間接経費 1,500,000円
合計 6,500,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2022-12-16
更新日
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