文献情報
文献番号
202121004A
報告書区分
総括
研究課題名
ソーシャルメディア等を活用した肝炎ウイルス感染者の偏見差別の解消を目指した研究
課題番号
20HC2001
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
八橋 弘(独立行政法人国立病院機構長崎医療センター)
研究分担者(所属機関)
- 四柳 宏(東京大学 医科学研究所 先端医療研究センター感染症分野)
- 磯田 広史(佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センター)
- 是永 匡紹(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター 肝炎情報センター)
- 米澤 敦子(特定非営利活動法人東京肝臓友の会)
- 中島 康之(特定非営利活動法人東京肝臓友の会)
- 梁井 朱美(特定非営利活動法人東京肝臓友の会)
- 及川 綾子(特定非営利活動法人東京肝臓友の会)
- 浅井 文和(特定非営利活動法人日本医学ジャーナリスト協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
20,276,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
肝炎対策基本指針において、肝炎についての正しい知識を普及し、これにより肝炎患者等に関わる者が肝炎患者に対して適切な対応を行うことができるようにすることが必要であるとされている。これまで政策研究で実施された肝炎患者に対する偏見や差別に関する調査において、その実態が纏められ示されているが、それらをどのように伝え、偏見や差別を解消するための方策につなげていくかについては十分な検討がなされていない。偏見や差別の解消のために、既存の方法に加え、ソーシャルメディア等を活用した方策の有効性を検討する。特に、肝炎患者と関わることが多い医療機関等においての啓発や、高校生等の若年層への啓発方法について検討を行う。
研究方法
本研究班では、主に下記の3点について実施する。
1.肝炎ウイルス感染者への偏見差別を防止する為の事例集、解説集を内容とするホームページ(HP)、ソーシャルメディア(SNS)を作成して一般公開をおこなう。
2.偏見・差別の地域差を考慮した上での公開シンポジウムを開催する。
3.ウイルス性肝炎に対する治療の進歩を考慮した上での偏見差別や患者QOLに関した患者調査をおこなう。
1.肝炎ウイルス感染者への偏見差別を防止する為の事例集、解説集を内容とするホームページ(HP)、ソーシャルメディア(SNS)を作成して一般公開をおこなう。
2.偏見・差別の地域差を考慮した上での公開シンポジウムを開催する。
3.ウイルス性肝炎に対する治療の進歩を考慮した上での偏見差別や患者QOLに関した患者調査をおこなう。
結果と考察
1. 肝炎ウイルス感染者への偏見差別を防止する為の事例集、解説集を内容とするホームページを作成し、2021年8月1日にHPの公開をおこなった。2022年2月末までに1200名がHPの閲覧アクセスをおこない、理解度を自己学習するプログラムには2022年3月末までに335名が参加していた。
2.偏見・差別の地域差を考慮した上での公開シンポジウムを2022年3月6日に東京駅近くの会議場で実施した。計40名近くの患者やその家族、市民や医療従事者が参加し、肝炎患者の差別偏見の問題について問題提起、事例紹介、今後の課題などについて活発な意見交換をおこなった。
3.ウイルス性肝炎に対する治療の進歩を考慮した上での偏見差別や患者QOLに関する患者アンケート調査を実施した。肝炎に感染していることで差別偏見を受けるなどいやな思いをしたことがある者の頻度は、16.1%で、「いやな思いをしたことがある」と回答した者の特徴として、C型肝炎患者よりもB型肝炎患者で、男性よりも女性で、高齢者よりも若年者に多いという特徴がみられた。しかしながら、「いやな思いをしたことがある」と回答した者を対象として、それは過去のことですか、現在も続いている話か尋ねたところ、82.2%が過去のことであると回答していた。偏見差別の経験は過去のことであると回答した者が多いことが今回初めて明らかとなった。また、肝炎に感染していることで、いやな思いをしないように気をつけている者の頻度は、34.3%であった。これは、過去にも現在においても「いやな思いをしたことがある」という経験のない者においても、日常生活で、いやな思いをしないように気をつけている者が少なくないことを示している。肝炎患者のこれらの心の状態、心理模様については、今後十分検討する必要があると考えられた。
令和3年度の本アンケート調査結果は中間集計であり、令和4年度には最終報告をおこなう予定にしている。
2.偏見・差別の地域差を考慮した上での公開シンポジウムを2022年3月6日に東京駅近くの会議場で実施した。計40名近くの患者やその家族、市民や医療従事者が参加し、肝炎患者の差別偏見の問題について問題提起、事例紹介、今後の課題などについて活発な意見交換をおこなった。
3.ウイルス性肝炎に対する治療の進歩を考慮した上での偏見差別や患者QOLに関する患者アンケート調査を実施した。肝炎に感染していることで差別偏見を受けるなどいやな思いをしたことがある者の頻度は、16.1%で、「いやな思いをしたことがある」と回答した者の特徴として、C型肝炎患者よりもB型肝炎患者で、男性よりも女性で、高齢者よりも若年者に多いという特徴がみられた。しかしながら、「いやな思いをしたことがある」と回答した者を対象として、それは過去のことですか、現在も続いている話か尋ねたところ、82.2%が過去のことであると回答していた。偏見差別の経験は過去のことであると回答した者が多いことが今回初めて明らかとなった。また、肝炎に感染していることで、いやな思いをしないように気をつけている者の頻度は、34.3%であった。これは、過去にも現在においても「いやな思いをしたことがある」という経験のない者においても、日常生活で、いやな思いをしないように気をつけている者が少なくないことを示している。肝炎患者のこれらの心の状態、心理模様については、今後十分検討する必要があると考えられた。
令和3年度の本アンケート調査結果は中間集計であり、令和4年度には最終報告をおこなう予定にしている。
結論
肝炎ウイルス感染者への偏見差別を防止する為の事例集、解説集を内容とするホームページを作成した。
偏見・差別の地域差を考慮した上での公開シンポジウムを2022年3月6日に東京駅近くの会議場で実施した。計40名近くの患者やその家族、市民や医療従事者が参加し、肝炎患者の差別偏見の問題について問題提起、事例紹介、今後の課題などについて活発な意見交換をおこなった。
患者アンケート調査を実施した。肝炎に感染していることで差別偏見を受けるなどいやな思いをしたことがある者の頻度は、16.1%で、「いやな思いをしたことがある」と回答した者の特徴として、C型肝炎患者よりもB型肝炎患者で、男性よりも女性で、高齢者よりも若年者に多いという特徴がみられた。しかしながら、偏見差別の経験は過去のことであると回答した者が多いことが今回初めて明らかとなった。また、肝炎に感染していることで、いやな思いをしないように気をつけている者の頻度は、34.3%であり、日常生活でいやな思いをしないように気をつけている者が少なくないと考えられた。
偏見・差別の地域差を考慮した上での公開シンポジウムを2022年3月6日に東京駅近くの会議場で実施した。計40名近くの患者やその家族、市民や医療従事者が参加し、肝炎患者の差別偏見の問題について問題提起、事例紹介、今後の課題などについて活発な意見交換をおこなった。
患者アンケート調査を実施した。肝炎に感染していることで差別偏見を受けるなどいやな思いをしたことがある者の頻度は、16.1%で、「いやな思いをしたことがある」と回答した者の特徴として、C型肝炎患者よりもB型肝炎患者で、男性よりも女性で、高齢者よりも若年者に多いという特徴がみられた。しかしながら、偏見差別の経験は過去のことであると回答した者が多いことが今回初めて明らかとなった。また、肝炎に感染していることで、いやな思いをしないように気をつけている者の頻度は、34.3%であり、日常生活でいやな思いをしないように気をつけている者が少なくないと考えられた。
公開日・更新日
公開日
2023-03-07
更新日
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