慢性疾患のガイドライン診療普及法の開発・実証研究

文献情報

文献番号
200835075A
報告書区分
総括
研究課題名
慢性疾患のガイドライン診療普及法の開発・実証研究
課題番号
H20-医療・一般-029
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
中島 直樹(九州大学 大学病院)
研究分担者(所属機関)
  • 井口 登與志(九州大学 先端融合医療)
  • 小林 邦久(九州大学 医学研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 生活習慣病等の慢性疾患におけるガイドライン診療は、その数、不定期なアップデートなどより現場での実施が困難な状況である。本研究では非専門医であるかかりつけ医がストレス無く、かつ患者の個別性に合わせて実施できる方法を開発する。具体的には、診療ガイドラインをアウトカム志向型地域連携パスに展開し、コールセンタを有するディジーズマネジメント事務局から医療者、患者の両者へ支援する。
20年度は、既に開発した糖尿病に対して多医療機関への支援に対する運用アルゴリズムを確定するとともに、高血圧症、脂質異常症、肥満症における地域連携パスおよび運用アルゴリズムを開発する。また、メタボリック症候群に対する特定保健指導の運用アルゴリズムを策定し、特定保健指導現場で応用する。さらに、これらのディジーズマネジメント支援によって蓄積するデータを解析する手法を開発する。
研究方法
 ディジーズマネジメント事業の経験が豊富なカルナヘルスサポート社に対して糖尿病における他施設の管理を委託し、運用アルゴリズムを改訂した。また、各疾患の専門医により最新の診療ガイドラインを各地域連携パスに展開し、かつ、一患者が複数の疾患を保有する場合の運用を含めたアルゴリズムをカルナヘルスサポート社の経験を踏まえて策定した。また、バリアンス解析や様々な得られたデータの相関解析、主成分解析などを行って、次年度における解析手法を確立した。
結果と考察
 平成20年度は、1から4へ医療機関数を増加し、糖尿病に対する運用アルゴリズムおよびアウトカム志向型クリティカルパスをバージョンアップした。クリニックと病院の間では、保有する医療機器に差があり、医療機関の特性にあったパスのカスタマイズが生じる事が判明した。アウトカム志向型クリティカルパス、および運用アルゴリズムを、高血圧症、脂質異常症、肥満症で開発し、メタボリック症候群の保健指導運用アルゴリズムを開発した。
また、ディジーズマネジメント事業で蓄積するデータの解析手法について様々な角度から解析を試みた。具体的には、平成20年11月‐12月に行った研究対象者約100名に関する相関解析、主成分解析、データマイニング解析などを行った。
結論
 20年度研究により、21年度に行う複数の生活習慣病(糖尿病・高血圧症・脂質異常症・メタボリック症候群)を有する症例群における他施設での実証実験およびデータ解析の準備を整えることが出来た。

公開日・更新日

公開日
2009-04-14
更新日
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