抑肝散の示す精神疾患周辺行動改善に対する科学的検証

文献情報

文献番号
200835071A
報告書区分
総括
研究課題名
抑肝散の示す精神疾患周辺行動改善に対する科学的検証
課題番号
H20-医療・一般-025
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
遠山 正彌(大阪大学大学院医学系研究科 神経機能形態学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 宮田 信吾(大阪大学大学院医学系研究科 神経機能形態学講座 )
  • 松崎 伸介(大阪大学大学院医学系研究科 神経機能形態学講座 )
  • 服部 剛志( 大阪大学大学院医学系研究科 神経機能形態学講座 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の研究目標は臨床的に効果が認められている漢方薬、抑肝散のBPSD・精神疾患(統合失調症を中心とした)改善効果を科学的に立証し、抑肝散の作用機序を解明することにある。また各種病態モデルによる検討から抑肝散が最も効果的な精神疾患を明らかとする。
研究方法
抑肝散のアルツハイマー神経細胞死、統合失調症に対する効果を培養神経細胞を用いて検討した。
結果と考察
抑肝散は小胞体ストレスによる神経細胞死を救済した。
抑肝散構成生薬の一つであるセンキュウが最も効果的であった。
抑肝散はセロトニン受容体の機能を制御した。
結論
本研究により抑肝散、とりわけセンキュウはアルツハイマー病ゆらいの神経細胞死抑制作用を有しており、このことはアルツハイマー病の神経細胞死を抑える治療薬、又早期より服用することで予防薬として極めて有力な候補であることを示す。また抑肝散、とりわけチョウトウコウの5HT受容体に対する作用からかんがみると、統合失調症の新規の治療薬としても有効であると思われる。

公開日・更新日

公開日
2009-06-17
更新日
-