歯科関連職種における技術能力向上に寄与する試験のあり方の研究

文献情報

文献番号
200835065A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科関連職種における技術能力向上に寄与する試験のあり方の研究
課題番号
H20-医療・一般-019
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
石橋 寛二(岩手医科大学 歯学部)
研究分担者(所属機関)
  • 須田 英明(東京医科歯科大学 大学院・医歯学総合研究科)
  • 福田 仁一(九州歯科大学 )
  • 中垣 晴男(愛知学院大学 歯学部)
  • 末瀬 一彦(大阪歯科大学 歯科技工専門学校)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
6,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 近年の医療技術の進歩により患者ニーズの多様化及び患者権利の認識が進み、卒前歯科医学教育における臨床実習時間数が減少し、歯科医師国家試験合格者の技術能力の低下が懸念されている。このような状況の中、歯科医師国家試験における臨床実地問題の重要性は以前よりも増している。そこで本研究では、歯学部学生の実技実習における成績と国家試験問題における成績との相関性を分野ごとに分析し、現行の客観式多肢選択形式において臨床判断能力及び技術能力が反映される標準的な出題のあり方を検討した。さらに歯科技工士の試験においても技術能力がより適切に反映される出題のあり方について検討した。 
研究方法
 歯学部学生の実技実習(基礎・臨床実習)における成績と国家試験問題から抽出した既出問題における成績との相関性を補綴系、保存系、口腔外科系の各分野にて分析した。歯科技工士学科学生においては、実技実習における成績と資格試験問題からの抽出問題ならびに新たに作成された問題における成績との相関性について分析した。
結果と考察
 歯学部学生においては補綴系、保存系、口腔外科系の客観式多肢選択形式による解答形式の試験成績と基礎実習および臨床実習の実技成績の間には多くの場合に有意な相関がみられた。客観式多肢選択形式による解答形式の問題を一般問題と臨床実地問題に分けて検討を行った場合、実技試験成績との相関関係に違いが見られなかった。また、客観式多肢選択形式による解答形式の試験において、一般問題も臨床実地問題も実技試験の成績を識別していた。歯科技工士学科学生においても、有床義歯技工学に関する客観式多肢選択形式の試験成績と有床義歯の実技評価の間には高い相関がみられ、歯冠修復技工学に関する客観式多肢選択形式の試験成績と歯型彫刻および全部鋳造冠の実技評価の間には高い相関がみられた。
結論
 歯学部学生の評価のための補綴系、保存系、口腔外科系の一般問題、臨床実地問題を適切な比率で含む客観式多肢選択形式による解答形式の試験は大学における実技試験成績評価と相関していると結論される。また、歯科技工士学科学生の評価のための有床義歯技工学、歯冠修復技工学に関する客観式多肢選択形式による解答形式の試験は実技評価と相関していると結論される。

公開日・更新日

公開日
2009-06-25
更新日
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