リハビリテーション関連職等が支援機器の適切な選定・導入運用時に用いるガイドラインの開発

文献情報

文献番号
202118055A
報告書区分
総括
研究課題名
リハビリテーション関連職等が支援機器の適切な選定・導入運用時に用いるガイドラインの開発
課題番号
21GC2003
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
井上 剛伸(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 福祉機器開発部)
研究分担者(所属機関)
  • 浅川 育世(茨城県立医療大学 保健医療学部 理学療法学科)
  • 上村 智子(信州大学 医学部)
  • 西嶋 一智(宮城県 リハビリテーション支援センター)
  • 向野 雅彦(藤田医科大学 医学部リハビリテーション医学I講座)
  • 石渡 利奈(国立障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発部)
  • 硯川 潤(国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) 研究所 福祉機器開発部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
12,570,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
支援機器の選定・導入運用では、リハ専門職等が使用できる標準的なガイド等はなく、個人の知識や技術レベルに委ねられているのが現状である。そこで本研究では、令和2年度までに作成した支援機器ICF対応表を活用し、リハ専門職が、適切な支援機器の選定・導入運用を実施するために役立つガイドラインを開発することを目的とする。
研究方法
1)支援機器の選定・導入運用ガイドラインの作成
これまでに作成したICF対応表を中心に、支援機器の選定・導入運用に関する調査結果及びガイドライン骨子案について精査し、コンセプト及び目次案を作成した。
2)支援機器ICF対応表の更新
支援機器ICF対応表について、新たな機器に関する情報を収集し、データを更新した。また、支援機器とICFの対応についてデルファイ法を用いて、ICFコーディングの妥当性を確認した。さらに、対応表を利用する専門職のニーズや知識を把握し、データ出力形式を追加した。
3) ガイドライン利用モデルの構築および課題抽出
ガイドラインの想定利用者が臨床現場において直面する課題を抽出・整理するためのアンケート調査を実施した。対象は、障害者の在宅支援に関する相談業務の処理件数が多いと考えられる調査対象施設として、都道府県・指定都市に設置されている難病相談支援センター78施設、一般社団法人日本訪問リハビリテーション協会が公開する認定療法士所属施設403施設とした。また、リハ専門職等が支援機器の適切な選定・導入運用を行うにあたり、情報に容易にアクセスするためのICF辞書、コード検索システムを開発した。
4) ICFおよびISO9999の動向把握
WHO国際統計分類協力センターネットワーク内の生活機能分類グループおよびICF分類・統計諮問委員会の中間・年次会議および定期ミーティングに出席しICFの動向把握を行った。ISO9999については、国際標準化機構の福祉用具技術委員会第2分科会に関連する会議等に出席し、動向把握を行った。さらに、支援機器に関する国際的な動向についても,情報収集を行った。
結果と考察
1)支援機器の選定・導入運用ガイドラインの作成
対象者については、介護・医療・リハビリテーション専門職などで、基礎的な知識を有するものの情報にアクセスする手段を持たない者とした。また、支援する情報の粒度等支援の範囲について議論し,インターネットを活用する専門職が多く、具体的な機器の情報は入手可能なものの、選定・導入運用のはじめのきっかけとなる機器の概要の情報入手に問題があり、その点を中心に支援することとした。ガイドラインは利用者に基礎的な情報を提供し、必要な情報にアクセスするためのICF対応表やICFコード検索システムの、参考になる周辺情報を提供することを軸とする方向とした。これらを基に、コンセプトと目次案を作成した。
2)支援機器ICF対応表の更新
新たな支援機器として、肢体不自由者が用いるセルフケア用具および家事支援用具、発達障害者が用いるコミュニケーション関連用具、読書支援用具、注意の訓練用具などを追加した。また、リハ専門職を対象としたデルファイ調査を実施し、支援機器のICFコーディングの妥当性を確かめた。さらに、入手に際して利用できる可能性のある制度、および説明文のデータを作成し、追加した。
3) ガイドライン利用モデルの構築および課題抽出
障害者支援施設へのアンケート調査から、支援機器の選定に際しての課題が確認され、本研究課題にて構築するデータベースの有用性が示唆された。一方で、データベースに含まれない情報へのニーズも確認され、利用モデルにおける対応を検討した。また、これまでに作成してきたICFの関連語句リストの見直しと整理を行うと共に、コードの検索および関連する支援機器の情報にアクセスできる検索システムを作成した。これらの取り組みは、実際に支援機器の選定・導入に際してサポートとなることが期待される。

4) ICFおよびISO9999の動向把握
リハビリテーション関連職等が支援機器の適切な選定・導入運用時に用いるガイドラインの開発において用いられる国際分類(ICFおよびISO9999)の最新の動向および、その他の国際動向について、概況を報告した。いずれも、支援機器の適切な利用に向けて重要な情報を収集することができた。今後、ガイドラインへの取り込みについても検討していく予定である。
結論
本年度は、支援機器の選定・導入運用においてリハ専門職が活用できるガイドラインの作成に向け、そのコンセプトおよび目次案を決定した。また、支援機器ICF対応表への機器の追加を行うとともに、データ出力形式案を作成した。ガイドラインの利用モデル構築では、想定される利用現場の情報を収集し、対象となる利用者像や利用フローを作成した。さらに、ICFやISO9999の国際的な動向も把握した。

公開日・更新日

公開日
2023-01-16
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2023-01-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202118055Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
13,400,000円
(2)補助金確定額
13,400,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,033,864円
人件費・謝金 2,234,300円
旅費 780円
その他 8,301,144円
間接経費 830,000円
合計 13,400,088円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2024-03-26
更新日
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