相談支援専門員とサービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者の連携に関する評価ツールの開発のための研究

文献情報

文献番号
202118050A
報告書区分
総括
研究課題名
相談支援専門員とサービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者の連携に関する評価ツールの開発のための研究
課題番号
21GC1019
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 尚也(北海道医療大学 看護福祉学部)
研究分担者(所属機関)
  • 大久保 薫(札幌学院大学 人文学部)
  • 金澤 潤一郎(北海道医療大学 心理科学部)
  • 鈴木 和(北海道医療大学 看護福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
3,710,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、相談支援専門員と、サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者(以下、サビ児管)の連携について、支援計画の連動を効果的に行うための要因や、サビ児管の効果的な連携を進めるための要因を明らかにし、それらを基に実践で活用可能な相談支援専門員とサビ管等の連携業務を評価点検するための尺度及びツールを開発し、提案することを目的とした。当該年度では、全国調査から連携の実態について明らかにし、評価ツールを作成するための基礎資料を得ることを目指した。
研究方法
研究① 文献調査
文献データベースによるキーワード検索、行政や研究機関が行う調査報告書等の検索、政府の公開会議の資料の確認などから、福祉、医療等における連携に関する先行研究を確認した。
研究② 質的研究(検討委員会形式意見交換)
全国規模で活躍している相談支援専門員、サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者による検討委員会(9名)を組成し、連携のとらえ方、および全国調査の調査項目設定に向けた意見交換・検討を通して専門的知見から情報収集を行った。
研究③ 質的研究(実践家へのインタビュー調査)
相談支援専門員及び行政機関職員の協力を得て、連携のとらえ方、求める連携の内容等について半構造化インタビューから情報収集を行った。
研究④ 連携のとらえ方に関するアンケート調査
本研究領域における実践家が連携をどのようにとらえているかを明らかとするためにWEBアンケート調査を実施した。
研究⑤ 量的研究(全国アンケート調査)
①~④で得られた内容から調査項目を設定した。本調査実施に向けて、作成した調査票案について予備調査を行い、調査項目を点検・修正を行った。完成した調査票(基本事項12項目、連携に関する事項57項目)は、障害福祉サービス事業所(相談系、就労訓練系、介護系、施設入所系、居住系、障害児系)に所属する対象専門職へ送付して回答を求めた。合計9、000件を対象とした。
結果と考察
①文献調査にて、福祉、医療等における連携に関する先行研究を確認したところ、他領域と比べて先行研究は多くはない状況であった。周辺領域においても連携に関連する研究が行われており、連携に関する要因についての研究についてもいくつか取り組まれている現状が明らかとなった。
②質的研究(検討委員会形式意見交換)にて、検討委員会を組成し、連携のとらえ方、および全国調査の調査項目設定に向けた意見交換・検討を通して専門的知見から情報収集を行った結果、相談支援専門員とサビ児管の各専門家の視点についての情報を得ることができた。立場や地域などによって、連携として求める視点や必要としている内容が異なる点が指摘された。また、行動(行為)の客観的な有無のみならず、その質(内容的視点)についての重要性も指摘された。多角的な視点を通しつつ連携を評価できる一定の枠組みとしてのミニマムスタンダードの整理について求められていることが示唆された。
③質的研究(実践家へのインタビュー調査)にて、相談支援専門員及び行政機関職員の協力を得て、連携のとらえ方、求める連携の内容等について半構造化インタビューから情報収集を行った結果、②同様に立場などによって、連携として求める視点や必要としている内容が異なる点が指摘された。また、業務としてとらえたとき、連携によって負担が増えることへの懸念についても挙げられていた。
④連携のとらえ方に関するアンケート調査の結果、連携のとらえ方について、「多職種間で連絡を密に取り合い、情報共有する」「協力して一緒に支援すること」「支援に当たっての具体的な協働や役割分担」など、情報共有、役割分担、協働、連絡、協力について共通して多く挙げられていた。
⑤量的研究(全国アンケート調査)では、①~④で得られた内容から連携に関する調査票を作成し、全国の障害福祉サービス事業所に所属する対象専門職合計9000件に送付した結果、2951件の回答が得られ、相談支援専門員とサビ児管の連携の実態について明らかにすることができた。
結論
本研究では、相談支援専門員とサビ児管の連携に関する調査票を作成し、全国調査を実施することができた。調査結果より連携の実態について明らかにすることができ、障害福祉領域の相談支援専門員とサビ児管の連携に関する基礎資料として重要なデータを得ることができた。また、全国調査と合わせ、意見交換等質的取り組みからも、評価ツールの開発に向けた連携のとらえ方等に関する資料につながった。本研究成果をもとに次年度は、結果のさらなる分析を行い、連携評価に関する尺度及び評価ツールの開発を目指す。

公開日・更新日

公開日
2023-01-17
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-01-17
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202118050Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,823,000円
(2)補助金確定額
4,823,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 467,705円
人件費・謝金 720,875円
旅費 0円
その他 2,521,420円
間接経費 1,113,000円
合計 4,823,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2024-03-26
更新日
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