脊椎原性疾患に対する適正な施術の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
200835057A
報告書区分
総括
研究課題名
脊椎原性疾患に対する適正な施術の在り方に関する研究
課題番号
H20-医療・一般-011
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
宇都宮 光明(財団法人 全国療術研究財団 本部)
研究分担者(所属機関)
  • 福田  潤(財団法人 全国療術研究財団 本部 )
  • 松本 徳太郎(財団法人 全国療術研究財団 本部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
1,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 カイロプラクティックなど手技療法の施術を受ける患者の方々の安全を確保する観点から、各施術所において発生している事故並びにクレームの状況を調査し、問題点を明らかにすることを目的として実施した。
研究方法
 カイロプラクティックなど手技療法の施術における事故並びにクレームに関する調査項目を検討しアンケート用紙を作成した。次にカイロプラクティックなど手技療法の施術を行っている施術所に対し、このアンケート用紙を送付し、回収した回答をデーター処理し分析を行った。この分析をもとに療術師賠償責任保険を運営している損害保険会社にも見解を求め、損害保険会社の見解も参考にしながら最終分析を行った。
結果と考察
[結果] カイロプラクティック等の施術者で事故経験のある者は全体の5分の1ほどであり、事故の多くは経験の浅い頃に起きている。また、事故の部位も危険度の高い頸部はほとんどなく、胸椎・肋骨などで、事故の程度も軽く、金銭賠償に繋がった例は少ない。クレームを受けた経験がある者は事故よりもやや多く、4分の1程度であるが、治療効果をめぐるものが中心で、深刻なものはあまりない。このため事故と同様、ほとんどが当日、大部分が1月以内に解決している。
[考察] ○カイロプラクティック等の施術者は事故やクレームを防止するために慎重な治療姿勢を見せている者が多数派であり、患者安全の観点から差し迫った問題があるとは思われない。○カイロプラクティック等については、禁忌症の問題に焦点があたっているが、臨床現場では患者安全の観点からはるかに保守的な治療方針が採られており、視野の広い対応が必要と思われる。○今後、事故やクレームの原因・対応法などを関係者で広く共有できるようなシステムづくりが望まれる。
結論
 カイロプラクティック等の施術者の研修にあたって、知識・技術の指導だけでなく、リスクを回避するための判断や対応法などについても指導を行っていくことが強く求められる。また、事故やクレーム情報の共有システムづくりや損害保険など基盤整備も必要な課題であろう。

公開日・更新日

公開日
2009-06-25
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200835057C