現状に即したへき地等の保健医療を構築する方策および評価指標に関する研究

文献情報

文献番号
200835056A
報告書区分
総括
研究課題名
現状に即したへき地等の保健医療を構築する方策および評価指標に関する研究
課題番号
H20-医療・一般-010
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
鈴川 正之(自治医科大学 救急医学)
研究分担者(所属機関)
  • 中村 好一(自治医科大学 公衆衛生学)
  • 浅井 康文(札幌医科大学 救急医学)
  • 嶽崎 俊郎(鹿児島大学大学院 国際島嶼医療学)
  • 大田 宣弘(島根県立中央病院)
  • 米倉 正大(国立病院機構 長崎医療センター)
  • 井上 和男(東京大学 公衆衛生学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
6,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
へき地・離島の保健医療を向上させる具体的な方策を示すことに加え、事業の評価方法を明らかにすることを目的として研究を行なった。
研究方法
【医師養成機関に対する調査】
現在行なわれている保健医療に関する施策の調査として、地域で働く医師を増加させることを目的とした選抜方法、卒前教育カリキュラム、後期臨床研修プログラム等について、私立を含めた全ての医学部・医科大学を対象として調査を行なった。
【へき地保健医療に関するアンケート調査】
へき地における保健医療をさらに向上させるための施策を立案するために、次期へき地保健医療対策に向けての基礎的なデータと、今まで提案してきた「へき地・離島医療マニュアル」、「へき地・離島保健医療計画策定に向けての事例集」、「へき地・離島の保健医療のあるべき姿」などのガイドラインの実際の充足状況や改善すべき点について、全国のへき地等にある診療所に勤務する医師を対象に調査を行なった。
【一般の医師の総合診療およびへき地勤務に対する指向に関するアンケート調査】
へき地・離島に赴任する医師を増加させるための施策について、現在へき地・離島に勤務していない医師を対象に総合診療およびへき地勤務に対する考え方について調査を行なった。
結果と考察
医師養成機関に対する調査については、80の医師養成機関を対象に調査を行ない、78%にあたる62から回答を得た。都道府県出身者などから選抜する狭義の「地域枠選抜」は15大学(予定7大学、以下同様)、地元出身者地元出身者に限らない「地域枠以外入試枠」は4大学(12大学)、地域の医師を養成する奨学金制度は19大学(4大学)、推薦入試は30大学(7大学)で行われていた。「地域枠選抜」等の学生へのサポートは15大学中7大学で行われていた。しかし、これまで行われてきた奨学金制度などの対策は失敗に終っている。一方、自治医科大学、長崎県、島根県などの一定の成功をおさめた対策もある。へき地保健医療に関するアンケート調査および一般の医師の総合診療およびへき地勤務に対する指向に関するアンケート調査については現在解析中である。
結論
「地域枠選抜」を実際に採用している大学はまだ少数であり、学生に対するサポートも十分とは言えなかった。独自性を保ちながら、ある程度統一された方法を用いて、評価を行ないながらより良い体制を構築するべきであると考える。

公開日・更新日

公開日
2009-06-25
更新日
-