救急医療体制の推進に関する研究

文献情報

文献番号
200835055A
報告書区分
総括
研究課題名
救急医療体制の推進に関する研究
課題番号
H20-医療・一般-009
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
山本 保博(日本医科大学 救急医学)
研究分担者(所属機関)
  • 近藤 久禎(日本医科大学付属病院 高度救命救急センター)
  • 坂本 哲也(帝京大学医学部 蘇生学、救急医学)
  • 浅利  靖(弘前大学大学院医学研究科 救急災害医学講座)
  • 浅井 康文(札幌医科大学付属病院救急集中治療部 救急医学、災害医学)
  • 高山 隼人(独立行政法人国立病院機構長崎医療センター 救命救急センター)
  • 野口  宏(愛知医科大学高度救命救急センター 救急医学)
  • 石原  哲(白鬚橋病院 救急医学)
  • 森野 一真(山形県立中央病院 救命救急センター診療部)
  • 石井  昇(神戸大学医学研究科 救急医学、災害医学)
  • 田中 秀治(国士舘大学体育学部、同大学院救急医学院 スポーツ医学、救急医学)
  • 谷川 攻一(広島大学大学院医歯薬学総合研究科 救急医学)
  • 郡山 一明(救急救命九州研修所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 近年、救急医療体制が十分に機能していないことを示す救急搬送事案の発生が相次ぎ、大きな社会問題となっている。我が国の救急医療体制には、救急隊、救急救命士等による病院前の救護(病院前救護)の分野と、初期・二次・三次と階層的に分けられた救急医療機関における診療の分野があり、救急医療体制の強化には、両分野の充実・強化と両分野間の連携の強化が重要である。今回の研究においては、病院前救護の分野ではメディカルコントロール(MC)体制の評価指標や教育体制等について検討することで、MC体制のあるべき姿と評価指標を提示することを目的とした。また救急医療機関とその連携の分野については、地域における救急医療機関の連携、救急医療機関における労働の問題等の課題について検討し、継続可能な救急医療体制の在り方を提示することを目的とした。
研究方法
 研究班においては、会議形式での議論によって救急医療に係る課題を抽出し、その課題を分担研究者ごと割り振り、分担研究者が割り振られた課題について、たとえばアンケート調査を実施するなどして研究を進めた。そのうえで、各研究の途中経過や結果について研究班全体での会議形式の議論を行うことで研究を進めた。
結果と考察
 病院前救護の分野の研究結果として、救急隊の業務プロトコール内容について全国の実態と課題、救急救命士の再教育を効果的に実施する方法、メディカルコントロールに係る医師研修の課題を明らかにした。また、救急救命士の業務拡大について救急救命士の行う救急救命処置ごとの難易度等について整理した。さらには、メディカルコントール協議会へのアンケート調査を通じて、今後のMC協議会のあり方と将来像についてその方向性を提示するなどした。救急医療機関とその連携の分野の研究結果として、救命救急センター評価指標の検証として全国の救命救急センターを対象として行われた試行調査について結果をとりまとめ、救命救急センターの実態を明らかにした。また、救急医療機関の役割の検証として、地方3県の二次救急医療機関の実態を調査し、二次救急医療機関の質の向上に寄与できる指標について抽出するなどした。
結論
 救急医療体制の現状と、医師等の人的資源や医療費などの経済的資源が限られた状況の中で継続可能な救急医療体制を構築する際の課題の一部について明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2009-06-25
更新日
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