処方せんの記載方法に関する医療安全対策の検討

文献情報

文献番号
200835050A
報告書区分
総括
研究課題名
処方せんの記載方法に関する医療安全対策の検討
課題番号
H20-医療・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
齋藤 壽一(社会保険中央総合病院)
研究分担者(所属機関)
  • 土屋 文人(東京医科歯科大学歯学部附属病院)
  • 楠岡 英雄(国立病院機構 大阪医療センター)
  • 門林 宗男(兵庫医科大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
前年度迄の調査で、処方の記載方法については医師による個人差が今なお存在している実態が明らかになった。また本研究班が提言する標準的記載方法の実施については、全体として強い反対意見はないものの、移行期における事故発生に対する危惧感等について強い懸念が示されていた。そこで本年度は病院情報システムベンダーに対して、研究班が提言する標準案の実装を仮定した場合に、どのような対応が可能であるか及び用法の標準化についても検討を行う。これらを踏まえて処方記載に関する最終標準案を作成する。
研究方法
わが国において処方オーダリングシステムや電子カルテシステムを開発している大手のベンダーに対して、研究班が提案する処方記載方法になった場合のベンダー側の対応方法を調査する。また、用法の標準化における問題点についても医療機関のデータ解析を行い検討を行った。
結果と考察
対応策については、各ベンダーで現在稼働しているシステムを基本とすることとしたため、入力方法は既存のシステムの影響を受け、ベンダー間でばらつきが生じていた。したがって標準案を実施する場合には、単に記載方法を定めるのみならず、入力方法やその画面構成等に対しても標準化を行うことが必要であるとの結論となった。これは、ベンダーの違いがあっても、処方の入力方法等については共通の画面、共通の入力方法をとることが、医療安全の観点からも望ましいという理由である。
用法については、数カ所の病院情報システムで使用されている用法マスタの比較等を行った。その結果、外用剤における用法についてばらつきが多くみられた。また1ヶ月間の処方データにおける用法の分布を調査したところ、用法マスタの多様性にも拘わらず、実際には限定的な使われ方がされていることが明らかになったことから、用法についてはある程度網羅的に標準的用語を定めて、各施設において対応表を作成することで、標準化の基盤が構築できると考える。
結論
研究班としては、内服薬について1回量による記載を提言するが、過渡的な措置としては、記載された分量が1回量なのか、1日量を明示する用語を付記することが必要と考える。また、現行多く見られる1日量を記載しながら、用法に「1日3回」の如くの表現は情報伝達エラーを起こす要因となることから極めて不適切であり、この場合少なくとも「分3」あるいは「1日3回に分けて」というような表現に現段階でも改めるべきであることを提言する。

公開日・更新日

公開日
2009-06-25
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200835050C