エビデンスに基づく初期診療ガイドラインの作成に関する研究

文献情報

文献番号
200835040A
報告書区分
総括
研究課題名
エビデンスに基づく初期診療ガイドラインの作成に関する研究
課題番号
H19-医療・一般-015
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
山口 直人(財団法人日本医療機能評価機構 EBM医療情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 吉田 雅博(財団法人日本医療機能評価機構 EBM医療情報部)
  • 中山 健夫(京都大学大学院医学研究科)
  • 水嶋 春朔(公立大学法人横浜市立大学 医学部医学科)
  • 大滝 純司(東京医科大学総合診療科)
  • 新保 卓郎(国立国際医療センター研究所 医療情報解析研究部)
  • 佐藤 敏彦(北里大学医学部)
  • 小山 博史(東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 医療科学講座 臨床情報工学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、臨床研修医が研修において経験する主要な症候について、的確な判断が下せるように支援する「初期診療ガイドライン」を作成することである。「新医師臨床研修制度における指導ガイドライン(試行版)」で「頻度の高い症状」に取り上げられている症候を対象に初期診療ガイドラインを作成することとした。
研究方法
平成19年度には、初期診療ガイドラインのあり方に関する検討を行い、初期診療ガイドラインが満たすべき要件を整理し、初期診療ガイドラインの主な利用者、利用形態を定め、提供すべき情報と提供の形態を検討した。
本年度は、平成19年度の研究成果を受けて、初期診療ガイドラインの提供システムを完成する。インターネット上で実現し、主要症候に対して的確な対応ができるように支援するシステムを目指す。
結果と考察
システムの中心となる診断シミュレーションは、鑑別すべき疾患を的確に抽出すること、鑑別診断のために収集すべき所見、実施すべき検査の選択を確実に実施できることを重視し、それを身につけるためのシステムとした。想定する利用形態は、研修医が実際の診断プロセスを経験した後に、利用するもので、自動診断システムのように診断結果を教示するものではなく、診断プロセスの基本的な考え方、手順を学習できるように配慮した。
診断シミュレーションの実施には、鑑別疾患の事前確率、各疾患についての所見出現確率を設定し、所見・検査結果を入力し、さらに、自分が候補疾患として選んだ疾患名を鑑別疾患リストから選択する。シミュレーションで算出された事後確率から、候補疾患、要注意疾患として選出した疾患の鑑別診断が的確に実施されたかを確認できる。
今後はシステムを公開して問題点を整理して行く予定である。また、診断に関連する疫学データを収集し、鑑別疾患候補の事前確率、所見出現確率の信頼できる推計値を得て、診断シミュレーションの質を上げてゆく予定である。
結論
初期診療ガイドラインをインターネット上で提供するシステムを開発した。本システムでは、診断プロセスを確率的なプロセスとしてシミュレーションでき、利用者は自分の診断プロセスが適切であるかどうか自己学習が可能なように配慮した。

公開日・更新日

公開日
2009-04-14
更新日
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