文献情報
文献番号
202118018A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者の支援機器開発に携わる医療・福祉・工学分野の人材育成モデル構築に資する研究
課題番号
20GC1013
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
出江 紳一(国立大学法人 東北大学 大学院 医工学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 永富 良一(東北大学大学院医工学研究科)
- 井上 剛伸(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 福祉機器開発部)
- 浅川 育世(茨城県立医療大学 保健医療学部 理学療法学科)
- 大西 秀明(新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部)
- 中尾 真理(国立大学法人 東北大学 大学院 医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
15,385,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
支援機器開発には様々な専門職が関わるが、実践する人材の不足などが課題であったため、各専門職等に求められる諸条件を普及啓発する連携体制を構築するための方策をマッチング事業などの実践を通して抽出し、人材育成のプログラムおよびプログラム改善の仕組みを組み込んだ支援機器開発人材育成モデルを構築する。
研究方法
1)令和2年度の研究で実施した支援機器開発人材育成(パイロット版)研修会、および医工融合ワークショップの結果を基に、α版プログラムを作成した。
2)令和2年度の研究で作成したα版プログラムを改善するために、講義5回とワークショップ2回のテスト会を実施し、受講者全員を対象にアンケート調査を行い集計した。
3)α版プログラムのテスト会の結果を基に、課題の抽出をβ版プログラム作成に向けた方針決定した
4)開発におけるリハビリテーション専門職の役割も変化することを想定しておく必要があるため、デジタル技術を障害者、高齢者のニーズに合わせて活用するための研究や取り組みに関する海外の動向を調査した。
5)ニーズを明確化するデザイン思考を知識としてだけではなく機器開発の基本的発想とできるように、プログラムの洗練化を進めた。
6)α版及びβ版プログラムの仕様書の参考とするため、リハビリテーション科専門医の関与した支援機器開発のケースの情報について探索した。
2)令和2年度の研究で作成したα版プログラムを改善するために、講義5回とワークショップ2回のテスト会を実施し、受講者全員を対象にアンケート調査を行い集計した。
3)α版プログラムのテスト会の結果を基に、課題の抽出をβ版プログラム作成に向けた方針決定した
4)開発におけるリハビリテーション専門職の役割も変化することを想定しておく必要があるため、デジタル技術を障害者、高齢者のニーズに合わせて活用するための研究や取り組みに関する海外の動向を調査した。
5)ニーズを明確化するデザイン思考を知識としてだけではなく機器開発の基本的発想とできるように、プログラムの洗練化を進めた。
6)α版及びβ版プログラムの仕様書の参考とするため、リハビリテーション科専門医の関与した支援機器開発のケースの情報について探索した。
結果と考察
1)α版プログラムとして、プログラムの仕様書、ケーススタディ、研修用の説明資料を作成した。また、プログラム作成にあたり、支援機器に特有の課題の整理として、「支援機器開発・利活用ハートサイクル」を作成し、支援機器開発と利活用をサイクルで捉えることを明示した。
2)人材育成モデルα版プログラムを用い、講義及びワークショップのテスト会を実施し、最終成果物であるβ版プログラム作成のための課題抽出及び改善点の提案を目的に、事前・事後アンケートを作成・実施した。その結果、α版プログラムの内容について高い満足度が得られ、本手法に対する医療福祉専門職、支援機器開発職の興味の高さを確認することができた。
3)α版プログラムの試行結果を基に、受講者の支援機器開発の経験によって、2種類のワークショップを用意することとした。この点は、本研究の基本的な方針としているPDCAサイクルを回すことから得られた修正であり、このような手法の有用性を示す結果と考えられる。
4)調査結果より、デジタル技術を活用した支援機器の研究開発に関連する文献を抽出する事ができた点と、中でも通信・ネットワーク技術やセンシング技術の活用が進んでいる点が示された。一方で、これらの支援機器ではリハビリテーション専門職の関与がまだまだ進んでいないことが文献数より示され、今後さらなる調査も必要と考えられる。
5)医療機器ビジネス学では、複数の潜在的ニーズを含む患者シナリオに基づき、ニーズ探索、ニーズセレクション、ニーズステートメントを行ったのち選択された未解決課題に対応するアイディアに基づく提案をまとめるグループワークを実施した。参加者自らが主体的な取り組みを行い、自ら調査や文献検索を行うようになった結果、建設的な意見や反省が得られるようになった。一方、医療に関連する知識の不足や誤解がプロジェクトの停滞を招くことから、主体性を損なわないように手取足取りにならないようかつ、停滞したときに教員およびアシスタントが適切なアドバイスを提供する重要性が認識された。
6)施設全体で支援機器開発に取り組む事例の資料提供を受け、α版プログラム作成の参考資料として議論を行った。
2)人材育成モデルα版プログラムを用い、講義及びワークショップのテスト会を実施し、最終成果物であるβ版プログラム作成のための課題抽出及び改善点の提案を目的に、事前・事後アンケートを作成・実施した。その結果、α版プログラムの内容について高い満足度が得られ、本手法に対する医療福祉専門職、支援機器開発職の興味の高さを確認することができた。
3)α版プログラムの試行結果を基に、受講者の支援機器開発の経験によって、2種類のワークショップを用意することとした。この点は、本研究の基本的な方針としているPDCAサイクルを回すことから得られた修正であり、このような手法の有用性を示す結果と考えられる。
4)調査結果より、デジタル技術を活用した支援機器の研究開発に関連する文献を抽出する事ができた点と、中でも通信・ネットワーク技術やセンシング技術の活用が進んでいる点が示された。一方で、これらの支援機器ではリハビリテーション専門職の関与がまだまだ進んでいないことが文献数より示され、今後さらなる調査も必要と考えられる。
5)医療機器ビジネス学では、複数の潜在的ニーズを含む患者シナリオに基づき、ニーズ探索、ニーズセレクション、ニーズステートメントを行ったのち選択された未解決課題に対応するアイディアに基づく提案をまとめるグループワークを実施した。参加者自らが主体的な取り組みを行い、自ら調査や文献検索を行うようになった結果、建設的な意見や反省が得られるようになった。一方、医療に関連する知識の不足や誤解がプロジェクトの停滞を招くことから、主体性を損なわないように手取足取りにならないようかつ、停滞したときに教員およびアシスタントが適切なアドバイスを提供する重要性が認識された。
6)施設全体で支援機器開発に取り組む事例の資料提供を受け、α版プログラム作成の参考資料として議論を行った。
結論
プログラム策定班が作成した研修プログラムα版を社会実装班が大学、学会、厚生労働省 シーズ・ニーズマッチング交流会において、講義モデルとして合計5回、ワークショップモデルとして合計2回、実施し、アンケート結果に基づいて、支援機器開発人材育成における有用性と意義を明らかにするとともにβ版作成の方針(ワークショップモデルはベーシックとアドバンスの2種類を用意する)を定めた。また、プログラム策定班はデジタル技術を活用した支援機器開発の研究開発動向調査を行い、医療福祉専門職の関与が現状で不足しておりさらなる関与が必要であることを示した。さらに、専門職等に求められる諸条件の収集と整理、支援機器開発事例の調査は、α版の作成とβ版の方針決定に有用であった。これらに加えて、系統的な医工連携教育プログラムの開発を進め、医療知識が足りない理工系学生への教育の課題を抽出することができた。
公開日・更新日
公開日
2023-01-17
更新日
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