搬送救急患者の予後調査・分析に関する研究

文献情報

文献番号
200835032A
報告書区分
総括
研究課題名
搬送救急患者の予後調査・分析に関する研究
課題番号
H19-医療・一般-006
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
杉本 壽(大阪大学大学院 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 塩崎 忠彦(大阪大学大学院 医学系研究科)
  • 田崎 修(大阪大学大学院 医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、救急医療の成果であり総合評価の指標でもある救急患者の予後を、全国の救命救急センターへの救急搬送患者を対象に調査分析し、地域ならびに医療機関間の格差の是正、より効果的かつ効率的な救急医療提供体制の開発を行い、“いつでも、どこでも、だれでも”適切な救急医療の実現を目指すものである。
平成20年度の研究目的は、全国13の救命救急センターでの1年間の患者全数調査を行い、救命救急センターに入院する患者の背景(年齢・傷病名・入院日数・死亡率など)を明らかにすることである。
研究方法
平成19年1月1日から12月31日までの1年間に、全国13の救命救急センターに入院あるいは外来死亡となった患者を対象とした。
結果と考察
調査総数は14236例であった。傷病分類は、数が多い順に外傷(頭部外傷無):2,206例(15.5%)、脳血管障害:1,699例(11.9%)、心疾患:1,096例(7.7%)、内因性CPA:1,058例(7.4%)、外傷(頭部外傷有):925例(6.5%)、消化器疾患887例(6.2%)、急性中毒845例(5.9%)、急性冠症候群834例(5.9%)、呼吸器疾患・呼吸不全:830例(5.8%)であった。死亡症例は2,052例(14.4%)であった。また死亡例が多い傷病は、数が多い順に内因性CPA:死亡例827 /症例総数1058、脳血管障害:233/1699、外傷(頭部外傷有):134/925、外因性CPA:119/149、外傷性CPA:100/107、呼吸器疾患:84/830、外傷(頭部外傷無):83/2206であった。入院期間は1~3日が47.6%を占め、15日以上が18.3%、31日以上が7.2%であった。施設別では、症例数は2104例~569例、死亡率は33.1%~1.3%、入院31日以上の割合は18.2%~0.6%であった。
結論
全国13の救命救急センターにおける1年間の患者全数調査を行い、救命救急センターに搬送される主要疾患が何であるかが明らかとなった。これを踏まえ、平成21年度は調査対象を広げ、全国全ての救命救急センターに協力を依頼し、平成20年(1月~12月)に入院した救急搬送患者のretrospectiveな予後調査を行う。調査項目は、傷病名、それぞれの症例数および死亡率とする。また、平成20年度の調査で明らかとなった死亡数の多い疾病(内因性CPA、脳血管障害、外傷)については、調査する傷病群をある程度絞り込んだ上で、期間を限定し(1ヶ月程度)、重症度を加味したprospective調査を行う。

公開日・更新日

公開日
2009-04-06
更新日
-