医療安全対策の推進基盤となる電子カルテシステム等の開発・評価と利活用に関する研究「医療安全を目的とした電子カルテシステムのユーザビリティ評価とユーザーインターフェースガイドライン構築」

文献情報

文献番号
200835021A
報告書区分
総括
研究課題名
医療安全対策の推進基盤となる電子カルテシステム等の開発・評価と利活用に関する研究「医療安全を目的とした電子カルテシステムのユーザビリティ評価とユーザーインターフェースガイドライン構築」
課題番号
H18-医療・一般-026
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
山野邉 裕二(国立成育医療センター 医療情報室)
研究分担者(所属機関)
  • 本多 正幸(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科医療情報学)
  • 相澤 志優(国立成育医療センター 医療情報室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 従来の研究成果を踏まえて、電子カルテのより高次のユーザーインターフェースの問題点の抽出を目的とした。
研究方法
 前年度までの研究で収集した、ビデオなどの電子カルテシステムの操作記録素材を再度分析し、するともに、電子カルテ製品の操作マニュアル、市販されている電子カルテシステムにおける各機能の名称や表示の違いについて、電子カルテ標準仕様研究会が策定した「電子カルテシステム標準仕様書v1.0」の項目とも比較しながら調査した。
結果と考察
 標準仕様に存在する機能に対し、企業ごとに名称が異なるものも見られたが、機能そのものが存在しないもの、システム概念の違いによりひと口に標準的名称と比較できないものもあった。
また、同じ名称であっても、ベンダが異なることで別の意味を持っている場合があった。
 外来語もしくはカタカナ語の名称を持つ機能は、その意味するところのバリエーションが大きい傾向があった。
結論
 従来行ってきた電子カルテシステムのユーザビリティ評価項目の改善にあたり、名称や画面部品デザインの比較検討を行なった。電子カルテシステムを通じて医療安全に寄与するためには、引き続き高次のグラフィカル・ユーザーインターフェースの問題点の調査を続けるとともに、実際にデンシカルテシステムを導入・利用している医療機関での運用実態を把握し、よりよい運用推奨を探索してゆく必要があると考える。

公開日・更新日

公開日
2009-04-14
更新日
-

文献情報

文献番号
200835021B
報告書区分
総合
研究課題名
医療安全対策の推進基盤となる電子カルテシステム等の開発・評価と利活用に関する研究「医療安全を目的とした電子カルテシステムのユーザビリティ評価とユーザーインターフェースガイドライン構築」
課題番号
H18-医療・一般-026
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
山野邉 裕二(国立成育医療センター 医療情報室)
研究分担者(所属機関)
  • 本多 正幸(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 医療情報学)
  • 相澤 志優(国立成育医療センター 医療情報室 )
  • 加藤 五十六(静岡県立総合病院 臨床検査科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
  厚生労働省の施策の下で電子カルテが普及しつつある現在、従来研究や改良が不十分であったユーザーインターフェースの問題が顕在化している。さらに、行政の課題であった臨床研修の必修化に伴い、病院医師の移動が多くなり、不統一な電子カルテの使用に起因する医療事故の増加が懸念されるところである。このような背景にあって、電子カルテのユーザーインターフェースのガイドライン、およびそのための評価方法の確立が必要となっている。
研究方法
 本研究は、電子カルテに代表される病院情報システムのユーザビリティを改善するための具体的な提案を、「医療安全上危険なユーザビリティ上の問題点の発見」、「電子カルテのための低レベルGUIのガイドラインの提案」、「機能名称や状態表示色など高レベルのユーザビリティ上の問題点の探索」からなる3段階のロードマップに従って行った。
結果と考察
 当初研究で不適切なGUIの利用の実態が明らかとなったが、そのなかでも隠しボタン、逆動作ボタン、択一項目へのチェックボックス利用、ダブルクリックで誤動作を惹起する部品の4項目については医療安全上の危険性が高いと判断した。それを踏まえて電子カルテシステムのグラフィカルユーザーインターフェースの基礎的ガイドライン」を作成した。
 機能名称については同じ名称であっても、ベンダが異なることで別の意味を持っている場合、外来語・カタカナ語で意味のばらつきが多い例がみられた。機能の説明にアイコンを用いる例も多いが、図案を統一することができないため、混乱の元になっていると考えられた。
結論
 電子カルテシステムのユーザビリティ評価項目の改善にあたり、医療安全上危険なGUI部品の利用が実際の製品に存在していることを指摘し、基礎的なユーザーインターフェイスガイドラインを提案した。さらにより高次のGUIである、システム上の機能名称や画面部品デザインの比較検討を行なった。電子カルテシステムを通じて医療安全に寄与するためには、基礎的ガイドラインの改訂を継続しつつ医療安全上の問題が減少するように努め、引き続き高次のグラフィカル・ユーザーインターフェースの問題点の調査を続けるとともに、実際に電子カルテシステムを導入・利用している医療機関での運用実態を把握し、よりよい運用推奨を探索してゆく必要があると考える。

公開日・更新日

公開日
2009-04-14
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200835021C