健康・医療・介護分野の分野横断的なデータ収集・利活用・解析基盤の構築による介護予防に資するAI等開発についての研究

文献情報

文献番号
202116013A
報告書区分
総括
研究課題名
健康・医療・介護分野の分野横断的なデータ収集・利活用・解析基盤の構築による介護予防に資するAI等開発についての研究
課題番号
21GA5001
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
荒井 秀典(国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 理事長室)
研究分担者(所属機関)
  • 島田 裕之(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター)
  • 原 辰徳(東京大学 総括プロジェクト機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
131,550,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
少子高齢化の一層の進展に伴って、介護需要が増大するとともに、労働力制約は強まっている。そうした状況の中、持続可能な介護サービスのために、効果的な介護予防サービスを行い、健康寿命を延伸することが急務となっている。本研究では、各省庁および産学が連携し、国・自治体や介護予防サービスに関わる民間企業等が共通で利用できるビッグデータ基盤や、現在は専門職が行っている介護予防事業を代替できるAI等のインフラを開発(協調領域)し、さらに、協調領域を活用した民間主体による競争的な取組(競争領域)を活性化する。これらにより、エビデンスに基づく介護予防の取組を全国展開して、健康寿命の延伸に資することを目指した。既に、収集したデータを蓄積するデータ連係基盤を構築しており、令和2年度にリリースした「オンライン通いの場」アプリを活用し、アプリでデータを収集、そのデータを用いて要介護リスク予測AIを開発した。自治体・自治体と連携した民間企業との連携により、アプリの機能充実と一層の普及に努め、より多くのデータを収集した。アプリから得られたデータをもとに、本事業からはアウトカム情報として国保データベース(KDB)に含まれる要介護認定データを活用して、令和2年度に開発した要介護リスク予測AI(以下、「介護予防AI」とする)を改修し、予測精度の向上を目指すことを目的とした。
研究方法
「オンライン通いの場」アプリを中心とした介護予防プラットフォームの本格運用に向けて、13自治体を選定し、「オンライン通いの場」アプリの機能充実と一層の普及に努め、より多くのライフログデータを収集した。本事業で「オンライン通いの場」アプリのデータの集積および個人単位で連結可能な環境を整備した。またデータ連携基盤に蓄積された「オンライン通いの場」アプリのデータをもとに、令和2年度までに開発した介護予防AIを改修し、予測精度の向上を目指した。本年度より、アウトカム情報としてKDBの利用を開始し、「オンライン通いの場」アプリから収集したデータを活用した要介護認定リスクを推定する介護予防AIを開発し、その性能評価を行った。さらに、本事業で構築した介護予防プラットフォームへ参加する民間企業の募集に当たり、「オンライン通いの場」アプリや本プラットフォームの活用可能性などに関して計8社の民間企業からヒアリングを行った。
結果と考察
「オンライン通いの場」アプリから収集したデータを活用して令和2年度の事業で開発した高齢者の介護予防AIを改修し、その性能評価を行った。XGBoostを用いて、最直近データで欠損値補完、パラメーターの最適化により最も高いROC AUC: 0.782と比較的高い予測精度が得られた。8社の民間企業へのヒアリングを通じて、介護予防プラットフォームの活用方針を整理することが出来た。
結論
本事業によって、通いの場アプリで収集したデータおよびその他の自治体や民間企業から提供されたデータを用いて、令和2年度の事業で開発した高齢者の介護予防AIを更に改修することができた。本事業により、通いの場の活動自粛下でも在宅高齢者が健康を維持するために必要なプラットフォームの構築、全国の自治体および民間企業へ展開するための仕組みを整備することができた。

公開日・更新日

公開日
2022-06-03
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-06-03
更新日
2023-03-28

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202116013C

成果

専門的・学術的観点からの成果
オンライン通いの場アプリにて入力した疾患情報、基本チェックリストから2年後の要介護認定リスクを判定し、介護予防のための行動を提案する機能を実装した。
臨床的観点からの成果
新たな自治体と研究協定を締結し、高齢者の介護予防事業にオンライン通いの場アプリを使用する仕組みを整備することができた。また携帯キャリアとも連携し、スマホ教室を開催して高齢者への普及活動を実施した。
ガイドライン等の開発
なし
その他行政的観点からの成果
厚生労働省のホームページとの連携、紹介動画等のSNSでの発信を行いオンライン通いの場アプリの周知および介護予防に対する普及啓発を実施した。
その他のインパクト
オンライン通いの場アプリについて、ニュースや新聞等で取り組みを周知した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
18件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
12件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
厚生労働省のホームページと連携してオンライン通いの場アプリの周知を行い、介護予防の促進を図った。
その他成果(普及・啓発活動)
3件
①厚生労働省のホームページとの連携、②SNSにて紹介動画の配信、③携帯キャリア店舗でのスマホ教室にてオンライン通いの場アプリの紹介、登録支援を行なった。

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2022-06-03
更新日
2023-06-09

収支報告書

文献番号
202116013Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
171,000,000円
(2)補助金確定額
170,896,000円
差引額 [(1)-(2)]
104,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 8,095,282円
人件費・謝金 12,800,792円
旅費 25,620円
その他 110,563,679円
間接経費 39,450,000円
合計 170,935,373円

備考

備考
自己資金39,373円

公開日・更新日

公開日
2023-05-29
更新日
-