医療計画におけるPDCAサイクルによるマネジメントに関する研究

文献情報

文献番号
200835010A
報告書区分
総括
研究課題名
医療計画におけるPDCAサイクルによるマネジメントに関する研究
課題番号
H18-医療・一般-013
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
尾形 裕也(九州大学大学院医学研究院 医療経営・管理学講座)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成20年の医療計画の見直しは制度創設以来初の本格的な改革であり、地域医療連携体制の構築に向け、都道府県に大きな権限と責任が賦与された。本研究においては、都道府県が医療計画の作成・管理に当たってPDCAサイクルを適切に回せるよう、具体的な課題と解決方策を提示するとともに、医療政策を担う人材を育成するプログラムを開発し、人材育成を実施することを目的とする。
研究方法
主任研究者を中心とする「医療計画マネジメント研究会」を毎月2、3回のペースで開催し、全国の医療計画を収集、分析するとともに、関連研究を実施した。また、これまでの研究成果を踏まえつつ、福岡県庁と緊密な連携を図りながら、モデル講義の計画・実施及びその評価を行った。 
結果と考察
1.医療計画の評価 
 Donabedianによる三分法を援用し、全国の計画が設定している事業ごとの指標・目標値を分類し、その特徴を明らかにした。設定目標1,188件のうち、Structure指標470件(39.6%)、Process指標466件(39.2%)、Outcome指標252件(21.2%)であった。
2.在宅医療に関する研究
 平成19年度研究で実施した在宅療養支援診療所調査結果(福岡県)と、財務諸表データを組合せた分析を行い、在宅医療推進に当たっての諸課題を明らかにした。
3.医療計画作成・管理マニュアル
 3年間の研究成果を踏まえ、医療計画作成・管理マニュアルの最終案を策定した。
4.医療政策人材育成プログラムの開発及び実践
 九州大学専門職大学院における都道府県派遣職員を含む院生の演習指導等を通じ、人材育成を実践するとともに、諸課題を整理した。これに基づき、モデルカリキュラム等を作成し、福岡県の行政官を対象としたモデル講義を実施した。
5.考察   
 全国の医療計画については、Outcome指標が少なく、大部分は死亡率関連であるという偏りが見られた。また、PDCAサイクルについても、施策が総花的で、目標達成との関係が明示されていない。次期医療計画の策定に当たっては、こうした点について改善が必要である。また、人材育成プログラムは一定の成果を挙げたものと評価できる。今後、保健医療科学院等における研修を補完する形で、プログラムを展開することが必要である。
結論
3年間の研究を通じ、医療計画のPDCAサイクルを回すためには、確実なevidenceを蓄積するための調査研究が重要であること、また、それを担う人材育成が鍵を握っていることが示された。医療計画は、医療政策における中心的な政策ツールであり、こうした政策基盤の充実が喫緊の課題である。

公開日・更新日

公開日
2009-04-06
更新日
-

文献情報

文献番号
200835010B
報告書区分
総合
研究課題名
医療計画におけるPDCAサイクルによるマネジメントに関する研究
課題番号
H18-医療・一般-013
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
尾形 裕也(九州大学大学院医学研究院 医療経営・管理学講座)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成18年度の医療計画の見直しは制度創設以来初の本格的な改革であり、地域医療連携体制の構築に向け、都道府県に大きな権限と責任が賦与された。本研究においては、都道府県が医療計画の作成・管理に当たってPDCAサイクルを適切に回せるよう、具体的な課題と解決方策を提示するとともに、医療政策を担う人材を育成するプログラムを開発し、人材育成を実施することを目的とする。
研究方法
3年間を通じ、主任研究者を中心とする「医療計画マネジメント研究会」を毎月2~3回のペースで開催した。研究フィールドとしては、千葉県、福岡県を設定し、両県庁、県医師会等との連携の下に、両県の医療計画(在宅医療部分)を策定することを基軸に研究を進めた。最終年度には、これまでの研究成果を踏まえ、医療計画作成・管理マニュアルを策定するとともに、福岡県庁と緊密な連携を図りながら、モデル講義の計画・実施及びその評価を行った。 
結果と考察
1.福岡県及び千葉県における医療計画(在宅医療部分)の策定
2.在宅医療関連研究の実施
3.医療計画の評価 
4.医療計画作成・管理マニュアルの策定
5.医療政策人材育成プログラムの開発及び実践
 在宅療養支援診療所については、活動実態や分布に大きなばらつきがあり、抱えている課題も多様である。在宅医療を推進するためには、こうした実態を十分踏まえた政策とする必要がある。
全国の医療計画については、各事業に関して設定された指標・目標はOutcome指標が少なく、その大部分は死亡率関連であるという偏りが見られた。また、PDCAサイクルについても、施策が総花的で、目標達成との関係が明示されていないものが多かった。次期医療計画の策定に当たっては、こうした点について改善が必要である。また、人材育成プログラムは一定の成果を挙げたものと評価できる。今後、保健医療科学院等における既存の研修を補完する形で、こうしたプログラムを展開することが必要である。
結論
3年間の本研究を通じ、医療計画のPDCAサイクルを回していくためには、確実なevidenceを蓄積するための調査研究が重要であること、また、それを担う人材の育成が鍵を握っていることが示された。医療計画は、医療提供政策における中心的な政策ツールであり、今後、こうした政策基盤の充実が喫緊の課題である。

公開日・更新日

公開日
2009-04-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-12-11
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200835010C