文献情報
文献番号
202115003A
報告書区分
総括
研究課題名
慢性疼痛診療システムの均てん化と痛みセンター診療データベースの活用による医療向上を目指す研究
課題番号
19FG2001
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
矢吹 省司(福島県立医科大学 保健科学部)
研究分担者(所属機関)
- 牛田 享宏(愛知医科大学医学部 学際的痛みセンター/運動療育センター(兼任) )
- 山下 敏彦(札幌医科大学医学部整形外科学講座)
- 小澤 浩司(東北医科薬科大学医学部)
- 伊達 久(仙台ペインクリニック)
- 山口 重樹(獨協医科大学 医学部麻酔科学講座)
- 大鳥 精司(千葉大学大学院医学研究院 整形外科学)
- 倉田 二郎(東京慈恵会医科大学医学部)
- 井関 雅子(順天堂大学医学部麻酔科学ペインクリニック講座)
- 加藤 実(日本大学医学部 麻酔科学系麻酔科学分野)
- 今村 佳樹(日本大学 歯学部 口腔診断学講座)
- 松平 浩(東京大学 医学部附属病院22世紀医療センター 運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座)
- 小杉 志都子(慶應義塾大学医学部麻酔学教室)
- 北原 雅樹(横浜市立大学附属市民総合医療センター ペインクリニック内科)
- 木村 慎二(新潟大学医歯学総合病院 リハビリテーション科)
- 川口 善治(富山大学 学術研究部医学系整形外学運動器病学)
- 中村 裕之(金沢大学 医薬保健研究域 医学系)
- 杉浦 健之(名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔科学・集中治療医学分野)
- 青野 修一(愛知医科大学 医学部 疼痛データマネジメント寄附講座)
- 丸山 一男(三重大学大学院医学系研究科 麻酔集中治療学)
- 福井 聖(滋賀医科大学 医学部附属病院 ペインクリニック科)
- 松田 陽一(大阪大学大学院医学系研究科 麻酔・集中治療医学教室)
- 中塚 映政(なかつか整形外科リハビリクリニック)
- 松原 貴子(神戸学院大学 総合リハビリテーション学部)
- 西田 圭一郎(岡山大学学術研究院 医歯薬学域整形外科学)
- 鈴木 秀典(山口大学大学院医学系研究科)
- 檜垣 暢宏(愛媛大学医学部 麻酔科蘇生科)
- 川崎 元敬(国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター 疼痛医療センター)
- 細井 昌子(九州大学病院 心療内科)
- 門司 晃(佐賀大学医学部附属病院 精神神経科)
- 池内 昌彦(高知大学医学部 整形外科)
- 小幡 英章(福島県立医科大学 医学部)
- 二階堂 琢也(福島県立医科大学医学部整形外科学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 慢性の痛み政策研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
35,320,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
慢性疼痛診療システムの均てん化のためには痛みセンターの拡充が重要であり、痛みセンターを中心に研究データを積み上げ、解析することが必要である。そのため、本研究班では、1)集学的痛みセンターの構築(新たな痛みセンターの立ち上げ、今まで出来ている痛みセンターの成績の解析と充実化、そして新たな前向き研究)、2)慢性疼痛患者のデータベースの構築(登録システムの開発と継続)、3)最新の研究結果も取り入れた慢性疼痛診療におけるガイドラインの作成と有用性の検討、そして4)国民への広報や医療者の教育、診療に役立つツールの開発を行う。さらに慢性疼痛診療モデル事業全体の成果と問題点を解析し、今後の方向性を示していく。
研究方法
4つの分科会を作ってそれぞれの課題に取り組む。
1.集学的痛みセンターの構築分科会
新たな痛みセンターの立ち上げと既存の痛みセンターの現状とその成績の解析を行う。中国の痛みセンターを見学する。慢性疼痛患者と発達障害に関する前向き研究を行う。慢性疼痛診療モデル事業の効果と問題点を明らかにしていく。
2.慢性疼痛患者のデータベースの構築分科会
データベースの構築と登録を進める。
3.慢性疼痛診療ガイドラインの作成と有用性の検討分科会
最新のデータを取り入れたガイドラインの作成を行う。
4.国民への広報や医療者の教育、診療に役立つツールの開発分科会
慢性疼痛総合対策の普及・啓発(総合的な痛み情報ポータルサイトのホームページ「WWW.itami-net.or.jp」)と地域の各痛みセンターの診療(検査、治療)の状況をアップデートする。患者管理用ツール、医療者・患者の教育ツールや診断・治療に役立つツールの開発を行う。
1.集学的痛みセンターの構築分科会
新たな痛みセンターの立ち上げと既存の痛みセンターの現状とその成績の解析を行う。中国の痛みセンターを見学する。慢性疼痛患者と発達障害に関する前向き研究を行う。慢性疼痛診療モデル事業の効果と問題点を明らかにしていく。
2.慢性疼痛患者のデータベースの構築分科会
データベースの構築と登録を進める。
3.慢性疼痛診療ガイドラインの作成と有用性の検討分科会
最新のデータを取り入れたガイドラインの作成を行う。
4.国民への広報や医療者の教育、診療に役立つツールの開発分科会
慢性疼痛総合対策の普及・啓発(総合的な痛み情報ポータルサイトのホームページ「WWW.itami-net.or.jp」)と地域の各痛みセンターの診療(検査、治療)の状況をアップデートする。患者管理用ツール、医療者・患者の教育ツールや診断・治療に役立つツールの開発を行う。
結果と考察
1.集学的痛みセンターの構築分科会
1)痛みセンターの条件の再検討を行い、その条件を示して申請を募った。令和元年度は23施設であったが、令和3年度までに34施設を認定することができた(令和4年3月31日時点)。しかし、地域の偏りがあり、各県全てに一つ以上の痛みセンターを設置するという目標には達しなかった。
2)慢性疼痛診療モデル事業の教育効果判定にも使用可能なツールの開発を始め、プロトタイプが出来上がり、このツールを使用し、教育効果の判定が可能かどうか検討を進めた。3)慢性疼痛患者と発達障害の関連を明らかにするための質問表(スクリーニングツール)を痛みセンターに配布し、データを収集した。これらのデータを解析した結果、発達障害スクリーニングツールで陽性となる慢性疼痛患者の頻度が明らかとなり、論文で公表する準備を進めている。ただし、今回の研究で使用した質問表は、発達障害スクリーニングツールであり、発達障害の診断が行えているわけではないため、その解釈には注意が必要である。この点を踏まえて、慎重に論文を作成していく。
2.慢性疼痛患者のデータベースの構築分科会
データベースに入力する内容、管理する委託会社を決定し、入力を開始した。登録症例数はまだ300例程度である。きめ細かく必要性を説明し、登録症例を増やして充実したデータベースにしていく。
3.慢性疼痛診療ガイドラインの作成と有用性の検討分科会
ガイドライン2021が完成したため、その普及に努めた。今後はその有用性を明らかにする必要がある。
4.国民への広報や医療者の教育、診療に役立つツールの開発分科会
ホームページの最新化を適宜行っている。教育コンテンツの作成や改訂に取り組んでいる。現状のツールの問題点が明らかになってきたため、その変更を今後行う。
1)痛みセンターの条件の再検討を行い、その条件を示して申請を募った。令和元年度は23施設であったが、令和3年度までに34施設を認定することができた(令和4年3月31日時点)。しかし、地域の偏りがあり、各県全てに一つ以上の痛みセンターを設置するという目標には達しなかった。
2)慢性疼痛診療モデル事業の教育効果判定にも使用可能なツールの開発を始め、プロトタイプが出来上がり、このツールを使用し、教育効果の判定が可能かどうか検討を進めた。3)慢性疼痛患者と発達障害の関連を明らかにするための質問表(スクリーニングツール)を痛みセンターに配布し、データを収集した。これらのデータを解析した結果、発達障害スクリーニングツールで陽性となる慢性疼痛患者の頻度が明らかとなり、論文で公表する準備を進めている。ただし、今回の研究で使用した質問表は、発達障害スクリーニングツールであり、発達障害の診断が行えているわけではないため、その解釈には注意が必要である。この点を踏まえて、慎重に論文を作成していく。
2.慢性疼痛患者のデータベースの構築分科会
データベースに入力する内容、管理する委託会社を決定し、入力を開始した。登録症例数はまだ300例程度である。きめ細かく必要性を説明し、登録症例を増やして充実したデータベースにしていく。
3.慢性疼痛診療ガイドラインの作成と有用性の検討分科会
ガイドライン2021が完成したため、その普及に努めた。今後はその有用性を明らかにする必要がある。
4.国民への広報や医療者の教育、診療に役立つツールの開発分科会
ホームページの最新化を適宜行っている。教育コンテンツの作成や改訂に取り組んでいる。現状のツールの問題点が明らかになってきたため、その変更を今後行う。
結論
4つの分科会で研究を進めることができた。
3年目(最終年度)であり、成果を出すことができた。
3年目(最終年度)であり、成果を出すことができた。
公開日・更新日
公開日
2022-06-07
更新日
-